道理恋慕

華子

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恋慕と成就

恋慕と成就5

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「勇吾ー」

 俺という人間を良く言えば、真っ直ぐ素直で正直。悪く言えば、なんだろう。

「なに、大和」

 芽衣の気持ちを知ってしまった以上、勇吾の気持ちも確かめたくなったから、俺は単刀直入に聞いた。

「勇吾は芽衣のことどう思ってんの?」
「はあ?どうって?」
「好きか嫌いか」
「嫌いじゃないけど」
「じゃあ好き?」
「え」

 勇吾は顎に手を運び、「うーん」と唸った。俺は苛立つ。

 何をそんなにも真面目に、答えを探してくれちゃっているのだろう。そこは「べつに好きでもない」や「普通かな」とか。それが俺の求めるベストアンサーなのに。

「勇吾?」

 俺の心臓が早鐘を打つのとは対照的に、ゆっくりと口を開ける勇吾。

「好きかも。芽衣のこと」

 その刹那、時が止まった。

 勇吾は良く言うまでもない。彼の欠点は真っ直ぐ素直で正直なところだ。

 告白なんて、付き合うなんて考えた事もなかった俺だけれど、その瞬間、喉からは手が出た。

 芽衣を彼女にしたい。君を他の奴に取られてしまうなんて、想像したくもないよ。
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