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「だからさー、涼。なんでおまえはそう、無防備にすこーんと寝るわけ?」
RPGのマップを眺めていると、ふと肩に重みを感じて。隣を見ると、涼がすやすやと眠っていた。
リビングのソファで、もう当たり前のように二人きりでゲームをしていたわけだが。
夕食を終え、今日は母も友達と飲んでくると言って出かけているし、父が帰宅していないのはもう当然なんだけれど、土岐だって今日も部活で遅くなるらしいから。
つまりは、この家で今、二人きりなのだ。
「おーい、涼ちゃーん。おまえ、この状況わかってる?」
コントローラを置き、セーブしてゲームを終わらせる。
そっと頭をクッションの上に乗せると、恵那は立ち上がって腕を組んだ。
幸せそうに寝息を立てているこの眠り姫。完全なる“据え膳”状態である。
「俺、コレ食っていいのかな?」
自問。
好きって言われて好きって答えて。世に言う“恋人同士”な関係になった今、涼だってその覚悟はあるハズ。
でも。
「このピュアピュアプリンセス、絶対、そういうイミじゃない、って泣きわめくよなー、多分」
裸にひん剥いて、いろんなトコ触りまくって、柔らかそうなトコ舐めまくって当然最後までヤっちまう、なんて。
相手が男でも、多分涼ならできると思う。
いや、女の子相手でもヤったことはないから全然わからないけれど。
こっちはお年頃なワケだから、そりゃーこの魅力的な体を前にすればいくらでもどうとでもなるけれど、肝心なこのお姫様は、きっとおとぎ話みたいな健全な交際ってのしか頭にはないだろう。
「ここで、コレベッドに連れてって、コトに及んだとして。絶対途中で目が覚めた瞬間、タコ殴りしてきそうだよなー」
キスは、全然大丈夫。何度もしてるし、割とイイ感じで受け入れてくれている。
んで、裸。これも、まあちょいちょい一緒に風呂に入っているし、凝視しているわけじゃないけれど、特に問題はない、と思う。
けれど。
アレやコレ、アんなトコやソんなトコ。
触っていいのかな?
つか、俺、触りたいのかな?
今この瞬間隠れている部分をちょっと想像。
白いくて柔らかそうな太腿。うん、触りたい。
するする素肌の背中。……いいねえ。
ピンク色の乳首。……あ、……ヤバいかも。
多分、誰も触ったことのないやわやわなお尻。と、アレ。
「あ。ヤバ。俺、これ普通に勃つわ」
びく、と反応を示した自分の下半身に、少し照れてしまう。
思った以上に素直な反応をする健全な肉体に、とりあえず一度深呼吸して自制をかけた。
嫌がることは、したくない。これはもう、当たり前の大前提。
でも……こちとらこの健全な肉体を持つ十代男子である。
好きなコ、抱きたいって思うのって悪いことか?
ということで。
「いいかな、ちょっとくらい」
自答。
部屋行って、脱がせてみよっと。
いつものようにお姫様抱っこして。
「んん……」涼がもう無意識に絡みついてくる。
「涼。部屋、行くよ?」
問うと、ふにゃと微笑んだ。
おしおし、可愛い可愛い。
階段上って部屋に入って、ベッドにそっと涼を下ろして。
上から跨ぐように覆い被さると、
「イタダキマス」
両の掌を合わせて呟き、ちゅ、とキスをした。
おお、この感覚。
何回やっても慣れない。何回やっても、美味しい。
制服のままだったから、ちょっと手始めに首元のボタンを外して寛げた。
白い首筋が露わになる。
「うんうん、いいねえ」
ふっと涼の体臭が来る。そのせっけんのような優しい香りがまた、恵那の下半身を擽る。
引き寄せられるように口付けて。跡を付けるわけにはいかないから、軽く吸い付いてそれを味わう。
唇でその感触を愉しんでいるうちに夢中になって、鎖骨の辺りを舐めていると。
「……えな?」
ぱちん、と大きな目を開いた涼に名前を呼ばれて、びく、と体を離した。
「なに、してんの?」
ぽやん、とした声で問われ。
ヤバいと思って。そっと涼の襟元を、閉じる。
「だからさー、涼。なんでおまえはそう、無防備にすこーんと寝るわけ?」
RPGのマップを眺めていると、ふと肩に重みを感じて。隣を見ると、涼がすやすやと眠っていた。
リビングのソファで、もう当たり前のように二人きりでゲームをしていたわけだが。
夕食を終え、今日は母も友達と飲んでくると言って出かけているし、父が帰宅していないのはもう当然なんだけれど、土岐だって今日も部活で遅くなるらしいから。
つまりは、この家で今、二人きりなのだ。
「おーい、涼ちゃーん。おまえ、この状況わかってる?」
コントローラを置き、セーブしてゲームを終わらせる。
そっと頭をクッションの上に乗せると、恵那は立ち上がって腕を組んだ。
幸せそうに寝息を立てているこの眠り姫。完全なる“据え膳”状態である。
「俺、コレ食っていいのかな?」
自問。
好きって言われて好きって答えて。世に言う“恋人同士”な関係になった今、涼だってその覚悟はあるハズ。
でも。
「このピュアピュアプリンセス、絶対、そういうイミじゃない、って泣きわめくよなー、多分」
裸にひん剥いて、いろんなトコ触りまくって、柔らかそうなトコ舐めまくって当然最後までヤっちまう、なんて。
相手が男でも、多分涼ならできると思う。
いや、女の子相手でもヤったことはないから全然わからないけれど。
こっちはお年頃なワケだから、そりゃーこの魅力的な体を前にすればいくらでもどうとでもなるけれど、肝心なこのお姫様は、きっとおとぎ話みたいな健全な交際ってのしか頭にはないだろう。
「ここで、コレベッドに連れてって、コトに及んだとして。絶対途中で目が覚めた瞬間、タコ殴りしてきそうだよなー」
キスは、全然大丈夫。何度もしてるし、割とイイ感じで受け入れてくれている。
んで、裸。これも、まあちょいちょい一緒に風呂に入っているし、凝視しているわけじゃないけれど、特に問題はない、と思う。
けれど。
アレやコレ、アんなトコやソんなトコ。
触っていいのかな?
つか、俺、触りたいのかな?
今この瞬間隠れている部分をちょっと想像。
白いくて柔らかそうな太腿。うん、触りたい。
するする素肌の背中。……いいねえ。
ピンク色の乳首。……あ、……ヤバいかも。
多分、誰も触ったことのないやわやわなお尻。と、アレ。
「あ。ヤバ。俺、これ普通に勃つわ」
びく、と反応を示した自分の下半身に、少し照れてしまう。
思った以上に素直な反応をする健全な肉体に、とりあえず一度深呼吸して自制をかけた。
嫌がることは、したくない。これはもう、当たり前の大前提。
でも……こちとらこの健全な肉体を持つ十代男子である。
好きなコ、抱きたいって思うのって悪いことか?
ということで。
「いいかな、ちょっとくらい」
自答。
部屋行って、脱がせてみよっと。
いつものようにお姫様抱っこして。
「んん……」涼がもう無意識に絡みついてくる。
「涼。部屋、行くよ?」
問うと、ふにゃと微笑んだ。
おしおし、可愛い可愛い。
階段上って部屋に入って、ベッドにそっと涼を下ろして。
上から跨ぐように覆い被さると、
「イタダキマス」
両の掌を合わせて呟き、ちゅ、とキスをした。
おお、この感覚。
何回やっても慣れない。何回やっても、美味しい。
制服のままだったから、ちょっと手始めに首元のボタンを外して寛げた。
白い首筋が露わになる。
「うんうん、いいねえ」
ふっと涼の体臭が来る。そのせっけんのような優しい香りがまた、恵那の下半身を擽る。
引き寄せられるように口付けて。跡を付けるわけにはいかないから、軽く吸い付いてそれを味わう。
唇でその感触を愉しんでいるうちに夢中になって、鎖骨の辺りを舐めていると。
「……えな?」
ぱちん、と大きな目を開いた涼に名前を呼ばれて、びく、と体を離した。
「なに、してんの?」
ぽやん、とした声で問われ。
ヤバいと思って。そっと涼の襟元を、閉じる。
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