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【9】full of love
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「や………た、……たむ、ら?」
やっと指がなくなって、ふっと息を吐いて田村を見たら、キスしてきた。
「志麻さん、きもちかった?」
軽く触れた後、微笑んでそんなこと、訊いてくる。
俺は堪らなくなって、俯いた。
こんなの、初めてで。も、恥ずいんだけどそれだけじゃなくて。
田村は全部わかってる、みたいな顔して。
ぎゅって抱きしめてくる。
「志麻さん、大好き」
なんかもう。ぐずぐずに自分が溶けてるっつーか。
田村の腕の中で、脱力してされるがままになってて。
でも、それさえもが幸せで。
「ごめんね、無理して」
頭、撫でられる。そんな、子供みたいなことされてんのに、すごい、嬉しくて。
「ごめん、どうしても、止めらんなかった」
「……だい、じょぶ」
そんなにあやまんなくて、いいから。って、俺はとりあえず、枯れっかれの声で、言う。
いやもちろん、されたこと、も、どーしていいかわかんなくてまだ、ちょっと自分がおかしいんだけど。
絶対ありえねーって思ってた割に、ちゃんと受け入れてる俺ってのがいて。
てか、想定外に、気持ち良くて……その……イっちゃうくらい。
だから、全然謝んなくて、いいから。
「少しずつ、慣れたら、俺のも入るようになるし。そしたらもっと、きもちく、させるから」
おまえはっ。なんちゅーことを、なんちゅー自信持って言うかな、そーやって。
思わず、吹き出してしまう。
「大した自信だな、ほんと」
「ん。俺のコイツ、いい仕事するよ?」
「……ばーか」
何に自信持ってんだよ、こいつは!
とりあえず、二人して笑って。
田村が自信満々でモノを俺に押し当ててくるから、ぎゅって握ってやる。
「……もーほんと、おまえ、最悪」
「えーなんで? 俺、志麻さんきもちくさせる自信あるよ、まじで」
「ちがう! じゃなくて、なんで、もー勃ってんのさ?」
「ゆってんじゃん、いつも。俺、志麻さん触ったらいつでも暴発するって」
若さなのか? それともこいつが絶倫なのか?
ちょっと手を動かしたら、
「ダメだっつの。出るから!」
「いや、さっきイったばっかじゃん?」
「俺の話、聞いてる? 俺、ダメなんだよ。志麻さんの手、きもち良すぎてすぐイきたくなるんだってば」
「俺の手、気持ちイイ?」
「うん。なんか、キレイだし」
「そおか?」
「志麻さん、結構白いじゃん? なんか、細長い指とか、めっちゃ色っぽいから。仕事してる時も、下手に想像したら勃ってきてヤバくなる」
「そこは集中してください」
「はい。ごめんなさい」
こんな、あっけらかんとえっちな話してるってのが、なんか楽しくて。
セックスってもっと、色っぽくてなんか、淫猥なイメージしかなかったから。
なんか不思議な感覚。
「田村、もっかいスる?」
ちょっと、嬉しくなってゆってみた。ま、俺はもう、多分勃たねーけど。
「志麻さんがキツくないなら、俺はいくらでもできるけど」
「俺は別になんも。田村イくの見てるだけだし」
「どゆこと、それ?」
「だってもー、何も出ねえ」
正直、そんな若くねーんだよ、こっちは。
「じゃあ、俺、もっかい志麻さんイかせる」
「おいおい、無茶だってば」
って、言ってんのに。田村は、キスで塞いできた。
あーだめだ。これ、寝らんねーパターンだ。
そう、思いながらも、そのキスに応えてる自分がいた。
やっと指がなくなって、ふっと息を吐いて田村を見たら、キスしてきた。
「志麻さん、きもちかった?」
軽く触れた後、微笑んでそんなこと、訊いてくる。
俺は堪らなくなって、俯いた。
こんなの、初めてで。も、恥ずいんだけどそれだけじゃなくて。
田村は全部わかってる、みたいな顔して。
ぎゅって抱きしめてくる。
「志麻さん、大好き」
なんかもう。ぐずぐずに自分が溶けてるっつーか。
田村の腕の中で、脱力してされるがままになってて。
でも、それさえもが幸せで。
「ごめんね、無理して」
頭、撫でられる。そんな、子供みたいなことされてんのに、すごい、嬉しくて。
「ごめん、どうしても、止めらんなかった」
「……だい、じょぶ」
そんなにあやまんなくて、いいから。って、俺はとりあえず、枯れっかれの声で、言う。
いやもちろん、されたこと、も、どーしていいかわかんなくてまだ、ちょっと自分がおかしいんだけど。
絶対ありえねーって思ってた割に、ちゃんと受け入れてる俺ってのがいて。
てか、想定外に、気持ち良くて……その……イっちゃうくらい。
だから、全然謝んなくて、いいから。
「少しずつ、慣れたら、俺のも入るようになるし。そしたらもっと、きもちく、させるから」
おまえはっ。なんちゅーことを、なんちゅー自信持って言うかな、そーやって。
思わず、吹き出してしまう。
「大した自信だな、ほんと」
「ん。俺のコイツ、いい仕事するよ?」
「……ばーか」
何に自信持ってんだよ、こいつは!
とりあえず、二人して笑って。
田村が自信満々でモノを俺に押し当ててくるから、ぎゅって握ってやる。
「……もーほんと、おまえ、最悪」
「えーなんで? 俺、志麻さんきもちくさせる自信あるよ、まじで」
「ちがう! じゃなくて、なんで、もー勃ってんのさ?」
「ゆってんじゃん、いつも。俺、志麻さん触ったらいつでも暴発するって」
若さなのか? それともこいつが絶倫なのか?
ちょっと手を動かしたら、
「ダメだっつの。出るから!」
「いや、さっきイったばっかじゃん?」
「俺の話、聞いてる? 俺、ダメなんだよ。志麻さんの手、きもち良すぎてすぐイきたくなるんだってば」
「俺の手、気持ちイイ?」
「うん。なんか、キレイだし」
「そおか?」
「志麻さん、結構白いじゃん? なんか、細長い指とか、めっちゃ色っぽいから。仕事してる時も、下手に想像したら勃ってきてヤバくなる」
「そこは集中してください」
「はい。ごめんなさい」
こんな、あっけらかんとえっちな話してるってのが、なんか楽しくて。
セックスってもっと、色っぽくてなんか、淫猥なイメージしかなかったから。
なんか不思議な感覚。
「田村、もっかいスる?」
ちょっと、嬉しくなってゆってみた。ま、俺はもう、多分勃たねーけど。
「志麻さんがキツくないなら、俺はいくらでもできるけど」
「俺は別になんも。田村イくの見てるだけだし」
「どゆこと、それ?」
「だってもー、何も出ねえ」
正直、そんな若くねーんだよ、こっちは。
「じゃあ、俺、もっかい志麻さんイかせる」
「おいおい、無茶だってば」
って、言ってんのに。田村は、キスで塞いできた。
あーだめだ。これ、寝らんねーパターンだ。
そう、思いながらも、そのキスに応えてる自分がいた。
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