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【3】Astrophyllite
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「なるー、ひこーきやってー」
まずは陸。
さすがは男の子だけあって、遊びのリクエストも当然体力を使うもので。
「えー、飛行機ってアレだろ? ぶん回しだろ? りっくん、ご飯食べたばっかじゃん。大丈夫?」
ソファで成親が仰向けになると、その足の裏と両手で陸を支えて左右に振り回す。
「ひゃあー、たっかーい、わーい」
陸がきゃらきゃら笑う。
体を使ってぶん回す系の遊びは二人とも大好きで、かと言って美香にはそうそうできるわけでもないし、双子のパパは仕事で遅くなることが多いから。
結果、成親が遊びに来た時は成親が、いない時で時間が許す時は翔がその役割を担うのだ。
「うーたんも、うーたんも!」
「じゅーんーばーんー」
「りっくん、あと五回だよ。したら、うーたんと交代したげるんだよ」
そう言って、羽美に「ちょっと待っててね」と笑いかけてやる。
すると、陸が、
「いーち、にーい、さーん、しーい、ごお」と振りまわされながらもちゃんと数を数えて。
周囲の大人が二人をちゃんと平等に扱うから、二人とも仲良くルールを守るよう育っている。
左右に振り回す。掛ける五回。そして今度は羽美の番。
で、一巡で終わるわけがなく、再び陸の番。
これを数回繰り返し、成親が
「もお無理いい。なるくん、これ以上やったら死にます」
ソファから転げ落ちるように、下に敷いてあるラグに突っ伏した。
「なるー、しんじゃだめー」
「だめー」
今度はその背中に二人が乗りかかってくる。
「ぐえー。二人がかりでなるくんのこと潰さないでよー」
突っ伏したまま訴えた。
可愛いし楽しいし、二人の相手をするのは全然苦じゃないけれど、さすがに体力の消耗は激しい。
キャッキャッと言いながら二人で馬乗りになり、はしゃいでいるからとりあえず、その下で体力を回復させる。
二人とも、結構重くなったなーなんてまるで父親めいたことを考えていると。
「りっくん、あんましやってるとほんとになる、死んじゃうよ?」
と、背中から一人分の体重が減り、翔の声がして。
「にいに、おかえりー」
抱っこされた陸が嬉しそうに言う。
「しょー、おかえりー」
羽美も成親の上から離れ、翔の脚にしがみつく。
「しょーさん、おかえりー」
ころん、とひっくり返って成親も双子の声マネをした。
「子守、お疲れさん」
「ん。しょーさんも、補講お疲れ様」
見つめ合って、逢えたことの嬉しさを目で伝え合う。
「陸、羽美。お兄ちゃんはなるくんのお勉強があるから、ママと一緒にお絵かきしよ」
キッチンから、美香の声がした。
「えー、りっくん、にいにとなると、まだあそびたい」
「うーたんも」
「うん、わかるよー。でもなるくん、お勉強大事でしょ? お兄ちゃんもなるくんも、今はお勉強が一番大事な時だから、ちょっとだけ我慢しよ?」
「美香ちゃん」
「いいのよ。いつもいつもありがとね。翔に何か、聞きたいことあるから待ってたんでしょ? お部屋で勉強してて」
二人にスケッチブックとクレヨンを手渡しながら、美香が言った。
「ありがと、美香ちゃん。また今度、二人と遊ばせてね」
まずは陸。
さすがは男の子だけあって、遊びのリクエストも当然体力を使うもので。
「えー、飛行機ってアレだろ? ぶん回しだろ? りっくん、ご飯食べたばっかじゃん。大丈夫?」
ソファで成親が仰向けになると、その足の裏と両手で陸を支えて左右に振り回す。
「ひゃあー、たっかーい、わーい」
陸がきゃらきゃら笑う。
体を使ってぶん回す系の遊びは二人とも大好きで、かと言って美香にはそうそうできるわけでもないし、双子のパパは仕事で遅くなることが多いから。
結果、成親が遊びに来た時は成親が、いない時で時間が許す時は翔がその役割を担うのだ。
「うーたんも、うーたんも!」
「じゅーんーばーんー」
「りっくん、あと五回だよ。したら、うーたんと交代したげるんだよ」
そう言って、羽美に「ちょっと待っててね」と笑いかけてやる。
すると、陸が、
「いーち、にーい、さーん、しーい、ごお」と振りまわされながらもちゃんと数を数えて。
周囲の大人が二人をちゃんと平等に扱うから、二人とも仲良くルールを守るよう育っている。
左右に振り回す。掛ける五回。そして今度は羽美の番。
で、一巡で終わるわけがなく、再び陸の番。
これを数回繰り返し、成親が
「もお無理いい。なるくん、これ以上やったら死にます」
ソファから転げ落ちるように、下に敷いてあるラグに突っ伏した。
「なるー、しんじゃだめー」
「だめー」
今度はその背中に二人が乗りかかってくる。
「ぐえー。二人がかりでなるくんのこと潰さないでよー」
突っ伏したまま訴えた。
可愛いし楽しいし、二人の相手をするのは全然苦じゃないけれど、さすがに体力の消耗は激しい。
キャッキャッと言いながら二人で馬乗りになり、はしゃいでいるからとりあえず、その下で体力を回復させる。
二人とも、結構重くなったなーなんてまるで父親めいたことを考えていると。
「りっくん、あんましやってるとほんとになる、死んじゃうよ?」
と、背中から一人分の体重が減り、翔の声がして。
「にいに、おかえりー」
抱っこされた陸が嬉しそうに言う。
「しょー、おかえりー」
羽美も成親の上から離れ、翔の脚にしがみつく。
「しょーさん、おかえりー」
ころん、とひっくり返って成親も双子の声マネをした。
「子守、お疲れさん」
「ん。しょーさんも、補講お疲れ様」
見つめ合って、逢えたことの嬉しさを目で伝え合う。
「陸、羽美。お兄ちゃんはなるくんのお勉強があるから、ママと一緒にお絵かきしよ」
キッチンから、美香の声がした。
「えー、りっくん、にいにとなると、まだあそびたい」
「うーたんも」
「うん、わかるよー。でもなるくん、お勉強大事でしょ? お兄ちゃんもなるくんも、今はお勉強が一番大事な時だから、ちょっとだけ我慢しよ?」
「美香ちゃん」
「いいのよ。いつもいつもありがとね。翔に何か、聞きたいことあるから待ってたんでしょ? お部屋で勉強してて」
二人にスケッチブックとクレヨンを手渡しながら、美香が言った。
「ありがと、美香ちゃん。また今度、二人と遊ばせてね」
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