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その後
この家に配達するの仕組まれてません?
しおりを挟む「こんにちわー」
結構大きな声で、
どこかにいるであろう家主の返事を待つ。
「ベルさん!こんにちは」
「ダウトさん、こんにちは」
お父さんではなく、息子さんのカリストさんが後ろから満面の笑みで現れた。
「ベルさん、疲れたでしょう。俺もこれから休憩なんでお茶をしませんか?」
「いつもありがとうございます。・・・是非」
ここへ配達して今回で4度目だが
お茶に誘われるのも3回目だったりする。
本当は断りたいが、1度目に仕事だからとお断りをして帰宅してカリサさんに報告をしたところ、「次からは断らないように、それも仕事のうちよ」と言われてから言葉に詰まることはあるが承諾をしている。
嬉しそうにカリストさんがお茶をする用意をしてくれることに対して『本当に何もしなくていいのかしら』とも思うし、毎回手伝うことを断られる上に届けに持ってきた甘めのパンを食べやすいサイズにカットして一緒に食べるように出してくれるから私が食べていいのかと悩む。
彼からビシビシと感じる私への好意
だけど何かを言われたわけではないから気づかないふりをしてる。
紅茶も注いでくれて、パンも小皿に分けてくれる。
至れり尽せりで、私が自分でできることを伝えても
「俺がやりたいから」
と一言で、言い返す言葉もなくお礼を言って受け身でいることしかできない。
一通り準備が終わったカリストさんが
「今日も天気がいいですね」
からはじまり、たどたどしくなるものの色々考えて私との時間を少しでも延ばそうとしてくれるのが分かるから、冷たくあしら得ず彼をみつめる。
目が合うと直ぐに横にそらし少し照れながら
「俺は生まれてからずっと此処で育ってきたので学ぶ機会もなかったけど、ベルさんは幼い頃はどんな子供だったんですか?」
その言葉に、『私の幼い頃・・・』
ふっ、と意識が過去へと遡る。
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