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原田くんは、意地悪な人だ
ハンバーガー屋の話1
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「さあ、今日はハンバーガー屋の話をするよ」
原田くんの赤い背中をぼんやり眺めている間に生徒は集まり、今日もエレン先生のお話が始まった。
「できればハンバーガー屋さんごっこもしたいんだけど、みんなそんな僕に付き合ってくれるかな?」
ハンバーガー屋さんごっこ。幼稚園児みたいなフレーズに、みんなからは笑みがこぼれていた。
「ああ、でも。ハンバーガ屋の話をする前に、ちょっと見せたいものがあるんだった」
ふと思い出したように、一冊のノートを取り出したエレン先生は、それを胸の前で開いて見せる。
「これ、僕が日本に来た頃の日本語練習ノート。昨日家の棚から出てきたんだ」
へたっぴだよね、とエレン先生が笑うから、みんなも遠慮なく笑っていた。
「なにそれ!ミミズみたいな字!」
「ウケるっ。先生って昔ばかだったんだ!」
「あはははは!なんだか『ぬ』がカタツムリみたい!」
「俺の方がうまいじゃん」
ちょっとやんちゃそうな生徒たちからいくら罵られても、エレン先生は怒らない。むしろ驚いたように、茶色い瞳を広げていた。
「こんなに下手な字なのに、読めるの?」
「読めるよー」
「ミミズみたいな字なのに?」
「だけどなんて書いてあるかはわかる」
小さな頃からひらがなに触れているだけあるね、とエレン先生は二回頷いて、ペンを持つ。
「じゃあ、君の名前を書いてみて」
原田くんの赤い背中をぼんやり眺めている間に生徒は集まり、今日もエレン先生のお話が始まった。
「できればハンバーガー屋さんごっこもしたいんだけど、みんなそんな僕に付き合ってくれるかな?」
ハンバーガー屋さんごっこ。幼稚園児みたいなフレーズに、みんなからは笑みがこぼれていた。
「ああ、でも。ハンバーガ屋の話をする前に、ちょっと見せたいものがあるんだった」
ふと思い出したように、一冊のノートを取り出したエレン先生は、それを胸の前で開いて見せる。
「これ、僕が日本に来た頃の日本語練習ノート。昨日家の棚から出てきたんだ」
へたっぴだよね、とエレン先生が笑うから、みんなも遠慮なく笑っていた。
「なにそれ!ミミズみたいな字!」
「ウケるっ。先生って昔ばかだったんだ!」
「あはははは!なんだか『ぬ』がカタツムリみたい!」
「俺の方がうまいじゃん」
ちょっとやんちゃそうな生徒たちからいくら罵られても、エレン先生は怒らない。むしろ驚いたように、茶色い瞳を広げていた。
「こんなに下手な字なのに、読めるの?」
「読めるよー」
「ミミズみたいな字なのに?」
「だけどなんて書いてあるかはわかる」
小さな頃からひらがなに触れているだけあるね、とエレン先生は二回頷いて、ペンを持つ。
「じゃあ、君の名前を書いてみて」
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