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最終章
02
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「そう暴れるな」
笑いながら、太もものつけ根を触れていた手をドレスから出し両手を使って器用に私を自分と向き合うようにし、騎士の膝に跨いで座る状態で体を起き上がらさせられる。
「騎士、違うわ」
真顔で訴える。
「…何がだ?」
「私は椅子に座りたいの」
「座っているだろ?」
本当に、何を言ってるの。
「…貴方は椅子なの?」
「ふっ、サフィの椅子か喜んで承ろう」
悦ばないでちょうだい。
眉間のシワが増えそうよ。
「いいえ、結構よ。それより私とてもはしたない格好をさせられていることになるのだけど、これは私を辱めているとは思いませんか?ユーグス王子」
騎士と言わず、王子と言ったのは私の言葉を受け入れて実行してくれない騎士の態度に対するイヤミ
「…サフィから王子と呼んでもらえるとはな、新鮮で嬉しい限りだ。」
嘘でしょ、なんで喜ぶのよ!
「で、何を話したい?」
私の腰をガッチリ両手でホールドし軽く首を傾げて聞いてくる騎士から雄のフェロモンだだ漏れで、怯みそうになるけど流されるわけにはいかないのよ。と1度目を閉じ胸に手を当て深呼吸する。ゆっくり瞼をあけて騎士と目線を合わす。
「これから幾つか質問するから、答えて頂戴」
「あぁ」
「騎士が私を見つけた時には黒ずくめの男達はいなかったの?」
「…あぁ」
一瞬だけど目線を逸らし、間のある返信
「そう、騎士は確かあの日の数日前から姿を急に見せなくなっていたと思うのだけど、何処にいたの?」
「ここに居た」
「何故、私の居場所が分かったの?」
「…聞いていた」
「なにを?」
「お前が、あの日嫁ぐことを」
「それだけで、場所が分かったの?」
「あぁ、アイツの御者が迎えに行くことを聞いていたから」
リヴォルノ王国はエドウィー王子の国よりもいくつも向こうにあり、領地は広いもののこの国からデン王国まで三日三晩はかかると聞いたことがあるわ。
それも馬に乗った状態での話
あの日何者かに背後から殴られて気絶をした時、確かに黒ずくめが二人蚊帳の外の様に見ていたのは知っていた。それが本当に黒ずくめなのかしら、殴られた位置もすぐに気絶するポイントを目掛けていたみたいだし、そんなことがあの流れで的確に出来る連中ではないと思う。
そして気絶した私を発見したというのなら、黒ずくめの男達はどこへ行ったの?私が目的なのに置いて消えるはずがないわ。
となれば、考えられるのは主と言われた男が騎士だったのか、発見したといいながら本当はあの男達と戦ってくれたのか。…後者であって欲しい。
「誰に?」
「…サフィ、俺を疑っているのか?」
「何を疑うの?」
「俺がお前を襲わせた黒幕なんじゃないかと、そう言っているように聞こえる」
急に私の腰に回してる腕に力を入れて、抱きしめられ驚く。
これじゃあ、騎士の表情が見れない。
笑いながら、太もものつけ根を触れていた手をドレスから出し両手を使って器用に私を自分と向き合うようにし、騎士の膝に跨いで座る状態で体を起き上がらさせられる。
「騎士、違うわ」
真顔で訴える。
「…何がだ?」
「私は椅子に座りたいの」
「座っているだろ?」
本当に、何を言ってるの。
「…貴方は椅子なの?」
「ふっ、サフィの椅子か喜んで承ろう」
悦ばないでちょうだい。
眉間のシワが増えそうよ。
「いいえ、結構よ。それより私とてもはしたない格好をさせられていることになるのだけど、これは私を辱めているとは思いませんか?ユーグス王子」
騎士と言わず、王子と言ったのは私の言葉を受け入れて実行してくれない騎士の態度に対するイヤミ
「…サフィから王子と呼んでもらえるとはな、新鮮で嬉しい限りだ。」
嘘でしょ、なんで喜ぶのよ!
「で、何を話したい?」
私の腰をガッチリ両手でホールドし軽く首を傾げて聞いてくる騎士から雄のフェロモンだだ漏れで、怯みそうになるけど流されるわけにはいかないのよ。と1度目を閉じ胸に手を当て深呼吸する。ゆっくり瞼をあけて騎士と目線を合わす。
「これから幾つか質問するから、答えて頂戴」
「あぁ」
「騎士が私を見つけた時には黒ずくめの男達はいなかったの?」
「…あぁ」
一瞬だけど目線を逸らし、間のある返信
「そう、騎士は確かあの日の数日前から姿を急に見せなくなっていたと思うのだけど、何処にいたの?」
「ここに居た」
「何故、私の居場所が分かったの?」
「…聞いていた」
「なにを?」
「お前が、あの日嫁ぐことを」
「それだけで、場所が分かったの?」
「あぁ、アイツの御者が迎えに行くことを聞いていたから」
リヴォルノ王国はエドウィー王子の国よりもいくつも向こうにあり、領地は広いもののこの国からデン王国まで三日三晩はかかると聞いたことがあるわ。
それも馬に乗った状態での話
あの日何者かに背後から殴られて気絶をした時、確かに黒ずくめが二人蚊帳の外の様に見ていたのは知っていた。それが本当に黒ずくめなのかしら、殴られた位置もすぐに気絶するポイントを目掛けていたみたいだし、そんなことがあの流れで的確に出来る連中ではないと思う。
そして気絶した私を発見したというのなら、黒ずくめの男達はどこへ行ったの?私が目的なのに置いて消えるはずがないわ。
となれば、考えられるのは主と言われた男が騎士だったのか、発見したといいながら本当はあの男達と戦ってくれたのか。…後者であって欲しい。
「誰に?」
「…サフィ、俺を疑っているのか?」
「何を疑うの?」
「俺がお前を襲わせた黒幕なんじゃないかと、そう言っているように聞こえる」
急に私の腰に回してる腕に力を入れて、抱きしめられ驚く。
これじゃあ、騎士の表情が見れない。
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