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第二章
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1度、服を着替えに消えた兄達も戻ってきて夕食は久々の家族で私の旅話に花をさかせた。
騎士は、お母様やお父様に一礼して一言二言交わしたかと思えば、どこかへ消えて行った。
「サファリーア、ユーグスは?」
話には出てくるのに、存在がないことに騎士と仲のいい一番目の兄は疑問を投げかける。
「…さぁ、どこに行ったのかしら?」
やっと離れれたのに話題には出すものの、家族の時間を大切にしたくて
「そのうち戻って来るんじゃないかしら?」
確信もない発言をして、また、話を再開させる。
話がそこそこ尽きてきた頃
「サファリーア続きはまた明日聞かせて頂戴。お風呂に浸かって今日はもうお休みになりなさい。」
そう言ってお母様に腰を上げるよう促され、まだまだ家族との時間を堪能したかったけれどこれから一緒の時間を過ごせるものね。と1度自分の部屋に下着を取りに戻る。
その日は久々に当たり前だと思っていたけど実はとてもとても広い浴槽だと知った我が家のお風呂でお湯に浸かり、新しい服を身にまとい眠りについた。
次の日にはひょっこり顔を出してるんじゃないかと思った騎士が見当たらず、書類に目を通していた一番目の兄へ
「お兄様、騎士はどこに行ったの?」
と疑問を投げかける。
私の問いかけに
「お前が知らないなら私も知らないな。」
と返答が返ってきて、二番上の兄にも確認しに向かう。
「あにさま、あにさまは騎士がいる場所をご存知??」
「…いや、残念だがワタシは知らないな。」
「あら、そうなの?」
その後、身近にいた人やお父様お母様に聞いてみたが、誰も知らないと言われて、喧嘩別れしたみたいな終わり方をしたので一言旅の友として無事帰って来れたのは彼のおかげでもあるので御礼を伝えたかったのに。とモヤモヤしながらも居場所が分からないんではどうすることも出来ないので、『またすぐ会えるわよね』と騎士のことを聞くことを辞めた。
騎士が姿を消して数日経ったある日、お父様から呼び出される。
仕事部屋のドアをトントンとノックすれば、少し遅れて返事が返ってくる。中へ入るように促されて恐る恐る中へ入れば、真剣な表情でこちらを見つめる父の姿。
「お父様、どうされたの?」
「サファリーアお前に話がある」
『何だか言いにくそうね。』と次のアクションを静かに待つ。
「何かしら?」
「もう二日で誕生日を迎えるな。」
「えぇ」
「お前も、もう嫁いでもおかしくない歳になった。…そこでだ、許嫁をだなお前にもいることを先に伝えておかないとと思ってな。」
「えぇ。……え?許嫁??」
「許嫁だ。」
家系上、政略結婚も頭の中になかった訳じゃないけど何だか恋というものをしてみたかったので少し残念に思う。
騎士は、お母様やお父様に一礼して一言二言交わしたかと思えば、どこかへ消えて行った。
「サファリーア、ユーグスは?」
話には出てくるのに、存在がないことに騎士と仲のいい一番目の兄は疑問を投げかける。
「…さぁ、どこに行ったのかしら?」
やっと離れれたのに話題には出すものの、家族の時間を大切にしたくて
「そのうち戻って来るんじゃないかしら?」
確信もない発言をして、また、話を再開させる。
話がそこそこ尽きてきた頃
「サファリーア続きはまた明日聞かせて頂戴。お風呂に浸かって今日はもうお休みになりなさい。」
そう言ってお母様に腰を上げるよう促され、まだまだ家族との時間を堪能したかったけれどこれから一緒の時間を過ごせるものね。と1度自分の部屋に下着を取りに戻る。
その日は久々に当たり前だと思っていたけど実はとてもとても広い浴槽だと知った我が家のお風呂でお湯に浸かり、新しい服を身にまとい眠りについた。
次の日にはひょっこり顔を出してるんじゃないかと思った騎士が見当たらず、書類に目を通していた一番目の兄へ
「お兄様、騎士はどこに行ったの?」
と疑問を投げかける。
私の問いかけに
「お前が知らないなら私も知らないな。」
と返答が返ってきて、二番上の兄にも確認しに向かう。
「あにさま、あにさまは騎士がいる場所をご存知??」
「…いや、残念だがワタシは知らないな。」
「あら、そうなの?」
その後、身近にいた人やお父様お母様に聞いてみたが、誰も知らないと言われて、喧嘩別れしたみたいな終わり方をしたので一言旅の友として無事帰って来れたのは彼のおかげでもあるので御礼を伝えたかったのに。とモヤモヤしながらも居場所が分からないんではどうすることも出来ないので、『またすぐ会えるわよね』と騎士のことを聞くことを辞めた。
騎士が姿を消して数日経ったある日、お父様から呼び出される。
仕事部屋のドアをトントンとノックすれば、少し遅れて返事が返ってくる。中へ入るように促されて恐る恐る中へ入れば、真剣な表情でこちらを見つめる父の姿。
「お父様、どうされたの?」
「サファリーアお前に話がある」
『何だか言いにくそうね。』と次のアクションを静かに待つ。
「何かしら?」
「もう二日で誕生日を迎えるな。」
「えぇ」
「お前も、もう嫁いでもおかしくない歳になった。…そこでだ、許嫁をだなお前にもいることを先に伝えておかないとと思ってな。」
「えぇ。……え?許嫁??」
「許嫁だ。」
家系上、政略結婚も頭の中になかった訳じゃないけど何だか恋というものをしてみたかったので少し残念に思う。
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