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第一章
07
しおりを挟むあと何度か日が沈んで、上がればその日はやってくる。
やっぱり理想は同い歳か、数個離れた年上の男性
お兄様達の様に優しくて間違えた事をしたら叱ってくれる人
結婚して、そうね、、
二年後くらいに赤ちゃんが欲しいわ。
男の子と女の子と1人ずつ
旦那さんと4人で、ワンちゃんも飼って
笑顔の絶えない家庭を築いて…
シャワーで身体を温めて、バスローブに着替えてドライヤーで髪を乾かし私には1人で眠るには大きすぎるベッドで眠りに着くまでの間、騎士がいないことをいいことに未来の妄想にふけっていた。
「…フィ…サフィ、」
優しく髪を梳かすように撫でる大きな手
「…食事をしに行こう。」
優しく囁くように聞こえる、いつも聞く声
「…サフィ…サフィ、起きろ。」
コツンとおでこに何か当たったと重い瞼をゆっくり開ければ
「サフィ、やっと起きたか。」
ドアップにブルーの瞳と目が合う。
そのことに驚いて、夢の中へ戻りかけた意識がハッキリとする。
「おはよう、騎士」
「余程疲れが溜まっていたんだな。ぐっすり寝ていたから、起こすのを躊躇った。」
「…そのようね、起こしてくれてありがとう。何処か…いい所、近くにあったの?」
まだ、うまく回らない頭で食事のことを聞くと
「あぁ、教えて貰って見てきたが、決して悪くは無さそうだ。」
そう言いながら、私の伸ばした腕に気づいて顔を離れさせて起き上がらせてくれる。
「そう、準備をするわ。」
「あぁ、手伝う。」
1人で出来るのに、手持ち無沙汰なのか本当に世話焼きね。と、畳んで置いておいた服と装備品のセットを取りに行く騎士をボーッと見る。
結局、着せ替え人形なのかしら?と言う感じで丁寧に着替えさせてくれたのもあり、騎士が結婚して女の子が産まれようものならとても親バカになりそうね。と騎士の未来の妄想に軽く浸ることが出来た。
「ありがとう。騎士、案内お願いね。」
「あぁ」
部屋のドアの鍵を閉めて下に降りれば、受付のおねえさんがとても機嫌が良さそうに騎士を見ていた。男女の関係になったことがおねえさんからの雰囲気で感じ取れる。
これだけ長い時を騎士といれば、傷つかないのかとか、何か思うことは無いのかと問われることが無かったわけじゃないけど、実際私を見てドヤ顔する人はいるけどどんな顔をされようとそんな女性を選ぶのは私ではなくて騎士。
好きなようにすればいいと思うし、特定の人を作らず遊んでる辺りは私の彼氏になる様な人としたら論外だけれど、騎士は兄であり剣術の師匠。それ以上でも以下でも無いの。と幾度と一期一会に近い女性達に宣言してきたか。そろそろ私を視野に入れずに騎士だけを見つめてくれてる割合が増えないかしら。と小さくため息をつく。
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