道理恋慕

華子

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初犯と狼狽

初犯と狼狽14

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 父親の言った通り、外は寒かった。太陽が出ていても雨は降るし、昼間は半袖で十分なのに夜は冷たい。地球という球体は、1日の間でどれだけ変化するのだろう。

 そして今日という日は、なんだか長い。

 この時間に自宅最寄り駅を出発するのは、もしかしたら初めてかもしれない。プシューっと閉まる車両の扉を見て、もう後には引けないと感じた。
 頭の中、父親が早口でした説明を何度も復唱する。

 2番出口、駐車場、7番出口、マッサージ。
 2番出口、駐車場、駅は通らないでマッサージ。

 自ずと揺れる、腿。

 芽衣は今頃、何をしているのだろう。

 酔いどれ達の賑やかな笑い声が、俺の傍にボーダーラインを引いていく。そのラインから俺側は、世界と切り離された気分になった。

 ガタンゴトンとこの音が鳴り止めばもう、俺は親の仕事に加担するんだ。法を外れた、その仕事に。
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