23 / 53
手、繋ごう
手、繋ごう -3-
しおりを挟む
毎週日曜日はドライブの日。
になった。
ゆかりの仕事は基本的には土日が休みなのだが、七海の為に平日の残業を極力しない代わりに、土曜日にそのシワ寄せで残務処理をしているらしい。七海も中学に入ってからは土日も部活なので、結果として日曜日だけはゆかりの自分の為の自由時間となっているのだ。
大抵金曜日に予定の確認メッセージが入る。ゆかりがピックアップしたちょっとしたイベント情報や、少し離れた映画館で単館上映の映画で気になるものとか。
で、そこからルカが選んで、ルート確認して、待ち合わせの時間を決めて。
そんな何気ないやり取りが完全に「彼氏彼女」を思わせてくれて、ルカとしてはこの上ない喜びで。
そんな中、珍しく水曜日という早い段階でメッセージが入った。
“るーちゃん、バイトのシフトって交代できるかな?”
“日曜日?”
“うん。そろそろ高速道路、運転してみたくない?”
なんか、教習所みたいだな、と思って少し笑った。
“一時間くらいかな、かかるんだけど、隣の県にある大きな科学館行かない?”
OKのスタンプを返す。
“プラネタリウムがあるんだよ。るーちゃん、覚えてないかな?”
ん? 何のこと?
“小学校低学年くらいだったかな? るーちゃんが恐竜展やってるから行きたいって言って、あたしと美紅でベビー連れで一緒に行ったの”
言われて、そう言えば、と思い出す。
期間限定の展示で、その時期やたらと忙しかった親父のせいで、美紅が運転する話になって。しかもその美紅が高速怖いと言い出したら、ゆかりが「じゃああたしが運転する」なんて話になったはず。
“思い出した。そう言えばそんなこともあったね”
“プラネタリウム、リベンジしよ”
“リベンジ?”
“ほら、さやちゃんとななが暗くなった途端に泣き出して。るーちゃん一人でほっとけないから一緒に出ることになっちゃって”
“そうだっけ?”
“そうそう。あの後るーちゃんまで泣き出して。ほーんと大変だったのよ”
あまり詳細までは覚えていないけれど、どうやらゆかりには忘れられないエピソードのようで。
“けど、そう言えばあれから行った覚えがないなあ”
“あたしもだよ。七海があまり興味示さなかったし。男の子のほうが、そういうの好きかも”
“うん、面白そう”
“じゃあ、日曜日はプラネタリウムね”
諒解、とスタンプで返した。
になった。
ゆかりの仕事は基本的には土日が休みなのだが、七海の為に平日の残業を極力しない代わりに、土曜日にそのシワ寄せで残務処理をしているらしい。七海も中学に入ってからは土日も部活なので、結果として日曜日だけはゆかりの自分の為の自由時間となっているのだ。
大抵金曜日に予定の確認メッセージが入る。ゆかりがピックアップしたちょっとしたイベント情報や、少し離れた映画館で単館上映の映画で気になるものとか。
で、そこからルカが選んで、ルート確認して、待ち合わせの時間を決めて。
そんな何気ないやり取りが完全に「彼氏彼女」を思わせてくれて、ルカとしてはこの上ない喜びで。
そんな中、珍しく水曜日という早い段階でメッセージが入った。
“るーちゃん、バイトのシフトって交代できるかな?”
“日曜日?”
“うん。そろそろ高速道路、運転してみたくない?”
なんか、教習所みたいだな、と思って少し笑った。
“一時間くらいかな、かかるんだけど、隣の県にある大きな科学館行かない?”
OKのスタンプを返す。
“プラネタリウムがあるんだよ。るーちゃん、覚えてないかな?”
ん? 何のこと?
“小学校低学年くらいだったかな? るーちゃんが恐竜展やってるから行きたいって言って、あたしと美紅でベビー連れで一緒に行ったの”
言われて、そう言えば、と思い出す。
期間限定の展示で、その時期やたらと忙しかった親父のせいで、美紅が運転する話になって。しかもその美紅が高速怖いと言い出したら、ゆかりが「じゃああたしが運転する」なんて話になったはず。
“思い出した。そう言えばそんなこともあったね”
“プラネタリウム、リベンジしよ”
“リベンジ?”
“ほら、さやちゃんとななが暗くなった途端に泣き出して。るーちゃん一人でほっとけないから一緒に出ることになっちゃって”
“そうだっけ?”
“そうそう。あの後るーちゃんまで泣き出して。ほーんと大変だったのよ”
あまり詳細までは覚えていないけれど、どうやらゆかりには忘れられないエピソードのようで。
“けど、そう言えばあれから行った覚えがないなあ”
“あたしもだよ。七海があまり興味示さなかったし。男の子のほうが、そういうの好きかも”
“うん、面白そう”
“じゃあ、日曜日はプラネタリウムね”
諒解、とスタンプで返した。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました
宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。
ーーそれではお幸せに。
以前書いていたお話です。
投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと…
十話完結で既に書き終えてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる