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第一章
一題目 「我欲を満たすものは」
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映像の中の女性は何かしていた。
していた
と言うのは映像の目線が地面とあまりにも近く、よく見えないのだ。
何とか上を見ようと映像が動くが一向に画面は変わらない
青年の目線だと言うのになぜ、画面が動かない
青年 (あれ…………なんで、寝ていたんだ…?)
映像から音声が聞こえる
映っている人物は反応がない
この青年の心の声のようだ
青年 (お、俺は、確か・・・、さっきまで廃ビルにいたはずじゃ・・・?!)
当たりを見回す
全体的に薄暗くはあるが、ライトもあるため部屋全体の様子は何とか見える状態だ
青年 (一体……?)
青年 (ん…?!あ、あれ?!)
体が動かせない事に気が付く
もがいても手足は動かない
唯一首だけが動くため下を向く
青年 (こ、これは?!)
手と足はロープで固く結ばれており
体はパイプ椅子に固定されていた
うつ伏せの状態で倒されており
そのせいで顔が動かせなかったのだ
青年(なんだよこれ!!動け!動け!!)
青年は必死に体を動かそうとするがビクともしない
ガタンッ
パイプ椅子の音が鳴った
コツッ、コツッ、コツッ
ヒールの歩くような音が自身に近づいていた
目の前で止まったかと思うと
凛とした低音が心地よい女性の声が聞こえた
私「おや、お目覚めかな?」
声のする方に何とか頭を向ける
そこには
顔に大きな火傷の跡が残る
美しい女性が見下ろしていた
肌は色白く均整の取れた魅力のある体をしている
青年(火傷すらも、美しさに変えている)
こんな状況で思いつく考えでもないはずなのだが
青年は惹かれていた
青年「あ、貴女は…?」
私「ああ、私か」
女性はそう一言呟くと、青年のパイプ椅子を起こし
机に戻っていく
私(鼻歌を歌っている)
起こされた時に
青年は台の上に何があるのかをはっきり見た
「「死体だ」」
既に四肢は切り落とされ、内臓が丸見えになっている状態であった
女性は優雅に鼻歌を歌いながら
性器を解体していた
余りの光景に体が瞬時に凍り付く
その瞬間に
鼻の中に血なまぐささが通った
私「私は君の事を知らないが」
私「君は私の事を知っている。」
ポツリと話した
青年「…え?」
私「ああ、すまないね。単なる独り言だ」
台に置いてあるナイフの様なモノを持ち
慈しむようにナイフの側面を撫でる
私「これは私の癖でね。何かをしながら考えていることを語ってしまう」
ナイフで肉を一枚ずつ切っていく
骨が見えた所で分厚い斧を取り出す
私「この肉を割いて骨を断ち切る瞬間の音が、たまらなく好きなんだ」
ゴキリと切り落とした音が鳴る
関節から外れた足を持ち、
眺める
私「人間の、生きていた証、その証は内臓や骨に全て現れる」
青年「内臓や、骨」
私「彼は、そうだね」
私「二十五歳、社会人、健康状態はあまり良くなかったみたいだな。タバコの吸いすぎで肺が真っ黒だ」
私「だが、首筋から鎖骨にかけてのライン、筋肉は美しく均整を保っている」
私「仕事柄、動く者であったのだろう」
私「肝臓も、若干の脂肪肝…、細身ではあるが、酒の飲みすぎだったのだろう」
私「胃の中には…、ほう。肉かぁ、かなりの上物。きっと彼は今日、一番の幸福を感じたのだろう」
青年「ウッ…!!」
腐敗臭が辺りに充満する
目と鼻を刺激され嗚咽する
何とか戻さずには済んだ
青年「誰だか…分かって…やっているのですか…?」
私「名前?知らないよ」
青年「知らない…?」
私「ああ、知らないね」
青年「なんで…」
私「ふふっ、知らないから面白いじゃないか」
青年「お、おも、しろ、い…?」
私「私はね、名も知らない誰かに」
私「恨みもないのに殺される」
私「その瞬間に」
私「訳も分からず、命が無くなっていく人間の目が…」
私「好きなのさ」
足を上に掲げる
私「とても、綺麗でねぇ…」
私「無垢なままで死んでいくんだ」
不気味に口の橋を上げながら
青年の方を向く
私「その無垢な瞳が、絶命する時、「疑問」で濁るのさ…!」
私「濁ってどす黒く成って、成って変わって…!」
景色と空間を想像をしたのか
息が荒くなる
口の端からは涎が見えていた
勢いよく目玉を引きちぎる
目から流れる血をなめずる
私「あぁ…、この目、この目なんだよ」
死体の目玉を手に取り、近くに見せつけにくる
青年「ヒッ…!!」
私「知っているかい?瞳というのは様々なパーツでできている」
私「目は、まつ毛、瞼、角膜、虹彩、水晶体、結膜、涙腺、硝子体」
私「医学用語で分けると、ここまである。学校の理科でやっただろう?」
目玉を顔に押しつけてくる
映像が激しく乱れる
それは青年が震えていることを表していた
私「けど、人間の目は、そんな言葉で表せるものではない」
目を離す
少年は既に涙目であった
青年の目の前に立ち語り掛けた
私「人間には、感情がある」
私「君にも、もちろん。私にも」
私「感情とは不思議なものでねぇ、体に現れるのさ。喜怒哀楽全て、人間は体に現れる」
青年「体…」
私「私がその事に気付いたのは、九歳の時だ」
私「近所の友人と遊んでた時に、ふと、思ってしまったのさ」
私「今、この瞬間、首を絞めたら、この子は、どんな顔をするのだろうか」
まるで舞台でも行っているかのように高らかな声で詠う
私「その頃、学校の道徳で生命の事を学んでたこともあって」
私「生死に非常に興味を持っていた」
私「当時のテレビのサスペンスや刑事ドラマでも、殺されるシーンも見てた事もあってね」
私「経験して見たいと思った」
私「そんな時に近所の友達とかくれんぼをしていた」
私「そのうちの一人と一緒の場所に隠れた」
私「つまり、二人だけ。周りに誰もいない」
私「まさに、絶好のチャンスだった」
私「そして私は九歳の子供、止められるわけがない」
私「「大人に見つからなければ大丈夫」それしか考えて無かった」
私「たまたま持っていた紐をその子の首に回して、思いっきり締める」
私「そして考えた…!どんな表情で見つめてくるのだろうか、どんな声を出すのだろうか…」
私「その子は「「ぐえぇ…。」」と呻き声を上げて、私の方を見る」
私「その目を見た時に…!!」
私「私は全身が熱く、痺れる快感を覚えた…!」
私「体の中を電流が駆け巡る…、今まで味わったことない感覚だった」
私「今思えば、性の目覚めでもあったのだろうなぁ…」
私「ああ…今思い出すだけでも…!!アアッ…」
絶頂を迎えたのであろう
膝から崩れ落ちた
吐息が口から漏れる
青年「こ、殺したのですか…」
私「ああ」
私「その子供を殺すことはなかったよ。鬼が来てしまってね」
私「残念なことをした。あれが私の最初の殺人であればよかったのに…」
青年の呼吸が荒くなる
今まで眼前の状況を飲めずにいたが
それが感覚として
現実である事を思い知らされた
私「んん?どうしたんだそんなに青い顔をして」
私「私好みの絶望にまみれた表情になってきたじゃないかァ……」
恐れていた言葉セリフを言われた
青年は体の自由が利かなくなっていた
椅子が生暖かくなる
放出される感覚も無くなっていた
私「今、何を、考えたんだい?」
額から脂汗がでる
青年の声は騒擾(そうじょう)していた
何を発してるのかも分からない
私「ふ、あはははははは」
私「なるほど!そうかそうかぁ!」
私「分かってしまったのかぁ…、あはははははは…!」
青年の目の前で踊るように笑い
収まった後
しゃがみ込み、青年に顔を近づけ
私「では、質問しようか」
私「これから、私が、君に、何をするのか」
青年「ぼ、ぼく、も、あ、あの人の様に…!こ、殺…す、の、か…。」
私「ふふっ、正解だ。でも、まだだよ」
私「まずは、先ほどの彼から、堪能しないとね」
答えを聞いて満足したのか、台に戻り
局部を切り取った
私「はぁ…。なんて美しい…。」
じっくりと見つめた後
ゆっくりと舐めあげた。
私「死んでしまっているから、私の中に入れられないのが残念だ…。」
私「おや?童貞だったのか…?まだ皮を被っている。只の包茎なのか…。」
亀頭を手で撫でる。
青年「な、なんで…なんで…バラ、バラ…に…」
私「ん?」
私「ああ。私が何故、人間を解体するようになったのか、か…」
私「そうだねぇ、確かに、殺人の衝動が始まったのはその子供首を絞めたのがきっかけではあった」
私「そこから、何故ここまで発展したのか」
私「理由は簡単。「知りたかった」からだ」
青年「え…」
私「私には道徳という概念が欠如している」
私「人間を殺すのは悪いこと、だが、殺すことに罪悪感は抱かない」
私「むしろこうして楽しんでる」
残った身体に切り込みを入れながら答えてく
ゆっくりと丁寧に
青年「い、イカれてる…ッ」
私「そうだな。君の感覚ではイカれているさぁ」
私「だが、人間は誰しもイカれた狂気を腹に秘めているのだよ。君ぃ」
その言葉と同時に腕を斧で切断し、青年を見定める
私「だって、君、こんな状態なのに叫び声も上げなければ逃げる素振りも無い」
私「挙句の果てに質問をしてるんだ」
私「次に自分が殺されるとわかっていながら、ね」
青年はハッとした
この異常な状態に
自分が順応していた
叫び声も上げず
青年はただ、この状況を
肌で感じていた
斧を使って解体している音が部屋中に響き渡る
私「君は何故、私に付いてきたんだい?」
青年「…ッ」
私「答えられないだろうねぇ。それは、何故か?」
私「単純だ。「「好奇心」」
私「君は、好奇心だけで私のもとに現れたのだから」
私「最近テレビで賑わってるねぇ、あちこちで切断された腕だけが見つかっていると」
私「これを見ても、人間は危機感を覚えるだけだ。一瞬ね」
私「だが、極稀に、君のように近づてくる人間がいるのさ」
私「最初の問いに答えよう」
私「「私は、知りたいのさ。そんな好奇心で近づいてくる人間は、どんな中身をしてるのか。物理的にね。」」
私「この彼も、私に好奇心で近づいて来た。殺されることが分かっていながら」
私「死にたい願望があったわけでは無い。フフッ、必死に抵抗していたよ」
私「この青年は、ただの一般人だったのさ」
私「とまぁ、こんな感じ…」
私「…ん?」
私「おやおや、君ぃ…、」
青年「え、あ…」
私「ふっ、あはははははははははは!」
青年のズボンが盛り上がっていた。
青年は混乱していた
だが、望んでいた展開であった
物語が理想通りに進んでいた
青年「え…、あ…」
私「なんだい、君は、そっちだったのか!」
私「あーあーあ、そんな恍惚した表情をして…、」
私「単なる好奇心では無かったのか。初めから全て分かってて、近づいて来たのか」
私「しかも、想像だけで、そこまでなるとは…。ククク…。」
青年「い、いや、こ、これは」
私「良いだろう。気に入った。」
私「私は、自らの欲の為にしか動かない。人の事などどうでもよいのだが…、」
私「君のその中身、気に入った」
私「君が何を望んでいるか教えてくれ」
私「私なら叶えることができる」
私「同じ狂れた(いかれた)欲望を持ち、決して許されない願望を持っている私達ならねぇ」
刃物とロープをもって青年に近づいてくる
恐怖はもう消えていた
私「君は、どっちも、だろう?」
私「さぁ、始めようじゃないか」
私「今宵の月は満月に変わる」
私「君の顔を、表情を、その中身を、私に見せておくれ」
私「では、宴を始めよう」
ブツッ
映像はここで途切れていた
していた
と言うのは映像の目線が地面とあまりにも近く、よく見えないのだ。
何とか上を見ようと映像が動くが一向に画面は変わらない
青年の目線だと言うのになぜ、画面が動かない
青年 (あれ…………なんで、寝ていたんだ…?)
映像から音声が聞こえる
映っている人物は反応がない
この青年の心の声のようだ
青年 (お、俺は、確か・・・、さっきまで廃ビルにいたはずじゃ・・・?!)
当たりを見回す
全体的に薄暗くはあるが、ライトもあるため部屋全体の様子は何とか見える状態だ
青年 (一体……?)
青年 (ん…?!あ、あれ?!)
体が動かせない事に気が付く
もがいても手足は動かない
唯一首だけが動くため下を向く
青年 (こ、これは?!)
手と足はロープで固く結ばれており
体はパイプ椅子に固定されていた
うつ伏せの状態で倒されており
そのせいで顔が動かせなかったのだ
青年(なんだよこれ!!動け!動け!!)
青年は必死に体を動かそうとするがビクともしない
ガタンッ
パイプ椅子の音が鳴った
コツッ、コツッ、コツッ
ヒールの歩くような音が自身に近づいていた
目の前で止まったかと思うと
凛とした低音が心地よい女性の声が聞こえた
私「おや、お目覚めかな?」
声のする方に何とか頭を向ける
そこには
顔に大きな火傷の跡が残る
美しい女性が見下ろしていた
肌は色白く均整の取れた魅力のある体をしている
青年(火傷すらも、美しさに変えている)
こんな状況で思いつく考えでもないはずなのだが
青年は惹かれていた
青年「あ、貴女は…?」
私「ああ、私か」
女性はそう一言呟くと、青年のパイプ椅子を起こし
机に戻っていく
私(鼻歌を歌っている)
起こされた時に
青年は台の上に何があるのかをはっきり見た
「「死体だ」」
既に四肢は切り落とされ、内臓が丸見えになっている状態であった
女性は優雅に鼻歌を歌いながら
性器を解体していた
余りの光景に体が瞬時に凍り付く
その瞬間に
鼻の中に血なまぐささが通った
私「私は君の事を知らないが」
私「君は私の事を知っている。」
ポツリと話した
青年「…え?」
私「ああ、すまないね。単なる独り言だ」
台に置いてあるナイフの様なモノを持ち
慈しむようにナイフの側面を撫でる
私「これは私の癖でね。何かをしながら考えていることを語ってしまう」
ナイフで肉を一枚ずつ切っていく
骨が見えた所で分厚い斧を取り出す
私「この肉を割いて骨を断ち切る瞬間の音が、たまらなく好きなんだ」
ゴキリと切り落とした音が鳴る
関節から外れた足を持ち、
眺める
私「人間の、生きていた証、その証は内臓や骨に全て現れる」
青年「内臓や、骨」
私「彼は、そうだね」
私「二十五歳、社会人、健康状態はあまり良くなかったみたいだな。タバコの吸いすぎで肺が真っ黒だ」
私「だが、首筋から鎖骨にかけてのライン、筋肉は美しく均整を保っている」
私「仕事柄、動く者であったのだろう」
私「肝臓も、若干の脂肪肝…、細身ではあるが、酒の飲みすぎだったのだろう」
私「胃の中には…、ほう。肉かぁ、かなりの上物。きっと彼は今日、一番の幸福を感じたのだろう」
青年「ウッ…!!」
腐敗臭が辺りに充満する
目と鼻を刺激され嗚咽する
何とか戻さずには済んだ
青年「誰だか…分かって…やっているのですか…?」
私「名前?知らないよ」
青年「知らない…?」
私「ああ、知らないね」
青年「なんで…」
私「ふふっ、知らないから面白いじゃないか」
青年「お、おも、しろ、い…?」
私「私はね、名も知らない誰かに」
私「恨みもないのに殺される」
私「その瞬間に」
私「訳も分からず、命が無くなっていく人間の目が…」
私「好きなのさ」
足を上に掲げる
私「とても、綺麗でねぇ…」
私「無垢なままで死んでいくんだ」
不気味に口の橋を上げながら
青年の方を向く
私「その無垢な瞳が、絶命する時、「疑問」で濁るのさ…!」
私「濁ってどす黒く成って、成って変わって…!」
景色と空間を想像をしたのか
息が荒くなる
口の端からは涎が見えていた
勢いよく目玉を引きちぎる
目から流れる血をなめずる
私「あぁ…、この目、この目なんだよ」
死体の目玉を手に取り、近くに見せつけにくる
青年「ヒッ…!!」
私「知っているかい?瞳というのは様々なパーツでできている」
私「目は、まつ毛、瞼、角膜、虹彩、水晶体、結膜、涙腺、硝子体」
私「医学用語で分けると、ここまである。学校の理科でやっただろう?」
目玉を顔に押しつけてくる
映像が激しく乱れる
それは青年が震えていることを表していた
私「けど、人間の目は、そんな言葉で表せるものではない」
目を離す
少年は既に涙目であった
青年の目の前に立ち語り掛けた
私「人間には、感情がある」
私「君にも、もちろん。私にも」
私「感情とは不思議なものでねぇ、体に現れるのさ。喜怒哀楽全て、人間は体に現れる」
青年「体…」
私「私がその事に気付いたのは、九歳の時だ」
私「近所の友人と遊んでた時に、ふと、思ってしまったのさ」
私「今、この瞬間、首を絞めたら、この子は、どんな顔をするのだろうか」
まるで舞台でも行っているかのように高らかな声で詠う
私「その頃、学校の道徳で生命の事を学んでたこともあって」
私「生死に非常に興味を持っていた」
私「当時のテレビのサスペンスや刑事ドラマでも、殺されるシーンも見てた事もあってね」
私「経験して見たいと思った」
私「そんな時に近所の友達とかくれんぼをしていた」
私「そのうちの一人と一緒の場所に隠れた」
私「つまり、二人だけ。周りに誰もいない」
私「まさに、絶好のチャンスだった」
私「そして私は九歳の子供、止められるわけがない」
私「「大人に見つからなければ大丈夫」それしか考えて無かった」
私「たまたま持っていた紐をその子の首に回して、思いっきり締める」
私「そして考えた…!どんな表情で見つめてくるのだろうか、どんな声を出すのだろうか…」
私「その子は「「ぐえぇ…。」」と呻き声を上げて、私の方を見る」
私「その目を見た時に…!!」
私「私は全身が熱く、痺れる快感を覚えた…!」
私「体の中を電流が駆け巡る…、今まで味わったことない感覚だった」
私「今思えば、性の目覚めでもあったのだろうなぁ…」
私「ああ…今思い出すだけでも…!!アアッ…」
絶頂を迎えたのであろう
膝から崩れ落ちた
吐息が口から漏れる
青年「こ、殺したのですか…」
私「ああ」
私「その子供を殺すことはなかったよ。鬼が来てしまってね」
私「残念なことをした。あれが私の最初の殺人であればよかったのに…」
青年の呼吸が荒くなる
今まで眼前の状況を飲めずにいたが
それが感覚として
現実である事を思い知らされた
私「んん?どうしたんだそんなに青い顔をして」
私「私好みの絶望にまみれた表情になってきたじゃないかァ……」
恐れていた言葉セリフを言われた
青年は体の自由が利かなくなっていた
椅子が生暖かくなる
放出される感覚も無くなっていた
私「今、何を、考えたんだい?」
額から脂汗がでる
青年の声は騒擾(そうじょう)していた
何を発してるのかも分からない
私「ふ、あはははははは」
私「なるほど!そうかそうかぁ!」
私「分かってしまったのかぁ…、あはははははは…!」
青年の目の前で踊るように笑い
収まった後
しゃがみ込み、青年に顔を近づけ
私「では、質問しようか」
私「これから、私が、君に、何をするのか」
青年「ぼ、ぼく、も、あ、あの人の様に…!こ、殺…す、の、か…。」
私「ふふっ、正解だ。でも、まだだよ」
私「まずは、先ほどの彼から、堪能しないとね」
答えを聞いて満足したのか、台に戻り
局部を切り取った
私「はぁ…。なんて美しい…。」
じっくりと見つめた後
ゆっくりと舐めあげた。
私「死んでしまっているから、私の中に入れられないのが残念だ…。」
私「おや?童貞だったのか…?まだ皮を被っている。只の包茎なのか…。」
亀頭を手で撫でる。
青年「な、なんで…なんで…バラ、バラ…に…」
私「ん?」
私「ああ。私が何故、人間を解体するようになったのか、か…」
私「そうだねぇ、確かに、殺人の衝動が始まったのはその子供首を絞めたのがきっかけではあった」
私「そこから、何故ここまで発展したのか」
私「理由は簡単。「知りたかった」からだ」
青年「え…」
私「私には道徳という概念が欠如している」
私「人間を殺すのは悪いこと、だが、殺すことに罪悪感は抱かない」
私「むしろこうして楽しんでる」
残った身体に切り込みを入れながら答えてく
ゆっくりと丁寧に
青年「い、イカれてる…ッ」
私「そうだな。君の感覚ではイカれているさぁ」
私「だが、人間は誰しもイカれた狂気を腹に秘めているのだよ。君ぃ」
その言葉と同時に腕を斧で切断し、青年を見定める
私「だって、君、こんな状態なのに叫び声も上げなければ逃げる素振りも無い」
私「挙句の果てに質問をしてるんだ」
私「次に自分が殺されるとわかっていながら、ね」
青年はハッとした
この異常な状態に
自分が順応していた
叫び声も上げず
青年はただ、この状況を
肌で感じていた
斧を使って解体している音が部屋中に響き渡る
私「君は何故、私に付いてきたんだい?」
青年「…ッ」
私「答えられないだろうねぇ。それは、何故か?」
私「単純だ。「「好奇心」」
私「君は、好奇心だけで私のもとに現れたのだから」
私「最近テレビで賑わってるねぇ、あちこちで切断された腕だけが見つかっていると」
私「これを見ても、人間は危機感を覚えるだけだ。一瞬ね」
私「だが、極稀に、君のように近づてくる人間がいるのさ」
私「最初の問いに答えよう」
私「「私は、知りたいのさ。そんな好奇心で近づいてくる人間は、どんな中身をしてるのか。物理的にね。」」
私「この彼も、私に好奇心で近づいて来た。殺されることが分かっていながら」
私「死にたい願望があったわけでは無い。フフッ、必死に抵抗していたよ」
私「この青年は、ただの一般人だったのさ」
私「とまぁ、こんな感じ…」
私「…ん?」
私「おやおや、君ぃ…、」
青年「え、あ…」
私「ふっ、あはははははははははは!」
青年のズボンが盛り上がっていた。
青年は混乱していた
だが、望んでいた展開であった
物語が理想通りに進んでいた
青年「え…、あ…」
私「なんだい、君は、そっちだったのか!」
私「あーあーあ、そんな恍惚した表情をして…、」
私「単なる好奇心では無かったのか。初めから全て分かってて、近づいて来たのか」
私「しかも、想像だけで、そこまでなるとは…。ククク…。」
青年「い、いや、こ、これは」
私「良いだろう。気に入った。」
私「私は、自らの欲の為にしか動かない。人の事などどうでもよいのだが…、」
私「君のその中身、気に入った」
私「君が何を望んでいるか教えてくれ」
私「私なら叶えることができる」
私「同じ狂れた(いかれた)欲望を持ち、決して許されない願望を持っている私達ならねぇ」
刃物とロープをもって青年に近づいてくる
恐怖はもう消えていた
私「君は、どっちも、だろう?」
私「さぁ、始めようじゃないか」
私「今宵の月は満月に変わる」
私「君の顔を、表情を、その中身を、私に見せておくれ」
私「では、宴を始めよう」
ブツッ
映像はここで途切れていた
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