居酒屋“おがた”はムテキのお城

＜5＞

☆☆☆

　目なんて完全に覚めてしまったから、一回目の行為で首筋に残る汗を舐めて、跡を付けない程度に吸い上げる。
　掌はずっと櫂斗の素肌を弄っていて、肩甲骨を指で辿り背中の窪みを撫でる。
「んっ」
　櫂斗はくすぐったがってちょっと身を捩る。それをぐっと自分の方へと引き寄せて。
　お互いのモノを擦り合わせる。
　二本一緒に纏めて扱いて、先端をくりくりと刺激してやると溢れ出る液体。それをぬるぬるとモノに絡めて。
「んんっ」
　少しずつ、吐息が熱を持つ。
　それをキスで吸い込んで。

「気持ち、イイ？」
　朋樹が問う。
　痛いなんて絶対に言わせたくないけれど、気持ちイイって言葉は、こっちの快感を擽るから。

「イイ……トモさん、先っぽくちゅくちゅすんの、すっごい気持ちイイ」
　櫂斗が素直に口にしてくれる。
　根元から擦り上げるのも好きだけど、先端を弄られるのがやっぱり気持ちイイって櫂斗が啼くから、もう堪らなくなって。

　体を起こすと、朋樹は徐に櫂斗のモノを口に入れた。
　先走りでヌルヌルのそれを、更に唾液でヌルヌルにして。
　袋を揉んで、じゅぼじゅぼ口に含んで。モノを弄るうちに、指は孔へと移動して。
　さっきの滑りがまだ残っているから、指はすぐに中へと潜り込む。

「んんっ……あんっ……」
　ぐちゅぐちゅと音を立てて孔が指を奥へと吸い込もうとするから、二本の指で優しく抽挿してやる。
　ナカを探って櫂斗の反応を見ながら、一番感じるポイントを指先でノックする。

「あっ……あんっ……そ、ソコっ……ああんっ」
　確実に感じているから、櫂斗自身がびくびくと震える。硬く上を向いたソレがたらたらと涎を垂らしているから、
「も、挿れるね」
　朋樹も我慢なんてしてられなくて。手早くゴムを着けて、つぷ、と中へと挿入。

「あんっ……はあっ……」
　指より太いソレの侵入には、さすがに声が上がる。でも、もう痛みなんて全然伴わないから、ただただ朋樹の硬いそれがもたらす“気持ちイイ”だけを味わって。
「んっ……イイっ……トモさあんっ……」
　正面から繋がっていると、ただ欲しいと目を見るだけで朋樹がキスをくれる。櫂斗はそれがわかっているから、何度も何度もキスをねだる。

　脚を抱え上げている朋樹が体を倒してくれて、櫂斗は背中に手を回して絡みつく。
　ぎゅってして、って。繋がってるだけじゃなくて、更に近くに引き寄せてもっともっととせがんで。
　櫂斗が求める総てを、朋樹は与えたくて。
　体を重ねて、繋ぎ合わせて、距離がなくなるまでくっついて。
　どっちの体液かなんてわからないくらい、お互いにびちょびちょになって。

　そんな濃厚な時間を二人で過ごす。
　何度も交わって、何度もキスをして。
　ベッドから出れないまま日曜日の午前中をまったりと共有した。