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嫉妬と接近
嫉妬と接近10
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「琴ちゃんとなに喋ってたの?」
ゴロンと互いに向き合うと、上目遣いの芽衣が自身の腕を枕にしながら聞いてきた。
「琴音?」
「昨日、私達が逸れちゃってから」
「えーっと、なに話してたっけな。大した話してないから忘れたよ」
「全部忘れたの?」
「うーん。今日は家族で飯食いに行くとか、そんな話かな」
好きな人の好きな箇所を発表し合っていたなんて、それはいくらなんでも言えない。恥ずかしすぎる。
「……そっか」
空へ視線を移す君。
「なんで?」
「べつに」
その時ほんの少し不機嫌そうに見えた君に、俺の欲心が期待した。
もしかして。これって。嫉妬だったりして。などと。
「気になんの?俺と琴音の会話」
胸元の小さな手を撫でたり優しく摘んだりしながらそう聞くと、君は首を動かし俺を見て、そして素早くその手を引いた。
俺の胸元から逃れた手は、そのままもう一方の手と共に君の顔を覆い隠す。
「……もーやだぁー」
「え?」
「相手は琴ちゃんなのに、馬鹿みたい私っ」
馬鹿みたい私。
俺はその言葉でくすぐられてしまった。爪先から天辺まで、全身を。
芽衣自身で閉ざした視界。俺は忍び寄る豹の如く、ゆっくり君の真上に移動。見下ろし、言う。
「ねえ芽衣、手ぇ退けてよ」
「うっちゃん、なんかさっきと位置変わってない……?」
「うん。芽衣に跨りたくなったから」
無抵抗の君の指を1本づつ顔から剥がしていくと、苦笑いの君と目が合った。
キュッと詰まる胸。息を飲む。
「俺もね、気が気じゃなかったんだ」
「え?」
「勇吾とどこ行ったんだろうとか、なに喋ってんだろうとかずっと気になってた」
遠くで子供達の戯れる声がする。爽やかな潮風が、君の前髪をさらさら揺らす。
愛してる。
そう思ったその瞬間、俺は吸い込まれるように真下の唇へと落ちて行った。
長いことキスをしたその後に、君は俺の頭を撫でて言う。
「やっぱりうっちゃんの短い髪は、触り心地がいいね」
ゴロンと互いに向き合うと、上目遣いの芽衣が自身の腕を枕にしながら聞いてきた。
「琴音?」
「昨日、私達が逸れちゃってから」
「えーっと、なに話してたっけな。大した話してないから忘れたよ」
「全部忘れたの?」
「うーん。今日は家族で飯食いに行くとか、そんな話かな」
好きな人の好きな箇所を発表し合っていたなんて、それはいくらなんでも言えない。恥ずかしすぎる。
「……そっか」
空へ視線を移す君。
「なんで?」
「べつに」
その時ほんの少し不機嫌そうに見えた君に、俺の欲心が期待した。
もしかして。これって。嫉妬だったりして。などと。
「気になんの?俺と琴音の会話」
胸元の小さな手を撫でたり優しく摘んだりしながらそう聞くと、君は首を動かし俺を見て、そして素早くその手を引いた。
俺の胸元から逃れた手は、そのままもう一方の手と共に君の顔を覆い隠す。
「……もーやだぁー」
「え?」
「相手は琴ちゃんなのに、馬鹿みたい私っ」
馬鹿みたい私。
俺はその言葉でくすぐられてしまった。爪先から天辺まで、全身を。
芽衣自身で閉ざした視界。俺は忍び寄る豹の如く、ゆっくり君の真上に移動。見下ろし、言う。
「ねえ芽衣、手ぇ退けてよ」
「うっちゃん、なんかさっきと位置変わってない……?」
「うん。芽衣に跨りたくなったから」
無抵抗の君の指を1本づつ顔から剥がしていくと、苦笑いの君と目が合った。
キュッと詰まる胸。息を飲む。
「俺もね、気が気じゃなかったんだ」
「え?」
「勇吾とどこ行ったんだろうとか、なに喋ってんだろうとかずっと気になってた」
遠くで子供達の戯れる声がする。爽やかな潮風が、君の前髪をさらさら揺らす。
愛してる。
そう思ったその瞬間、俺は吸い込まれるように真下の唇へと落ちて行った。
長いことキスをしたその後に、君は俺の頭を撫でて言う。
「やっぱりうっちゃんの短い髪は、触り心地がいいね」
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