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聖女就職編

第7話 聖女、魔王♀と添い寝する

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「はぁ……なんか怒涛の一日だったな……」

 グロリアに用意された部屋は私には勿体ない位の広い部屋だった。天蓋はないものの、ふかふかのベットに座り、今日の出来事を振り返る私。

 勇者イザナに裏切られ、悪女キャシーの手によって此処に転送された。そこはまさかの魔王が住む土地。しかも魔王がグロリアのような美少女だったなんて知らなかった。

 なぜか魔王グロリアに気に入られたため、今私の命は繋がった。これからどうなるのか不安だけど、乗り切るしかない。私は両頬を叩いて気持ちを鼓舞する。

「よしっ、頑張ろう、私!」

 私の果実がぷるるるんっ! と、返事をした。今着ているのは、桃色を基調とした黒のレースが入ったキャミソール。シャワーも温泉も入っていないため、汗でベタベタしているが、贅沢は言えない。〝闇堕ち温泉〟を何倍も希釈した〝悪い子は真似してはいけません温泉〟……略して〝マネ泉〟に入る勇気は私にはなかった。

「まずはお風呂問題を解決しないとね……」

 一日見学しただけで、この会社がブラックだと言う事は理解出来た。私が勇者パーティの一員として、拠点としていた国――セントラリアでも奴隷に重労働させる、深夜まで従業員を働かせる、魔力実験のような人体実験を行うなど、様々な問題が浮き彫りとなっていた。人間も魔族もやっている事は変わらないのではないか?

「スケルトン達もゴブリン達もかなり疲弊していた。晩御飯も天井から落ちて来た・・・・・・・・・何の肉か分からない肉塊・・を貪り食べていたし……。あんなの食事じゃないわ」

 グロリアと私は魔王城幹部用の厨房で、レッドドラゴンの肉という高級肉をいただいた。しっかりとした肉厚のお肉。口の中に含んだ瞬間肉汁が溢れ、口の中で蕩けるお肉は今迄食べた事がないくらい美味だった。

「貴族階級と一般庶民との貧富の差を見せつけられているみたいだったわ……」


 問題は山積みのようだ。私に出来る事を考えよう。

「誰に見られている訳でもないけど……このキャミソールも恥ずかしいな……」

 サキュバス姿で居た日中も、スケルトン達が私の果実を凝視している気がして頬が熱くなりそうだった。あまり見られると、下半身のあたりがなんだかモゾモゾしてしまう。聖衣に覆われていた時には感じる事のなかった気持ちだ。

「はぁ……もうちょっと大胆じゃない格好……ないのかしら……」

 私は聖女であって、サキュバスではない。こちらの問題もその内解決した方が良さそうな気がする。

「とりあえず今日は寝よっ……」

 シーツに包まり、私は眠りにつくのだった……。




******

 フカフカのベットが心地いい。私の果実が何かに触れ、むにゅるんっと何かが埋もれる感覚があった。花のようないい香りに誘われそのまま腕で包み込んであげる。サラサラした何かに手が触れる感触……そのままそっと撫でてあげる私。

「ああん……もっと……」

 遠く、誰かの声が聞こえる。香りに誘われるかのように何かを優しく包み込む。すると、果実の先端に何かが触れる感覚があり、全身にぞくりと刺激が走る。

「……んっ♡」

 思わず声が漏れる。これは夢? 此処はどこだろう? 双眸を開くと、見慣れない部屋がそこにあった。私の果実に埋もれている何かが声をあげている。

「すんすん……ハァハア……ルーシア……こんな果実を持っているからイケないのよ! すんすん……嗚呼……もう私……このままじゃ……」
「ん……んん♡ ……んんっ!?」

 次の瞬間、私は包み込んでいた何かに気づき、ベットから飛び起きる!?

「ええ……えええええ!? ま、魔王さ……グロリアさんっ!? 何をやってるんですか?」

 気づいたらキャミソールで覆っていた筈の果実がぷるんと外へ露出し、おはようの挨拶をしていた。シーツで果実を慌てて隠すと、なぜか私に用意された部屋に居る魔王様は、なにも着ていなかった。

「あら、おはようルーシア。もう、あんたは特別だから、グロリアで良いわよ? 起こしに来てあげようと思ったら気持ちよく寝ているものだから、添い寝してあげてたのよ?」
「いやいやいや、今添い寝以上の事……してましたよね?」

 可愛らしい蕾を露わにしたグロリアは妖艶な笑みを浮かべる。その表情に思わずドキドキしてしまう私。

「あんたがそんな羨ま……収穫時なメロンを二つも携えているからイケないのよ? 収穫時のメロンなら、私が食べるしかないじゃない?」
「その理屈が、おかしいですから!」

 グロリアの瞳が何やら怪しい色を帯びている気がする……。

「朝ご飯のデザートに、そのメロン、いただくわっ!」
「いい加減やめんかーーーー!」
 
 思わず私は殴ってしまった。相手が魔王様という事も忘れて……。

「な、殴ったわねっ!? パパにもたれた事ないのにーー!」

 殺されるかと思ったのだが、グロリアは涙目になっていた。この魔王様、ちょっと可愛い。

「あわわ、ごめんなさい、グロリア。痛かった?」

 私はベットの上でそっと自身の双丘で彼女の顔を包み込んであげる。聖女の力で赤くなった頬はみるみる回復していく。

「ら……らめよ……こんなの気持ち良すぎるわーーーー!」
「え? え? グロリア? 魔王様ーーーー!?」

 そのまま魔王グロリアは、鼻から血を出し、涎を垂らしたまま気を失うのであった。
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