原田くんの赤信号

華子

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原田くんは、諦めない人だ

原田くんとわたし5

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 翌日の、月曜日。

「ほおら、だから言ったじゃん!瑠夏が好きなのはエレン先生じゃなくって、原田翔平だって!」

 学校に着き、昨日のことを美希ちゃんに話すと、彼女はどーんと胸を張った。

「わたしすごくない!?瑠夏本人ですら気付いてなかった気持ちに気付けちゃうなんて!しかも原田翔平も、やっぱり瑠夏のこと好きだったし!」

 原田くんが何度も過去に戻っていたとか、わたしは雷に打たれたことがあってとか、そういうことは、美希ちゃんに伏せておこうとわたしは決めた。だってそんな話、聞いても悲しくなっちゃうだけだもん。これは原田くんとわたしだけの、内緒の話にしておくことにする。

 親友わたしの恋の実りに対するお祝いよりも、どこか彼女自身への賞賛の方が大きな美希ちゃん。きょろきょろと教室の中を見渡して、原田くんがまだ登校していないことを確認してから聞いてくる。

「で、原田翔平にチョコはあげたの?」
「ま、まだ。今日渡すつもりっ」
「ええ、なんで。エレン先生への義理チョコはバレンタイン当日で、本命の原田翔平には後日ってなんかひどっ」
「だってえ」

 だってわたしもまさか、本命チョコと義理チョコを渡す相手が入れ替わるだなんて、思ってもみなかったんだもの。

 赤色の箱に入ったチョコは、まだ冷蔵庫の中。原田くん、今日の放課後一緒に帰れるかな。そしてその時、渡したいな。

「おはよ、瑠夏」

 朝のホームルームまではあと少し。原田くんがわたしの隣の席につく。

「お、おはよっ」

 なんだか少し、緊張する。わたしと原田くんがカップルなんて、うそみたい。

「あ、おはよー原田翔平!そしておめでと~!」
「ちょ、声でけえよ美希!」
「いいじゃんいいじゃん、お祝いごとなんだから~」

 イエーイと言って、原田くんと肩を組む美希ちゃん。原田くんよりもお調子者に見えた美希ちゃんに、わたしは笑った。
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