道理恋慕

華子

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絶望と憤慨

絶望と憤慨12

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 液晶が、『21:03』を記した。明日は月曜、通常授業だ。
 俺はなんとなくサボろうと思っているからどうでもいいのだけれど、芽衣は受験生。月曜日から金曜日まで、しっかりと授業を受けなくてはならない身だ。

「そろそろ帰ろうか、芽衣」

 肌寒さを感じ始めた、9月中旬。

「うん。そうだね」

 中学からも一般社会からも卒業する日が、着々と近付いてくる。


「送ってくれてありがとう。また明日、学校でね」

 芽衣の自宅マンションのエントランス。精一杯の笑顔を作ってくれた君に、俺も同様の笑みを向ける。

「芽衣」

 もう決して交わる事がない俺等の人生だけれど、俺はずっと、君を応援しているよ。

「卒業しても、別々の道を進んでも、頑張ってね」

 きょとんとしているように見えた君は、おそらく数ヶ月も先の話をし出した俺を、不思議に思ったのだろう。

「俺、芽衣のことずっと応援してるからっ。きっと芽衣には俺なんかよりもっといい人が現れるって、信じてるからっ」

 純真な君の隣を堂々と歩ける人。そんな人が、君を癒してくれるはず。

「芽衣は幸せになってねっ」

 君の幸せ。それが、俺の1番の望み。

「芽衣は、必ず幸せに」
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