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【1】Rose quartz
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付き合い始めるまではともかく、今や家庭教師なんてやりながら当然イロイロしているわけなので、その言葉の裏には含みがある。
のは、征人には気付かないようだが。
「俺もやっぱ、勉強しないとなー。今のまんまだと、赤点ギリだからさー」
「俺はやだよ、おまえに教えんの」
「なんで?」
「まあ、なると違って、飲み込み悪そうだから」
「……翔くんって、なる以外には結構冷たいよね?」
「そおか?」
「つか、俺だけ? なんか、当たりが強いっつーか」
「そりゃ、半分ヤキモチ焼いてるからな、まあには」
「なるん近くにいるから?」
征人の言葉に、
「二十四時間三百六十五日、一時も目を放さず傍にいたいんだよ、俺は」
拳を握りしめた。
「ストーカーじゃん」
「だから、してねーだろ、んなこと」
「分別あるねー、大人だねえ」
ふざけた言い方をしてくる征人を軽くグーパンチ食らわせて。
「ま、だからさ。いつもゆってっけど、俺が見てないトコでは、まあがあいつのこと、ちゃんと見守っておいてくれるといいなーって、思ってるよ?」
「じゃあ、見返りにカテキョ、してよ」
「それはヤダ」
「けち」
「おまえは、ちったー自学やれ。なるは少なくとも、自学自習は欠かさねーぞ?」
「基礎学力が違うんだよ」
「そこは自分で鍛えろよな」
普通科、というこの学校の中でも一番ニュートラルな科は、当然一番生徒数も多い。
成親はそこではかなり上位にいるけれど、征人は結構な底辺に近いから。
元々征人は半分バスケでここに入ったのもあり、勉強するより部活が楽しくて仕方がなくて。
普通科と工業科に関してはスポーツ推薦で入っている者も多いから、ある程度成績には部活からの加点がある為、定期テスト赤点イコール留年ということもなく。
一番余裕をもって高校生活を楽しめるのが普通科なのだ。
ただ、そういう科だからこそ、自分をどれだけ持っていられるかでその先は変わってくるのだが。
「ま、今度なると一緒に見てやるから。ある程度質問とか、まとめとけよ」
「……くっそー。そーゆーのが一番ムズイのに」
「え?」
「俺、もはやわかんねートコがわかんねー状態なんだけど?」
「…………」
「デキる人間って、簡単に言うんだよな。ばか、なめんなよってヤツ」
「そゆこと堂々と言っちゃうから、おまえはばかだっつってんの! も、いい。やっぱりおまえには教えない」
「しょーさーん」
「なるのマネすんな」
翔に言われ、征人がちっと舌打ちした。
「いいもん。じゃあ俺、なるにカテキョしてもらうし」
「う……おまえ、プライベートでなると二人きりになんか、させねーよ?」
「へへーんだ。翔くんがオベンキョ頑張ってる間に、かっさらってやるもんね」
「……なるに手、出したら、コロス」
「だから、マジ睨みすんなって。翔くん、その顔こえーって」
手出すって何だよ、と征人が呟いた。
「誰も、男のなるに何かしようなんて思わねってば。翔くんだって、そうだろ? どうせ女のコだって選り取り見取りなんだし」
頭を掻きながら翔を見る。
身長は、ちょっとだけ征人の方が高いけれど、翔の鍛えられた筋肉は制服を着ていてもわかるから。
優等生で甘い顔立ちをしている翔が、女子から人気なのは誰もがわかっている。
生徒会なんて基本的に誰が何やってんのかもわからない組織――この高校に於いては――で、イケメンだからって理由だけで副会長のことは殆どの生徒が知っているのだ。
そんな状況を知らないわけがない翔なのに、とにかく成親を自分の傍に置いて離さないのが、征人には不思議で仕方なくて。
“彼氏”なんて言っているのも本当のトコ、意味がわからない。
「まあは、俺となるの関係ってわかってねーの?」
「いっつも“カレシ”ってなるは言ってっけど? でも、なる、男子じゃん」
「……まあには、ちゃんと教えていんだと、俺は解釈してんだけど」
「は?」
のは、征人には気付かないようだが。
「俺もやっぱ、勉強しないとなー。今のまんまだと、赤点ギリだからさー」
「俺はやだよ、おまえに教えんの」
「なんで?」
「まあ、なると違って、飲み込み悪そうだから」
「……翔くんって、なる以外には結構冷たいよね?」
「そおか?」
「つか、俺だけ? なんか、当たりが強いっつーか」
「そりゃ、半分ヤキモチ焼いてるからな、まあには」
「なるん近くにいるから?」
征人の言葉に、
「二十四時間三百六十五日、一時も目を放さず傍にいたいんだよ、俺は」
拳を握りしめた。
「ストーカーじゃん」
「だから、してねーだろ、んなこと」
「分別あるねー、大人だねえ」
ふざけた言い方をしてくる征人を軽くグーパンチ食らわせて。
「ま、だからさ。いつもゆってっけど、俺が見てないトコでは、まあがあいつのこと、ちゃんと見守っておいてくれるといいなーって、思ってるよ?」
「じゃあ、見返りにカテキョ、してよ」
「それはヤダ」
「けち」
「おまえは、ちったー自学やれ。なるは少なくとも、自学自習は欠かさねーぞ?」
「基礎学力が違うんだよ」
「そこは自分で鍛えろよな」
普通科、というこの学校の中でも一番ニュートラルな科は、当然一番生徒数も多い。
成親はそこではかなり上位にいるけれど、征人は結構な底辺に近いから。
元々征人は半分バスケでここに入ったのもあり、勉強するより部活が楽しくて仕方がなくて。
普通科と工業科に関してはスポーツ推薦で入っている者も多いから、ある程度成績には部活からの加点がある為、定期テスト赤点イコール留年ということもなく。
一番余裕をもって高校生活を楽しめるのが普通科なのだ。
ただ、そういう科だからこそ、自分をどれだけ持っていられるかでその先は変わってくるのだが。
「ま、今度なると一緒に見てやるから。ある程度質問とか、まとめとけよ」
「……くっそー。そーゆーのが一番ムズイのに」
「え?」
「俺、もはやわかんねートコがわかんねー状態なんだけど?」
「…………」
「デキる人間って、簡単に言うんだよな。ばか、なめんなよってヤツ」
「そゆこと堂々と言っちゃうから、おまえはばかだっつってんの! も、いい。やっぱりおまえには教えない」
「しょーさーん」
「なるのマネすんな」
翔に言われ、征人がちっと舌打ちした。
「いいもん。じゃあ俺、なるにカテキョしてもらうし」
「う……おまえ、プライベートでなると二人きりになんか、させねーよ?」
「へへーんだ。翔くんがオベンキョ頑張ってる間に、かっさらってやるもんね」
「……なるに手、出したら、コロス」
「だから、マジ睨みすんなって。翔くん、その顔こえーって」
手出すって何だよ、と征人が呟いた。
「誰も、男のなるに何かしようなんて思わねってば。翔くんだって、そうだろ? どうせ女のコだって選り取り見取りなんだし」
頭を掻きながら翔を見る。
身長は、ちょっとだけ征人の方が高いけれど、翔の鍛えられた筋肉は制服を着ていてもわかるから。
優等生で甘い顔立ちをしている翔が、女子から人気なのは誰もがわかっている。
生徒会なんて基本的に誰が何やってんのかもわからない組織――この高校に於いては――で、イケメンだからって理由だけで副会長のことは殆どの生徒が知っているのだ。
そんな状況を知らないわけがない翔なのに、とにかく成親を自分の傍に置いて離さないのが、征人には不思議で仕方なくて。
“彼氏”なんて言っているのも本当のトコ、意味がわからない。
「まあは、俺となるの関係ってわかってねーの?」
「いっつも“カレシ”ってなるは言ってっけど? でも、なる、男子じゃん」
「……まあには、ちゃんと教えていんだと、俺は解釈してんだけど」
「は?」
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