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中学二年生、秋の頃5

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「お、これ可愛い」

 ねぼすけのハルくんは、場内が明るくなってもすぐには起きられなくて、仲間のみんなに置いて行かれていた。なので上映終了後のわずかな自由時間は、わたしとお土産屋さんを見てまわることに。

「ほら、見てナツ。可愛くない?」

 そう言って、ハルくんがわたしに見せてきたのは、小さな貝がらがたくさん入った手のひらサイズの瓶ボトル。
 プラネタリウムのお土産屋さんで海に関するものが売っていることにも驚いたが、それよりももっと驚いたのは、ハルくんが興味を持ったそれが、彼のイメージとはかけ離れていたことだ。

「ハルくんって、貝がらが好きなの?」

 さまざまな形をした貝がらが入っているだけで、あとはなんの面白味もないように感じたからそう聞くと、ご機嫌なハルくんがうんと頷く。

「貝がらっていうか海が好き。だから海にまつわるものはテンション上がっちゃう」
「ああ、なるほど」
「だから超羨ましかったんだよね、ナツの親戚が海の近くに住んでるって聞いた時。俺もそんな親戚がほしいって思った」

 そう言われてみればその話をした時のハルくんは、「いいなあ」だなんて言っていたかもしれない。
 ピカンとひらめいたのは、そんなハルくんへの誕生日プレゼント。
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