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第55話 師弟
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学園を襲撃したセルログは次の日に晒し首となり子供達を襲った不成者として国民から石を投げられ続けた。
レイヤ達は死罪は免れたものの強制労働3年を課せられた。
2人は死罪よりかはマシだと諦めて素直に頷くのであった。
「おい。セルログはまだ戻らぬのか?!あれから1週間経つぞ!!どうなっている?!
クラインド王からは日程の確認が来ておるんだぞ?!」
セルフィア王の苛立ち混じりの声が響く。
「はっ!未だ連絡はありません。恐らく失敗したものと思われます。」
セルフィア王は眉間に皺を寄せて考える。
むう・・・そう考えるのが妥当か・・・ふん・・役立たず共め・・・
奴らがやられたのなら・・噂通り古代魔法を使える者がいるのか・・・幸い正体は知られていないようだな・・・この目で確認するしか無いか・・・よし・・
「おい!クラインド王に招待状を出せ!!日時は三日後だ!ガイル部隊を呼べ!!」
わしを差し置いて・・古代魔法などあり得んのだ・・・
「こちらへどうぞ。お茶を淹れますのでお寛ぎください。」
ルイドがサリエル校長を応接室に案内する。
「ありがとう。素敵なお屋敷ね。」
サリエル校長がソファに腰を下ろすとミハエルとアンリルも対面にソファに座る。
するとメイドが紅茶を淹れてくれた。
「お久しぶりねアンリルさん。何年ぶりかしらね。」
サリエル校長が紅茶を啜りながら微笑むとアンリルは緊張の面持ちで座り直す。
「10年ぶりです。師匠もお元気で何よりです。まさか校長先生とは知りませんでしたよ。」
ミハエルはアンリルの突然の言葉に耳を疑った。
「えぇ?!師匠?!校長先生がアンリルさんの師匠なんですか?!」
「昔、アンリルさんが古代魔法を調べにセルフィア王国に来た時に2ヶ月ぐらい手解きしただけよ。師匠という程では無いわ。」
「いえ。あの2ヶ月で私は格段に強くなれた。だから私にとっては師匠ですよ。」
あのアンリルさんが・・控えめになってる・・アンリルさんにも頭が上がらない人もいるんだね・・・
「あなたはセンスが良かったわ。あれから精進しているならかなり強くなっ・・?!」
サリエル校長がアンリルを〈鑑定〉した瞬間絶句する。
アンリル
Lv 760
【称号】賢者
攻撃力 37538
防御力 54389
素早さ 117544
魔力 348769
魔法力 715858
【加護】〈大魔法の加護〉
【スキル】〈古代魔法〉
〈五属性魔法〉
〈鑑定〉
【装備付与】〈経験値10倍〉
〈ステータス上昇10倍〉
〈物理攻撃無効〉
「あなた・・・そのステータスは・・・?!それに・・・〈古代魔法〉が・・・一体どうやって・・・」
アンリルは困った顔でミハエルを見るとサリエル校長の目線もミハエルを捕らえる。
「ミハエル君・・そういう事ね・・やはりあなたが使っていたのは〈古代魔法〉だったのね・・・私も実際には見た事が無かったから自信が無かったの。確かにミハエル君だったら使えても不思議じゃ無いわ。
ミハエル君はアンリルさんの師匠って事ね・・。」
「そうです。ミハエル君は私の行き詰まった研究の壁を壊してくれた師匠です。それに私は〈神の使人〉では無い。なのに強くなれたのもミハエル君のお陰です。」
アンリルは指輪を大切に指でなぞりながら
少し照れ臭そうにミハエルを見るとニッコリ笑うミハエルと目が合い余計に赤くなる。
なるほど・・装備付与・・・えっ!!ちょっとぉぉぉぉ!!!何よそれぇぇぇぇ!!!」
アンリルを〈鑑定〉していたサリエル校長が突然取り乱して立ち上がりテーブルを乗り越えて詰め寄る!!
「ど、どうしたんですか師匠?!」
「どうしたもこうしたも無いわよ!!〈物理攻撃無効〉?!この指輪なの?!これが伝説のマジックアイテムなの?!どこでどうやって手に入れたの?!お願い!!教えて!!」
アンリルの両肩に手を置いて今にも唇が触れそうな距離まで顔を突き付けてサリエル校長はアンリルに迫っていた。
そしてたまらずアンリルがミハエルに目線を落とすとサリエル校長はその目線を追ってミハエルと目が合うと自分が取り乱したと気づく。
「あ、あら・・私ったらはしたない・・・」
サリエル校長はそそくさとテーブルの向こうへ戻りソファに落ち着くと淹れ直された紅茶を震える手で啜る。
冷静を装っているが興奮が抑えられずにカップの中で紅茶が波打っていた。
「えっと・・ア、アンリルさん。そ、その指輪はどこで手に入れたのかしら?」
アンリルはすっかり忘れていた。サリエル師匠はマジックアイテムの熱烈なコレクターであった事を・・・
アンリルがどうしようか悩んでいるとあっけらかんとミハエルが笑う。
「はははっ!校長先生!それは僕があげたんです!校長先生も欲しいんですか?」
「えっ・・・」
するとサリエル校長がカタカタとカップを鳴らしながらミハエルをゆっくりと見る。
「ミ、ミ、ミハエル君・・?で、伝説のマジックアイテムを・・・まだ・・持ってるのかしら・・・?」
「うん。メルト村の女の人と子供達は全員持ってるよ。僕があげたの!」
サリエル校長はゆっくりと立ち上がり入り口に立つメイドに手招きする。
「ちょっとあなた・・そっちを持って頂戴。」
「は、はい。かしこまりました。」
サリエル校長はテーブルをメイドと一緒に持ち上げてミハエルの前からテーブルをどけた。
「うん。ありがとう。これでいいわ!」
「えっ?!何・・・?」
するとサリエル校長の目が光る・・・
「ミハエルくーーん!!!」
突然サリエル校長が少女のような声を上げて両手を広げるとミハエルに飛びつき胸に収めてぐりぐりと抱きしめる!
「頂戴!頂戴!頂戴!私にも頂戴!!伝説のマジックアイテム頂戴!!!!」
「ぶあっ!ぶあっ!ぶあぁぁぁぁぁ!!!」
ミハエルがサリエル校長の胸の中で揉みくちゃにされる。
「あう・・し、師匠に・・・こんな・・こんな一面が・・・」
「あぁ・・・」
アンリルとメイドがドン引きしながら眺めているのだった。
サリエル校長にひとしきり揉みくちゃにされて解放されると、目の前にちょこんと正座をして仔犬のような顔をして待っているサリエル校長がいた。
ミハエルはちょっと可愛いなと思いつつアイテムボックスから〈物理攻撃無効〉が付与された指輪を取り出してサリエル校長の手のひらに置く。
「こ、これが・・夢にまで見た伝説のマジックアイテム・・・」
サリエル校長は震える手で指輪を摘んで目の前に持ってくる。
・・・〈鑑定〉
【指輪】
〈効果〉物理攻撃無効
「うふふふふふふ・・・・うふふふふふ・・・ついに、ついに、手に入れた・・」
サリエル校長は指輪を人差し指にはめると手を天井に掲げてまるで子供のように緩みっぱなしの笑顔で色んな角度から見上げていた。
レイヤ達は死罪は免れたものの強制労働3年を課せられた。
2人は死罪よりかはマシだと諦めて素直に頷くのであった。
「おい。セルログはまだ戻らぬのか?!あれから1週間経つぞ!!どうなっている?!
クラインド王からは日程の確認が来ておるんだぞ?!」
セルフィア王の苛立ち混じりの声が響く。
「はっ!未だ連絡はありません。恐らく失敗したものと思われます。」
セルフィア王は眉間に皺を寄せて考える。
むう・・・そう考えるのが妥当か・・・ふん・・役立たず共め・・・
奴らがやられたのなら・・噂通り古代魔法を使える者がいるのか・・・幸い正体は知られていないようだな・・・この目で確認するしか無いか・・・よし・・
「おい!クラインド王に招待状を出せ!!日時は三日後だ!ガイル部隊を呼べ!!」
わしを差し置いて・・古代魔法などあり得んのだ・・・
「こちらへどうぞ。お茶を淹れますのでお寛ぎください。」
ルイドがサリエル校長を応接室に案内する。
「ありがとう。素敵なお屋敷ね。」
サリエル校長がソファに腰を下ろすとミハエルとアンリルも対面にソファに座る。
するとメイドが紅茶を淹れてくれた。
「お久しぶりねアンリルさん。何年ぶりかしらね。」
サリエル校長が紅茶を啜りながら微笑むとアンリルは緊張の面持ちで座り直す。
「10年ぶりです。師匠もお元気で何よりです。まさか校長先生とは知りませんでしたよ。」
ミハエルはアンリルの突然の言葉に耳を疑った。
「えぇ?!師匠?!校長先生がアンリルさんの師匠なんですか?!」
「昔、アンリルさんが古代魔法を調べにセルフィア王国に来た時に2ヶ月ぐらい手解きしただけよ。師匠という程では無いわ。」
「いえ。あの2ヶ月で私は格段に強くなれた。だから私にとっては師匠ですよ。」
あのアンリルさんが・・控えめになってる・・アンリルさんにも頭が上がらない人もいるんだね・・・
「あなたはセンスが良かったわ。あれから精進しているならかなり強くなっ・・?!」
サリエル校長がアンリルを〈鑑定〉した瞬間絶句する。
アンリル
Lv 760
【称号】賢者
攻撃力 37538
防御力 54389
素早さ 117544
魔力 348769
魔法力 715858
【加護】〈大魔法の加護〉
【スキル】〈古代魔法〉
〈五属性魔法〉
〈鑑定〉
【装備付与】〈経験値10倍〉
〈ステータス上昇10倍〉
〈物理攻撃無効〉
「あなた・・・そのステータスは・・・?!それに・・・〈古代魔法〉が・・・一体どうやって・・・」
アンリルは困った顔でミハエルを見るとサリエル校長の目線もミハエルを捕らえる。
「ミハエル君・・そういう事ね・・やはりあなたが使っていたのは〈古代魔法〉だったのね・・・私も実際には見た事が無かったから自信が無かったの。確かにミハエル君だったら使えても不思議じゃ無いわ。
ミハエル君はアンリルさんの師匠って事ね・・。」
「そうです。ミハエル君は私の行き詰まった研究の壁を壊してくれた師匠です。それに私は〈神の使人〉では無い。なのに強くなれたのもミハエル君のお陰です。」
アンリルは指輪を大切に指でなぞりながら
少し照れ臭そうにミハエルを見るとニッコリ笑うミハエルと目が合い余計に赤くなる。
なるほど・・装備付与・・・えっ!!ちょっとぉぉぉぉ!!!何よそれぇぇぇぇ!!!」
アンリルを〈鑑定〉していたサリエル校長が突然取り乱して立ち上がりテーブルを乗り越えて詰め寄る!!
「ど、どうしたんですか師匠?!」
「どうしたもこうしたも無いわよ!!〈物理攻撃無効〉?!この指輪なの?!これが伝説のマジックアイテムなの?!どこでどうやって手に入れたの?!お願い!!教えて!!」
アンリルの両肩に手を置いて今にも唇が触れそうな距離まで顔を突き付けてサリエル校長はアンリルに迫っていた。
そしてたまらずアンリルがミハエルに目線を落とすとサリエル校長はその目線を追ってミハエルと目が合うと自分が取り乱したと気づく。
「あ、あら・・私ったらはしたない・・・」
サリエル校長はそそくさとテーブルの向こうへ戻りソファに落ち着くと淹れ直された紅茶を震える手で啜る。
冷静を装っているが興奮が抑えられずにカップの中で紅茶が波打っていた。
「えっと・・ア、アンリルさん。そ、その指輪はどこで手に入れたのかしら?」
アンリルはすっかり忘れていた。サリエル師匠はマジックアイテムの熱烈なコレクターであった事を・・・
アンリルがどうしようか悩んでいるとあっけらかんとミハエルが笑う。
「はははっ!校長先生!それは僕があげたんです!校長先生も欲しいんですか?」
「えっ・・・」
するとサリエル校長がカタカタとカップを鳴らしながらミハエルをゆっくりと見る。
「ミ、ミ、ミハエル君・・?で、伝説のマジックアイテムを・・・まだ・・持ってるのかしら・・・?」
「うん。メルト村の女の人と子供達は全員持ってるよ。僕があげたの!」
サリエル校長はゆっくりと立ち上がり入り口に立つメイドに手招きする。
「ちょっとあなた・・そっちを持って頂戴。」
「は、はい。かしこまりました。」
サリエル校長はテーブルをメイドと一緒に持ち上げてミハエルの前からテーブルをどけた。
「うん。ありがとう。これでいいわ!」
「えっ?!何・・・?」
するとサリエル校長の目が光る・・・
「ミハエルくーーん!!!」
突然サリエル校長が少女のような声を上げて両手を広げるとミハエルに飛びつき胸に収めてぐりぐりと抱きしめる!
「頂戴!頂戴!頂戴!私にも頂戴!!伝説のマジックアイテム頂戴!!!!」
「ぶあっ!ぶあっ!ぶあぁぁぁぁぁ!!!」
ミハエルがサリエル校長の胸の中で揉みくちゃにされる。
「あう・・し、師匠に・・・こんな・・こんな一面が・・・」
「あぁ・・・」
アンリルとメイドがドン引きしながら眺めているのだった。
サリエル校長にひとしきり揉みくちゃにされて解放されると、目の前にちょこんと正座をして仔犬のような顔をして待っているサリエル校長がいた。
ミハエルはちょっと可愛いなと思いつつアイテムボックスから〈物理攻撃無効〉が付与された指輪を取り出してサリエル校長の手のひらに置く。
「こ、これが・・夢にまで見た伝説のマジックアイテム・・・」
サリエル校長は震える手で指輪を摘んで目の前に持ってくる。
・・・〈鑑定〉
【指輪】
〈効果〉物理攻撃無効
「うふふふふふふ・・・・うふふふふふ・・・ついに、ついに、手に入れた・・」
サリエル校長は指輪を人差し指にはめると手を天井に掲げてまるで子供のように緩みっぱなしの笑顔で色んな角度から見上げていた。
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