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幼年期
#5 お約束?
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ミサ姉さんが家を離れて3か月がたち、やっと俺はミサ姉さんのいない生活に慣れた。
そして、そんな俺に5歳の誕生日が来た。
この世界では5歳の誕生日には教会に行き、神に祈りを捧げ、そして、ステータスを見てもらうそうだ。
少し楽しみではあるが、怖くもある。
そして、教会の神官が一枚の羊皮紙を手にこちらに駆け寄ってきた。
なにやら慌てているようだ、どうしたのだろう…まさかッ能力値が年齢に対して低すぎるとかッ?!
うぅ…怖いなぁ…
そして、神官がこう告げた。
「大変です!魔力量が150万ほどあります!これはあり得ません!1人で王宮魔導師3人分の魔力量など!それに大人の魔術師ならまだしも、5歳の子供です!!あり得ません!」
は?つまりは俺のこの小さな体には物凄い量の魔力があるってこと?そんなラノベ的展開が俺に訪れたってこと?マジか、やべぇな。
「ほう…うちの息子にそれほどの魔力量が…」
「はい、レイくんには膨大な魔力があります、ですので是非オルトマニア魔法学校に入学して頂きたく、魔法の適正もバッチリですし」
「それは息子に判断を委ねよう、私だけでは決められない、レイ、お前はどうしたい」
どうしようか…魔法学校に行けば中級・上級・超級魔法を学べるが、鍛冶の学習が出来なくなる。
鍛冶を選べば、魔法の学習が出来なくなる…
迷うな…もうこうなったら…
「僕はどちらも学びたいです」
とても傲慢だと自分でも思う、しかし決められないのだから仕方ないのだ。
「…そうか、神官様魔法学校に鍛冶を出来る教師は居るか?」
「居りませんが、呼び寄せることは出来ます」
呼び寄せれんのかよ!
と口から出そうになったがなんとか抑える。
でもなぁ…父さんに習いたかった、っていう願望もあるんだよなぁ…
「いや、呼び寄せるのは面倒だろう、私が教師として教鞭をとるのはどうだろう、一応魔法の心得ならある、衰えているかもしれんが超級も一つ使える」
「それは理事長に聞いてみなければわかりませんね…」
「そうか、わかった、返事が来たら手紙をくれ」
「わかりました」
そうして、神官は下がっていった。
「ほれ、レイお前のステータスだ」
「あ、はい」
羊皮紙を受け取り、覗きこむ。
どれどれ…
___________________________________
氏名:レイ=グラント(5)
天職:旅鍛冶師《エンチャンター》
能力値
体力:150(+20)
知力:230(+90)
精神力:90(-5)
魔力:1500000(+1495000)
属性適性:火△、水○、氷◎、土△
風◎、光○、闇△
____________________________________
うわぁ…毎日の魔法の訓練だけでこんなになるもんなのか?流石に平均から+1495000は可笑しいでしょ。
精神力無いのか…確かにミサ姉さんが居なくなっただけでちょっとヤバかったからな、納得できる。
つい苦笑いが顔から零れる。
問題は体力かな、これからは体作りに専念しよう。
それと、この旅鍛冶師《エンチャンター》ってなんだ?父さんなら知ってるかな?あとで聞いてみよう。
適性属性は氷属性と風属性か、あぁ確かにこの二つはイメージしやすかったかも。
う~んこの二つの複合魔法出来るかな?家に帰ってから作ってみるのも手かも。
そんなことを考えている内に帰り用の馬車に着いていた。
馬車に乗り込み、早速旅鍛冶師《エンチャンター》について父さんに質問する。
「父さん、旅鍛冶師《エンチャンター》ってなんですか?」
「旅鍛冶師《エンチャンター》は魔法で武器や防具に特殊効果を付与できる職業だな、だが、この特殊効果は旅をしていなければ付与できないのが欠点だ」
「なるほど、だから旅をする鍛冶師なんですね、それなら俺でもやれるかも」
「いや、欠点はあと一つある、旅先で鍛冶をするには魔術結界というものが必要になる、それの魔力消費速度が馬鹿にならん」
「でも、俺には150万もの魔力がありますよ?」
「いや旅鍛冶師《エンチャンター》になるにはまだ足りない最低300万は必要だろう」
「…(うせやろ…それはヤバイな今の魔力量より2倍か…)俺になれるでしょうか」
「なれる、天職に選ばれたということは神がなれるとおっしゃっているということだ、自信を持て」
「はい!頑張ります!」
父さんに自信を持てとか言われるとは思ってなかったな、なにはともあれこれからも頑張ろう。
そして、馬車に揺られること2時間、家に到着した。
もう外は暗くなっていた。
馬車に乗っているととても尻が痛くなる。
家に入ると、玄関でルル兄さんが待っていた。
「レイ、天職なんだった?っていうかステータス見せて」
「う、うんわかった」
ルル兄さんの食い気味な態度に若干引きながら、羊皮紙を渡す。
「は?おいこれ間違いじゃないの?旅鍛冶師《エンチャンター》ってお伽噺の中だけの職業じゃないの?まぁそれは良いとして…なにこの魔力量…?」
「きっと毎日の魔法の訓練の成果だよ」
「いや、ねぇよ?ぜってぇねぇよ?」
「なんでさ」
自分の努力を否定されたような気がして少し不愉快だ。
「だって“1700000”だぜ?たかが初級魔法を毎日やったところでこんなになんねぇだろ」
「え?今なんて?」
聞き間違いか?1700000って聞こえたんだが…いやいや流石に数字を読み間違えるのは無いですよ、ルル兄さん。
「だから初級魔法を毎日やったところで“1700000”にはならないだろって」
やっぱり、聞き間違いじゃなかった。
ルル兄さんから羊皮紙を取り上げて、覗きこむ。
変わっていた、1500000から1700000に。
うん、つまりどういうことだってばよ。
「どういうことなんだ?」
「お、おいレイどうした?」
「い、いやちょっと父さんの所いってくる」
「ちょ、え?なに?どうしたの?」
そうして、理解できないルル兄さんを置いて、猛ダッシュで父さんの部屋に走る。
「父さん!!魔力が増えてるんですけど!!」
「ほう…見せてみろ」
はい、と父さんに羊皮紙を渡す。
それを見て、父さんが目を白黒させている、こんなに慌てる父さんを俺は初めて見たかもしれない。
そして、なにか納得したようにブツブツとなにか言っている。
そして、書斎からなにやら分厚い本を取りだし 、俺にあるページを見せてきた。
「これを見てみろ」
「これは…願望による魔力上昇についての論文ですか?」
「そうだ、レイ馬車の中や教会でなにかを望んだか?」
「はい、3つほど、魔法学校と鍛冶を選ぶときに一つ、ステータスの時に一つ、あとは旅鍛冶師《エンチャンター》になりたいと思ったことですね」
「その時共通して考えていたことは何だ?」
「えっと…魔力のことについてですね」
「やはりか」
「やはり?」
「良いか?レイお前の体には不思議な力が備わっている」
「はぁ…」
「それが、この“願望増幅能力”だ、この能力は一日に考えたこと、望んだことの全てに、共通していることの能力を底上げする能力だ」
「つまり、今日望んだこと全てに共通していた、魔力という能力が底上げされたってことですか?」
「そうだ、理解が速くて助かる」
「納得できました、ありがとうございました」
「いや、構わん、しかし…今日はレイに驚かせられてばかりだな」
「そうですね、少し驚き疲れました、それでは失礼します」
「あぁ、また何かあれば言ってくれ」
そうして、父さんの部屋から出た。
とても話を聞いて興奮したが、それと同時にとてもでたらめな能力だと思った。
何故なら、頭を良くしたいと一日中望み続けることで、その日の夜には頭が良くなってるということも出来るのだ、もちろんその逆も可能である。
しかし、この体に備わった能力なのだ、これからも付き合っていくしかないだろう。
時計を見ると丁度夜ご飯の時間だった。
今日は夜ご飯を食べたら、すぐに寝よう。
そう、俺は考えるのだった。
夕食中、ルル兄さんに色々と聞かれたが、説明するのが面倒だったので、相づちだけを打って受け流した。
そして、そんな俺に5歳の誕生日が来た。
この世界では5歳の誕生日には教会に行き、神に祈りを捧げ、そして、ステータスを見てもらうそうだ。
少し楽しみではあるが、怖くもある。
そして、教会の神官が一枚の羊皮紙を手にこちらに駆け寄ってきた。
なにやら慌てているようだ、どうしたのだろう…まさかッ能力値が年齢に対して低すぎるとかッ?!
うぅ…怖いなぁ…
そして、神官がこう告げた。
「大変です!魔力量が150万ほどあります!これはあり得ません!1人で王宮魔導師3人分の魔力量など!それに大人の魔術師ならまだしも、5歳の子供です!!あり得ません!」
は?つまりは俺のこの小さな体には物凄い量の魔力があるってこと?そんなラノベ的展開が俺に訪れたってこと?マジか、やべぇな。
「ほう…うちの息子にそれほどの魔力量が…」
「はい、レイくんには膨大な魔力があります、ですので是非オルトマニア魔法学校に入学して頂きたく、魔法の適正もバッチリですし」
「それは息子に判断を委ねよう、私だけでは決められない、レイ、お前はどうしたい」
どうしようか…魔法学校に行けば中級・上級・超級魔法を学べるが、鍛冶の学習が出来なくなる。
鍛冶を選べば、魔法の学習が出来なくなる…
迷うな…もうこうなったら…
「僕はどちらも学びたいです」
とても傲慢だと自分でも思う、しかし決められないのだから仕方ないのだ。
「…そうか、神官様魔法学校に鍛冶を出来る教師は居るか?」
「居りませんが、呼び寄せることは出来ます」
呼び寄せれんのかよ!
と口から出そうになったがなんとか抑える。
でもなぁ…父さんに習いたかった、っていう願望もあるんだよなぁ…
「いや、呼び寄せるのは面倒だろう、私が教師として教鞭をとるのはどうだろう、一応魔法の心得ならある、衰えているかもしれんが超級も一つ使える」
「それは理事長に聞いてみなければわかりませんね…」
「そうか、わかった、返事が来たら手紙をくれ」
「わかりました」
そうして、神官は下がっていった。
「ほれ、レイお前のステータスだ」
「あ、はい」
羊皮紙を受け取り、覗きこむ。
どれどれ…
___________________________________
氏名:レイ=グラント(5)
天職:旅鍛冶師《エンチャンター》
能力値
体力:150(+20)
知力:230(+90)
精神力:90(-5)
魔力:1500000(+1495000)
属性適性:火△、水○、氷◎、土△
風◎、光○、闇△
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うわぁ…毎日の魔法の訓練だけでこんなになるもんなのか?流石に平均から+1495000は可笑しいでしょ。
精神力無いのか…確かにミサ姉さんが居なくなっただけでちょっとヤバかったからな、納得できる。
つい苦笑いが顔から零れる。
問題は体力かな、これからは体作りに専念しよう。
それと、この旅鍛冶師《エンチャンター》ってなんだ?父さんなら知ってるかな?あとで聞いてみよう。
適性属性は氷属性と風属性か、あぁ確かにこの二つはイメージしやすかったかも。
う~んこの二つの複合魔法出来るかな?家に帰ってから作ってみるのも手かも。
そんなことを考えている内に帰り用の馬車に着いていた。
馬車に乗り込み、早速旅鍛冶師《エンチャンター》について父さんに質問する。
「父さん、旅鍛冶師《エンチャンター》ってなんですか?」
「旅鍛冶師《エンチャンター》は魔法で武器や防具に特殊効果を付与できる職業だな、だが、この特殊効果は旅をしていなければ付与できないのが欠点だ」
「なるほど、だから旅をする鍛冶師なんですね、それなら俺でもやれるかも」
「いや、欠点はあと一つある、旅先で鍛冶をするには魔術結界というものが必要になる、それの魔力消費速度が馬鹿にならん」
「でも、俺には150万もの魔力がありますよ?」
「いや旅鍛冶師《エンチャンター》になるにはまだ足りない最低300万は必要だろう」
「…(うせやろ…それはヤバイな今の魔力量より2倍か…)俺になれるでしょうか」
「なれる、天職に選ばれたということは神がなれるとおっしゃっているということだ、自信を持て」
「はい!頑張ります!」
父さんに自信を持てとか言われるとは思ってなかったな、なにはともあれこれからも頑張ろう。
そして、馬車に揺られること2時間、家に到着した。
もう外は暗くなっていた。
馬車に乗っているととても尻が痛くなる。
家に入ると、玄関でルル兄さんが待っていた。
「レイ、天職なんだった?っていうかステータス見せて」
「う、うんわかった」
ルル兄さんの食い気味な態度に若干引きながら、羊皮紙を渡す。
「は?おいこれ間違いじゃないの?旅鍛冶師《エンチャンター》ってお伽噺の中だけの職業じゃないの?まぁそれは良いとして…なにこの魔力量…?」
「きっと毎日の魔法の訓練の成果だよ」
「いや、ねぇよ?ぜってぇねぇよ?」
「なんでさ」
自分の努力を否定されたような気がして少し不愉快だ。
「だって“1700000”だぜ?たかが初級魔法を毎日やったところでこんなになんねぇだろ」
「え?今なんて?」
聞き間違いか?1700000って聞こえたんだが…いやいや流石に数字を読み間違えるのは無いですよ、ルル兄さん。
「だから初級魔法を毎日やったところで“1700000”にはならないだろって」
やっぱり、聞き間違いじゃなかった。
ルル兄さんから羊皮紙を取り上げて、覗きこむ。
変わっていた、1500000から1700000に。
うん、つまりどういうことだってばよ。
「どういうことなんだ?」
「お、おいレイどうした?」
「い、いやちょっと父さんの所いってくる」
「ちょ、え?なに?どうしたの?」
そうして、理解できないルル兄さんを置いて、猛ダッシュで父さんの部屋に走る。
「父さん!!魔力が増えてるんですけど!!」
「ほう…見せてみろ」
はい、と父さんに羊皮紙を渡す。
それを見て、父さんが目を白黒させている、こんなに慌てる父さんを俺は初めて見たかもしれない。
そして、なにか納得したようにブツブツとなにか言っている。
そして、書斎からなにやら分厚い本を取りだし 、俺にあるページを見せてきた。
「これを見てみろ」
「これは…願望による魔力上昇についての論文ですか?」
「そうだ、レイ馬車の中や教会でなにかを望んだか?」
「はい、3つほど、魔法学校と鍛冶を選ぶときに一つ、ステータスの時に一つ、あとは旅鍛冶師《エンチャンター》になりたいと思ったことですね」
「その時共通して考えていたことは何だ?」
「えっと…魔力のことについてですね」
「やはりか」
「やはり?」
「良いか?レイお前の体には不思議な力が備わっている」
「はぁ…」
「それが、この“願望増幅能力”だ、この能力は一日に考えたこと、望んだことの全てに、共通していることの能力を底上げする能力だ」
「つまり、今日望んだこと全てに共通していた、魔力という能力が底上げされたってことですか?」
「そうだ、理解が速くて助かる」
「納得できました、ありがとうございました」
「いや、構わん、しかし…今日はレイに驚かせられてばかりだな」
「そうですね、少し驚き疲れました、それでは失礼します」
「あぁ、また何かあれば言ってくれ」
そうして、父さんの部屋から出た。
とても話を聞いて興奮したが、それと同時にとてもでたらめな能力だと思った。
何故なら、頭を良くしたいと一日中望み続けることで、その日の夜には頭が良くなってるということも出来るのだ、もちろんその逆も可能である。
しかし、この体に備わった能力なのだ、これからも付き合っていくしかないだろう。
時計を見ると丁度夜ご飯の時間だった。
今日は夜ご飯を食べたら、すぐに寝よう。
そう、俺は考えるのだった。
夕食中、ルル兄さんに色々と聞かれたが、説明するのが面倒だったので、相づちだけを打って受け流した。
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