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対面
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夜中の2時。俺たちは宿を抜け出し、ペットショップの近くへと来ていた。
建物の角から様子を伺う。
「・・・たった1つの出入り口に警備が2人、か。」
さすがに夜は警備兵が警護しているようだ。出入口を挟んで2人立っている。この様子じゃ中にも警備がいるだろう。
1つしかない出入口は侵入の難易度が高い。
「さて、どうしたものか・・・」
「どうしたものか、はあんたの格好よ!なんでほっかむりなんてしてるのよ!」
シルバが俺の後頭部をどつく。ほっかむりがズレたじゃないか。
「いや、こっそり侵入できるならそのほうがいいかな~、と。」
俺はほっかむりを取り、周囲を見渡した。・・・この時間じゃ、誰も出歩いてないな。ということは・・・。
「やってやりますか。」
「やっちゃおう。」
シルバとオーリィは目線を交わし、コクリと頷いた。
入口は1つだし、ま、しょうがないか。
オーリィが無防備に警備兵へと近づいてゆく。警備兵も少年の姿に気がつく。
「おい。こんな時間に出歩くんじゃない。どこの・・・」
オーリィが右側の警備兵に近づき間合いに入った瞬間、目にも止まらぬ速さで警備兵のアゴ先を拳でかすめた。警備兵の意識は飛び、膝から崩れ落ちる。
「な、なん・・・!?」
左の警備兵はその一部始終を目撃し、オーリィに対し身構える。だがオーリィに注視するあまり周りが見えていないようだ。
今度はシルバが背後から近づき、警備兵の首筋に針のような何かを突き刺した。
「あっ・・・・」
警備兵は前のめりに倒れてしまった。一体何を刺したんだ?
シルバはすぐに出入口の鍵穴に目線を合わせ、何か細い棒のようなものを突っ込み、あっという間に解錠してしまった。
そして倒れた警備兵2人を中へと引きずり込み、何事も無かったかのように出入口に内側から鍵を掛けた。
「いっちょうあがり!」
こいつらの手際が良すぎて窃盗団か何かかと錯覚を起こしそうだ。
とにかくこれで第一関門は突破。だがこれからがまた手探りだ。ペットショップの閉店から見張っていたが、ソビトが建物から出入りしてないのでまだこの中にいるだろう。
檻が並ぶショーフロアをこそこそと抜け、ソビトと話したあの奥の部屋へと進む。そこには誰も配備されておらず、その先の扉へと手を掛けた。
音を立てぬようゆっくりと扉を開くと短い通路になっており、更に扉があった。それもそっと開くと・・・地下へと続く階段が姿を現した。
俺たちは真っ暗な中、壁に手を添えてゆっくりと階段を降っていった。
建物の角から様子を伺う。
「・・・たった1つの出入り口に警備が2人、か。」
さすがに夜は警備兵が警護しているようだ。出入口を挟んで2人立っている。この様子じゃ中にも警備がいるだろう。
1つしかない出入口は侵入の難易度が高い。
「さて、どうしたものか・・・」
「どうしたものか、はあんたの格好よ!なんでほっかむりなんてしてるのよ!」
シルバが俺の後頭部をどつく。ほっかむりがズレたじゃないか。
「いや、こっそり侵入できるならそのほうがいいかな~、と。」
俺はほっかむりを取り、周囲を見渡した。・・・この時間じゃ、誰も出歩いてないな。ということは・・・。
「やってやりますか。」
「やっちゃおう。」
シルバとオーリィは目線を交わし、コクリと頷いた。
入口は1つだし、ま、しょうがないか。
オーリィが無防備に警備兵へと近づいてゆく。警備兵も少年の姿に気がつく。
「おい。こんな時間に出歩くんじゃない。どこの・・・」
オーリィが右側の警備兵に近づき間合いに入った瞬間、目にも止まらぬ速さで警備兵のアゴ先を拳でかすめた。警備兵の意識は飛び、膝から崩れ落ちる。
「な、なん・・・!?」
左の警備兵はその一部始終を目撃し、オーリィに対し身構える。だがオーリィに注視するあまり周りが見えていないようだ。
今度はシルバが背後から近づき、警備兵の首筋に針のような何かを突き刺した。
「あっ・・・・」
警備兵は前のめりに倒れてしまった。一体何を刺したんだ?
シルバはすぐに出入口の鍵穴に目線を合わせ、何か細い棒のようなものを突っ込み、あっという間に解錠してしまった。
そして倒れた警備兵2人を中へと引きずり込み、何事も無かったかのように出入口に内側から鍵を掛けた。
「いっちょうあがり!」
こいつらの手際が良すぎて窃盗団か何かかと錯覚を起こしそうだ。
とにかくこれで第一関門は突破。だがこれからがまた手探りだ。ペットショップの閉店から見張っていたが、ソビトが建物から出入りしてないのでまだこの中にいるだろう。
檻が並ぶショーフロアをこそこそと抜け、ソビトと話したあの奥の部屋へと進む。そこには誰も配備されておらず、その先の扉へと手を掛けた。
音を立てぬようゆっくりと扉を開くと短い通路になっており、更に扉があった。それもそっと開くと・・・地下へと続く階段が姿を現した。
俺たちは真っ暗な中、壁に手を添えてゆっくりと階段を降っていった。
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