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いま11

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 初心者丸出しの告白は壁に行き詰まったところで中途半端に終わってしまい、わたしは俯いた。

 ちゃんと最後まで言わなきゃ伝わらないのに、わたしのばかばかばか。

 頬へ勝手に流れていく涙を拭いながら自分を戒めるけれど、何もできないわたしはずうずうしく、ハルくんの反応を待つだけ。
 こんなめちゃくちゃな態度、彼を困らせるだけだとわかっているのに、今のわたしにはそれしかできない。

「ナツ」

 ハルくんごめん、と思いながら俯き続けていると、頬に優しい温もりが触れた。

「ナツ、泣かないで」

 それは何だろうと顔を上げれば、それはハルくんの指で、彼はぽろぽろ落ちる雫をすくってくれていて。

「ナツの気持ちすっごく嬉しいよ。ありがとう」

 そう言って、わたしを丸ごと抱きしめた。
 春のように温かなハルくんに対し、夏のように熱を帯びていくのは彼の胸元におさまったわたし。

 混乱する頭の中。

 もしもこれがハルくんの答えなのだとしたら、それは彼もわたしを好きだという意味なのか。それともわたしの気持ちには応えられないから、抱きしめることによって慰めてくれているのか。

 ねえハルくん。こんなことをされたら、もっとあなたを好きになっちゃうよ。
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