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第25話 サバイバル・オブ・フィッテスト
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情報を得るためのランサースでの資金稼ぎが続く
ギルドで渡されたリストには
『東方戦線(ランクにより多数案件)』
『格闘大会』
『竜騎コロシアム』
『要人護衛』
『荷運び』
と色々とあるが
ナインは「短期でお気軽に高収入」で考えているので
なかなか見つからない
そんな都合のいい案件がおいそれとある訳が無い
ティジャーンが面白がって持ってきた
『野良レース』
は即却下された
基本ティジャーン案件は信じられなくなっている
そんな中
サイが面白いものを見つける
「師匠これどうですか!」
『竜捕獲』
「ドラゴンハントか……」
「師匠なら楽勝じゃないですか」
「金額も十分だな
おし
その装備整えて森に行くぞ」
ナインがサイに
竜騎捕獲のルールを伝える
「傷は最小限でこちらが上だと認識させること」
ランサースは「鶏竜」が有名だ
鶏とのあいの子で基本小型で食用である
ドラゴンの中には食用のものもいるのだ
その味は鶏肉の味に似てるといわれる
その昔
まだドラゴンが世に現れた始めた頃は
ドラゴンの血肉を食べると不老不死になるという
迷信が各地で流行った
科学的な裏打ちは無く
事実としても食べたとて死ぬ者は死んだ
とはいえ
一部では食竜の文化は残った
美食を気取るこのランサースも食竜の文化は盛んになった
特に鶏とドラゴンの混じったこの鶏竜肉は
味はともかく権威としての食べ物となった
その鶏竜の超巨大化した主が
ある森に現れ
度重な挑戦者たちを
払いのけて続けており
賞金額も上がっている
賞金をだしているのは
ランサースの首都ルテシアにある
三ツ星レストランの「リュウザンマイ」という店だ
ナインたち3人は依頼を受け
その対象が住むという森に向かった
「おいジャン
競争だ
どっちが仕留めるか」
「おい待てナイン
ジャンって何だ」
いつになく少し苛立ちを感じさせる雰囲気で
ティジャーンがナインに返した
「お前の呼び方だよ
ティジャーンだなんて
長くてうぜー」
「ふざけるな
親がつけた大事な名前だ
ちゃんと『ティジャーン』と呼べ」
「ああいいぜ
なら
この勝負で俺に勝ったら
ちゃんと
『ティジャ~ン』って呼んでやんよ」
「当然俺が勝つが
いいだろう」
いつになくティジャーンが真面目な顔をしている
「よーし
じゃあスタートだ」
サイを残し
ナインとティジャーンの二人は森に消えた
「ちょっと
お師匠!
ティジャーン
置いていかないでよー!」
一人でクロンに乗り
飛ばずにゆっくり歩きながら森を彷徨うサイ
「お師匠ー?
どこですかー」
すると自分たちを覆うほどの影に遭遇した
「ひゃっ!」
「ん?
見つけたか?
イザナミ」
イザナミが頷きその方向へ走り出した。
「おいおい
育ちすぎだろ
この鶏竜は」
ナインとイザナミの目の前には
建物の3階にも届こうかというほどの
巨大な鶏竜が現れた
「師匠ー!
このドラゴンとてもおとなしいですよ」
その巨大鶏肉の上にサイがいた
乗って遊んでいる
「すっかり仲良くなっちゃいました」
「離れろサイ」
「こんなにいい子なのに
食べるのはかわいそうです」
「何言ってんだ
お前毎日肉食ってんだろうが」
「残念ながら
今回はナインに賛同だにゃ~」
ティジャーンも合流するなり同調する
が
「なんだ『残念』って
てめーの頭の中か
お~」
サイが二人に返す
「なんでティジャーンまで
そんな事言うんだよ」
ティジャーンが銃を取り出しながら言う
「世の中
喰うか喰われるか
これは
俺たち自身にも当てはまるのにゃ~」
ナインも銃を取り出し
「弱けりゃ食い物にされて
それで終いだ
お前も姉ちゃんさらわれた時に知ったはずだ
これ以上
半端な事言ってると
お前もまとめて始末するぞ
どけ」
サイは首を横に振る
ナインは続ける
「こいつは値段をつけられちまった時点で
全員返り討ちにするか
自分が殺されるかしか
選択肢はなくなってたんだよ」
「逃がす事だってできるでしょ」
「こいつの家はここらしい
なんで他人の都合で引っ越さないといけない」
サイはもうどうにもならないと分かり
「ごめん」といいその鶏竜から降り離れた
ナインとティジャーンの殺気を受けて
鶏竜が叫び声をあげる
体勢を落とし戦闘態勢に入る
ナインが少し笑う
「喜べサイ
こいつもただ殺される気はないらしい
これで
俺たちとこいつの純粋な命のやり取りだ
2対1だが
卑怯だとは思わないでくれよな」
まず仕掛けたのはティジャーン
銃を連発しながら獅子竜ジャンゴと駆ける
外皮は鱗ではなく羽毛に覆われてはいるが
その量と厚さが一定を超えると
下手な鱗よりもその強度を持つ
ダメージを分散するためだ
ジャンゴの爪を華麗に避けて
蹴りを見舞ってくる鶏竜
ティジャーンたちは吹っ飛ばされる
「中々いい脚力だ
こりゃいい筋肉ついてるわ」
愛銃のワイルドターキーに麻酔弾を入れならがら
戦況を見ているナイン
ダメージを分散するとは言っても
寸分狂わない同じ場所に
同時に3発も打たれれば
ダメージ吸収は間に合わない
「さぁいこうか」
ザクスオードの街での
対覇竜戦で見せた
ワンホールスリーショット
同じ個所に3発の弾丸を撃ち込む
今回は3発目が麻酔弾だ
右のラッキーストライクで2発を連発
間髪入れずに左のワイルドターキーから麻酔弾を撃ち込む
鶏竜の動きは
次第にゆっくりとなり
やがて止まり
そのまま
倒れ込んだ
「おいジャン
この鶏竜の運搬はお前の仕事だからな
勝負に負けたんだから
せめてそれぐらい働けよ
ジャン~」
「うぐう
わかったにゃー」
ティジャーンはギルドで支給された簡易用の荷車を作り
ジャンゴとの連結作業を進めている
それを横目にナインは
遠くで落ち込んでいるサイの方に歩いて近づく
「深く考えるな
そこにはまると
傭兵なんて生活は続かねーぞ」
「はい
師匠」
「しかし
これだけデカけりゃ
生かして客寄せパンダにゃちょうどいいだろうにな」
「師匠!
それ提案しましょうよ!」
「いやいや
維持費どれだけかかると思ってんの
さ
帰るぞ
切り替えろ」
ギルドで渡されたリストには
『東方戦線(ランクにより多数案件)』
『格闘大会』
『竜騎コロシアム』
『要人護衛』
『荷運び』
と色々とあるが
ナインは「短期でお気軽に高収入」で考えているので
なかなか見つからない
そんな都合のいい案件がおいそれとある訳が無い
ティジャーンが面白がって持ってきた
『野良レース』
は即却下された
基本ティジャーン案件は信じられなくなっている
そんな中
サイが面白いものを見つける
「師匠これどうですか!」
『竜捕獲』
「ドラゴンハントか……」
「師匠なら楽勝じゃないですか」
「金額も十分だな
おし
その装備整えて森に行くぞ」
ナインがサイに
竜騎捕獲のルールを伝える
「傷は最小限でこちらが上だと認識させること」
ランサースは「鶏竜」が有名だ
鶏とのあいの子で基本小型で食用である
ドラゴンの中には食用のものもいるのだ
その味は鶏肉の味に似てるといわれる
その昔
まだドラゴンが世に現れた始めた頃は
ドラゴンの血肉を食べると不老不死になるという
迷信が各地で流行った
科学的な裏打ちは無く
事実としても食べたとて死ぬ者は死んだ
とはいえ
一部では食竜の文化は残った
美食を気取るこのランサースも食竜の文化は盛んになった
特に鶏とドラゴンの混じったこの鶏竜肉は
味はともかく権威としての食べ物となった
その鶏竜の超巨大化した主が
ある森に現れ
度重な挑戦者たちを
払いのけて続けており
賞金額も上がっている
賞金をだしているのは
ランサースの首都ルテシアにある
三ツ星レストランの「リュウザンマイ」という店だ
ナインたち3人は依頼を受け
その対象が住むという森に向かった
「おいジャン
競争だ
どっちが仕留めるか」
「おい待てナイン
ジャンって何だ」
いつになく少し苛立ちを感じさせる雰囲気で
ティジャーンがナインに返した
「お前の呼び方だよ
ティジャーンだなんて
長くてうぜー」
「ふざけるな
親がつけた大事な名前だ
ちゃんと『ティジャーン』と呼べ」
「ああいいぜ
なら
この勝負で俺に勝ったら
ちゃんと
『ティジャ~ン』って呼んでやんよ」
「当然俺が勝つが
いいだろう」
いつになくティジャーンが真面目な顔をしている
「よーし
じゃあスタートだ」
サイを残し
ナインとティジャーンの二人は森に消えた
「ちょっと
お師匠!
ティジャーン
置いていかないでよー!」
一人でクロンに乗り
飛ばずにゆっくり歩きながら森を彷徨うサイ
「お師匠ー?
どこですかー」
すると自分たちを覆うほどの影に遭遇した
「ひゃっ!」
「ん?
見つけたか?
イザナミ」
イザナミが頷きその方向へ走り出した。
「おいおい
育ちすぎだろ
この鶏竜は」
ナインとイザナミの目の前には
建物の3階にも届こうかというほどの
巨大な鶏竜が現れた
「師匠ー!
このドラゴンとてもおとなしいですよ」
その巨大鶏肉の上にサイがいた
乗って遊んでいる
「すっかり仲良くなっちゃいました」
「離れろサイ」
「こんなにいい子なのに
食べるのはかわいそうです」
「何言ってんだ
お前毎日肉食ってんだろうが」
「残念ながら
今回はナインに賛同だにゃ~」
ティジャーンも合流するなり同調する
が
「なんだ『残念』って
てめーの頭の中か
お~」
サイが二人に返す
「なんでティジャーンまで
そんな事言うんだよ」
ティジャーンが銃を取り出しながら言う
「世の中
喰うか喰われるか
これは
俺たち自身にも当てはまるのにゃ~」
ナインも銃を取り出し
「弱けりゃ食い物にされて
それで終いだ
お前も姉ちゃんさらわれた時に知ったはずだ
これ以上
半端な事言ってると
お前もまとめて始末するぞ
どけ」
サイは首を横に振る
ナインは続ける
「こいつは値段をつけられちまった時点で
全員返り討ちにするか
自分が殺されるかしか
選択肢はなくなってたんだよ」
「逃がす事だってできるでしょ」
「こいつの家はここらしい
なんで他人の都合で引っ越さないといけない」
サイはもうどうにもならないと分かり
「ごめん」といいその鶏竜から降り離れた
ナインとティジャーンの殺気を受けて
鶏竜が叫び声をあげる
体勢を落とし戦闘態勢に入る
ナインが少し笑う
「喜べサイ
こいつもただ殺される気はないらしい
これで
俺たちとこいつの純粋な命のやり取りだ
2対1だが
卑怯だとは思わないでくれよな」
まず仕掛けたのはティジャーン
銃を連発しながら獅子竜ジャンゴと駆ける
外皮は鱗ではなく羽毛に覆われてはいるが
その量と厚さが一定を超えると
下手な鱗よりもその強度を持つ
ダメージを分散するためだ
ジャンゴの爪を華麗に避けて
蹴りを見舞ってくる鶏竜
ティジャーンたちは吹っ飛ばされる
「中々いい脚力だ
こりゃいい筋肉ついてるわ」
愛銃のワイルドターキーに麻酔弾を入れならがら
戦況を見ているナイン
ダメージを分散するとは言っても
寸分狂わない同じ場所に
同時に3発も打たれれば
ダメージ吸収は間に合わない
「さぁいこうか」
ザクスオードの街での
対覇竜戦で見せた
ワンホールスリーショット
同じ個所に3発の弾丸を撃ち込む
今回は3発目が麻酔弾だ
右のラッキーストライクで2発を連発
間髪入れずに左のワイルドターキーから麻酔弾を撃ち込む
鶏竜の動きは
次第にゆっくりとなり
やがて止まり
そのまま
倒れ込んだ
「おいジャン
この鶏竜の運搬はお前の仕事だからな
勝負に負けたんだから
せめてそれぐらい働けよ
ジャン~」
「うぐう
わかったにゃー」
ティジャーンはギルドで支給された簡易用の荷車を作り
ジャンゴとの連結作業を進めている
それを横目にナインは
遠くで落ち込んでいるサイの方に歩いて近づく
「深く考えるな
そこにはまると
傭兵なんて生活は続かねーぞ」
「はい
師匠」
「しかし
これだけデカけりゃ
生かして客寄せパンダにゃちょうどいいだろうにな」
「師匠!
それ提案しましょうよ!」
「いやいや
維持費どれだけかかると思ってんの
さ
帰るぞ
切り替えろ」
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