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対面7

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ガシィィン!!
金属音が響いた。
ナショアの顔面を捉えたであろうナタは、凶暴な牙に挟み込まれて止まっていた。
あの剣速を噛んで止めるなんて、反射と咬合力が尋常じゃない。
すぐさまオーリィはナショアを蹴り飛ばし距離を取る。
「ふぅ、簡単じゃないね。それに・・・」
オーリィが脇腹を押さえている。接近した隙に1発もらったようだ。
「こいつ、たぶん毒を持ってる・・・ジワジワ熱くなってきた。まぁ俺には効かないけど。」
毒?見た目通りだな。てか毒効かないとか、オーリィのチートぶりよ。
しかし、これじゃ持久戦は分が悪い。いや、元々相手のスタミナもわからず、俺という足でまといを背負いながら戦ってたんじゃ勝ち目は無い。
ナショアが今にも次の攻撃を繰り出そうとしているとき、ある妙案が俺の頭に浮かんだ。
相手は毒を持っている・・・不老不死の実験薬は人間にとって毒・・・今も身体に毒が廻っている・・・この姿なのは毒があるせい・・・?
「オーリィ!こいつに"治癒のセンス"使えるか!?こいつの"毒"を治癒できれば、もしかしたら・・・!」
"人間"に戻せるかもしれない!ナイス提案、俺!
「無理だ。」
「えっ?」
オーリィにナイス提案を跳ね除けられる俺。
「俺の"治癒"はすぐに怪我が治るわけじゃないんだ。だいたい10秒は相手に触らなきゃダメなんだ。」
そういえばシルバの時も傷口に手を当ててたな。この怪物を相手に10秒は・・・。
「・・・10秒、動きを停めればいいのだな?」
突然ソビトが話に入ってきた。
「え・・・ああ、10秒あれば治癒は効果が出ると思う。」
「そうか・・・私が10秒作る。その間に、その治癒とやらを頼む。」
そう言うとソビトはスックと立ち上がり、
ナショアに向き合いジリジリと近づこうとした。
「ちょ、ちょっと!何する気!?」
シルバがソビトの肩を掴んで止めようとする。だがソビトはそれを振り払う。
「私は、彼女に・・・こんな姿になってしまった妻に、それでも生きていてほしかった。だから薬を投与し続けた。」
なるほど。そういえば子犬も予防接種しないと死んでしまうんだったな。
「だが悲痛な叫びを聴くたびに、それは間違った行為だと思い知らされた。それでも、彼女を元に戻す研究を続けた。だが、今君たちは彼女を"治癒する"と言った。この状況で嘘はつくまい・・・どうせこのままでは我々は彼女に殺されて、彼女は殺戮の限りを尽くし、1ヶ月後には死ぬ・・・ならば!」
ソビトは注射器を手に、ナショアに向かって走り出した。
「ソビト!」
「ナショアは動脈に投薬すると一時的におとなしくなる!その間平均約15秒!いくつもの命を捧げて取った統計だ!その間に!!」
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