7 / 37
第7章 他国からの難民か?それとも侵略者達?
しおりを挟む
対馬の厳原港を出港した開運丸の乗組員5人は、口をあんぐりと開き呆気に取られていた。
眼前の海原には、おびただしい船また船。百艘、二百艘、いや、数え切れない程の大船、小船が波に揺られている…。
その船々は見慣れない大きな帆を張った木造の船で、しかも、船上には鎧を着た沢山の男達が乗っていた。
その無数の船から数百の小鳥が一斉に大空へ舞い上がり、こちらに向かっているように乗組員達は観えた。
その小鳥達とは、放物線を描き開運丸を目指して放たれた矢だった。
乗組員達は下降してきた無数の矢にやっと気付き逃げる場所を探したが遅かった。
ストン、ストン、ストン、ストン、スト・ト・ト・ト・ト・・ト・ト・ト・ト・トン。
開運丸のデッキは無残にもハリネズミの背中の様な状態だった。
10数分後、大きな木造の船(千料舟)が開運丸へ近づき、鎧を着た男が5人が乗り込んできた。
「ナンダ、コノ船ハ。」と将と見られる男がモンゴル語で驚愕とした声をあげた。
船を進めるための帆、櫂、櫓が一切ない。どうやってここまで来たんだ…。
この船はのろし(白煙)を吐きながら進んでいた様に観えたが。
それにどうだ、船体には木を使っていない。こつん、こつん。拳で叩いてみた。何だ見たこともない外壁は…。
この世の造品とは思えない。内装も…全てだ。
死んだ男達は私たちと一緒のアジア人に見えるが、服はアジア、西洋の物とも違う。
履いている靴は黒くて膝まであり縫い目も一切なくツルッとし、水を弾いている。
この世には知らない異人がいたのか。それとも神か。
この船を見たら恐れを抱くものが者が出よう。我が軍(東路軍)の軍勢達に見せるべきでないな。と将は思った。
配下の忠実な男4人に、「ヨイカ。同志タチヨ。コノ船ノコトハ全テ忘レテクレ。ヨイナ。」
「ティーム(はい)。」4人は片ひざを折り頭(こうべ)を垂れた。
「皆ノ者、コノ船ニ、火ヲカケイ。」「ティーム(はい)。」
矢でハリネズミ状となった開運丸の乗組員5人にたっぷりの油を付け、更に乗組員室に有った布団などに油をまいた後、火をつけた。
「コレデ良イ。」と言ったが、将は、東路軍(約4万人)の総帥(ヒンドゥ元帥)へどのように奇妙な船の説明したら良いかと思い悩んでいた。
火が回ったことを確認し、5人は千料舟へ戻って行った。
眼前の海原には、おびただしい船また船。百艘、二百艘、いや、数え切れない程の大船、小船が波に揺られている…。
その船々は見慣れない大きな帆を張った木造の船で、しかも、船上には鎧を着た沢山の男達が乗っていた。
その無数の船から数百の小鳥が一斉に大空へ舞い上がり、こちらに向かっているように乗組員達は観えた。
その小鳥達とは、放物線を描き開運丸を目指して放たれた矢だった。
乗組員達は下降してきた無数の矢にやっと気付き逃げる場所を探したが遅かった。
ストン、ストン、ストン、ストン、スト・ト・ト・ト・ト・・ト・ト・ト・ト・トン。
開運丸のデッキは無残にもハリネズミの背中の様な状態だった。
10数分後、大きな木造の船(千料舟)が開運丸へ近づき、鎧を着た男が5人が乗り込んできた。
「ナンダ、コノ船ハ。」と将と見られる男がモンゴル語で驚愕とした声をあげた。
船を進めるための帆、櫂、櫓が一切ない。どうやってここまで来たんだ…。
この船はのろし(白煙)を吐きながら進んでいた様に観えたが。
それにどうだ、船体には木を使っていない。こつん、こつん。拳で叩いてみた。何だ見たこともない外壁は…。
この世の造品とは思えない。内装も…全てだ。
死んだ男達は私たちと一緒のアジア人に見えるが、服はアジア、西洋の物とも違う。
履いている靴は黒くて膝まであり縫い目も一切なくツルッとし、水を弾いている。
この世には知らない異人がいたのか。それとも神か。
この船を見たら恐れを抱くものが者が出よう。我が軍(東路軍)の軍勢達に見せるべきでないな。と将は思った。
配下の忠実な男4人に、「ヨイカ。同志タチヨ。コノ船ノコトハ全テ忘レテクレ。ヨイナ。」
「ティーム(はい)。」4人は片ひざを折り頭(こうべ)を垂れた。
「皆ノ者、コノ船ニ、火ヲカケイ。」「ティーム(はい)。」
矢でハリネズミ状となった開運丸の乗組員5人にたっぷりの油を付け、更に乗組員室に有った布団などに油をまいた後、火をつけた。
「コレデ良イ。」と言ったが、将は、東路軍(約4万人)の総帥(ヒンドゥ元帥)へどのように奇妙な船の説明したら良いかと思い悩んでいた。
火が回ったことを確認し、5人は千料舟へ戻って行った。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
我らの輝かしきとき ~拝啓、坂の上から~
城闕崇華研究所(呼称は「えねこ」でヨロ
歴史・時代
講和内容の骨子は、以下の通りである。
一、日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。
二、日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。
三、ロシアは樺太を永久に日本へ譲渡する。
四、ロシアは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。
五、ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。
六、ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。
そして、1907年7月30日のことである。
第一機動部隊
桑名 裕輝
歴史・時代
突如アメリカ軍陸上攻撃機によって帝都が壊滅的損害を受けた後に宣戦布告を受けた大日本帝国。
祖国のため、そして愛する者のため大日本帝国の精鋭である第一機動部隊が米国太平洋艦隊重要拠点グアムを叩く。
旧式戦艦はつせ
古井論理
歴史・時代
真珠湾攻撃を行う前に機動艦隊が発見されてしまい、結果的に太平洋戦争を回避した日本であったが軍備は軍縮条約によって制限され、日本国に国名を変更し民主政治を取り入れたあとも締め付けが厳しい日々が続いている世界。東南アジアの元列強植民地が独立した大国・マカスネシア連邦と同盟を結んだ日本だが、果たして復権の日は来るのであろうか。ロマンと知略のIF戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる