109 / 144
あり得ない今と、あり得ない未来と
33
しおりを挟む
十年前、彼がちーちゃんのことを可愛くてタイプだと言ったあの日を機会に、諦めたと思っていたのだけれど、まだ胸の中に、どうやら彼への恋心はひっそりと潜んでいたらしい。
未練がましい己に呆れたわたしは、ふっと自嘲し、スマホについているお守りを握った。
チリン
鈴の音色と共に耳へ聞こえるのは、ちーちゃんがこれをプレゼントしてくれた時に言った言葉。
ああそれと、和子ちゃんの恋とかも叶っちゃうから!
あの時の、ちーちゃんの自信にあふれた表情といったらない。このお守りさえあれば、どんな願いだって叶う気がした。
アメリカに行く決心をしなきゃと考えごとをしていたはずなのに、いつの間にやら全く違う方向へと頭が切り替わっていたことに、わたしは気付かないまま眠りへ落ちる。
お父さんとお母さん
ユーイチとちーちゃんとテメさん
それに、ユーイチのお父さん
たくさんの人が登場したその晩の夢を、起床と共に綺麗さっぱり忘れちゃったことを、わたしは数日が経ってもなお、悔しく思っている。
未練がましい己に呆れたわたしは、ふっと自嘲し、スマホについているお守りを握った。
チリン
鈴の音色と共に耳へ聞こえるのは、ちーちゃんがこれをプレゼントしてくれた時に言った言葉。
ああそれと、和子ちゃんの恋とかも叶っちゃうから!
あの時の、ちーちゃんの自信にあふれた表情といったらない。このお守りさえあれば、どんな願いだって叶う気がした。
アメリカに行く決心をしなきゃと考えごとをしていたはずなのに、いつの間にやら全く違う方向へと頭が切り替わっていたことに、わたしは気付かないまま眠りへ落ちる。
お父さんとお母さん
ユーイチとちーちゃんとテメさん
それに、ユーイチのお父さん
たくさんの人が登場したその晩の夢を、起床と共に綺麗さっぱり忘れちゃったことを、わたしは数日が経ってもなお、悔しく思っている。
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる