4 / 4
4匹目 思ってたんとちゃう
しおりを挟む
初めて会話した日から一週間と数日が経ち、約束の日曜日が来た、待ち合わせは渋谷のハ○公前広場。
相も変わらずここは人が多くあまり僕が好きだと言える場所ではないのだが、音娘さんがここでと言ったため、ここにするしかなかったのだ。
あ、音娘さんとは言わずもがな、今回会うことになった人のことである。
……しかし……こんなところで人探しなんてするもんじゃないだろ……
僕はそう心でつぶやくが、口には出さない。
しかし、実際、あたり一面を埋め尽くす人、人、人、こんなところで一人の女性を見つけるのなんてほぼ不可能に近いと思いながらも僕は音娘さんから伝えられた条件をもとに探す。
「えっと、黒髪でツインテール気味のおさげで白いワンピースにあまり高くはない身長……」
辺りを見渡して探しているとき、すぐ後ろからこういう声が聞こえた。
「みつけた」
その声に反応し、振り返ってみると、そこには物静かそうな女の子が立っていた。
その子の服装や風貌は、黒髪のツインテール気味のおさげ、白いワンピースに低身長……音娘さんから聞いている情報そのままだ。
「……もしかして、音娘さんですか?」
「……?」
僕がそう言うと少女は子首を傾げる。
ん?違うのか?ってか思ってたイメージと違う……?
そう思い、聞こうとしたとき、少女が口を開いた。
「お母様に言われたから、ここに来た」
「……お母様……?」
「あ、これ、お母さんが渡せって」
少女はポケットから一枚の紙を取り出し僕に渡してくる。
その紙の内容はこうだった。
『02さん!こんにちは!音娘です!
今回はこのような騙すようなことをして申し訳ございません、実は私は母なのです!』
そこまで読んで、目をパチクリとまばたきをする。
ん?
『実は私の子供が人間の年ではもう20近いというのにも関わらず、どこにも嫁ぐ様子もなければ、仕事をする様子もなく、困っていたのです』
……ん?ってか人間の年ではとは……?
『そして、そんな中、手を差し出してくれたのが貴方です』
…………んん?
『ということで02さん、貴方には一週間だけ私の娘、音娘 霞を預かって頂き、少し刺激を与えて頂きたいのです』
…………………は?
『大丈夫、娘はもう推定19ですし、それに本人の了承も受けていますしね
というわけで、お願いしますね、02様』
「……んじゃこりゃ」
とりあえず整理しよう……えっと……出会いを求め僕は[デアエル]を始めた……そんで猫好きの音娘さんと出会い、今日会うことになった……でもいざ来てみれば会う相手は音娘さん本人ではなく、音娘さんの娘さん……と?
そこまで思い至ったときに1つ疑問が脳裏に浮かぶ。
「猫好きの人を募集してたのは……?」
すると少女は無表情のまま背負っていたバッグを下ろすと、後ろを向き、1言「ん」と言う。
すると頭から2つの耳がひょこっと飛び出、ワンピースを持ち上げながら尻尾が上がっていく。
「これ」
周りの視線が一直線に彼女に注がれる、中にはジロジロとワンピースの下に隠れていたパンツを見ている者もいた。
「どういうことだよぉおおおおお!!」
そのままにしてはおけないと瞬間的に思い、理解が追いつかない思考を捨て、彼女と彼女のバッグを抱え、ダッシュでその場を後にした。
ここから一週間、どうなるんだろうか……
そんなことを走りながら考え、家に帰ったのだった。
相も変わらずここは人が多くあまり僕が好きだと言える場所ではないのだが、音娘さんがここでと言ったため、ここにするしかなかったのだ。
あ、音娘さんとは言わずもがな、今回会うことになった人のことである。
……しかし……こんなところで人探しなんてするもんじゃないだろ……
僕はそう心でつぶやくが、口には出さない。
しかし、実際、あたり一面を埋め尽くす人、人、人、こんなところで一人の女性を見つけるのなんてほぼ不可能に近いと思いながらも僕は音娘さんから伝えられた条件をもとに探す。
「えっと、黒髪でツインテール気味のおさげで白いワンピースにあまり高くはない身長……」
辺りを見渡して探しているとき、すぐ後ろからこういう声が聞こえた。
「みつけた」
その声に反応し、振り返ってみると、そこには物静かそうな女の子が立っていた。
その子の服装や風貌は、黒髪のツインテール気味のおさげ、白いワンピースに低身長……音娘さんから聞いている情報そのままだ。
「……もしかして、音娘さんですか?」
「……?」
僕がそう言うと少女は子首を傾げる。
ん?違うのか?ってか思ってたイメージと違う……?
そう思い、聞こうとしたとき、少女が口を開いた。
「お母様に言われたから、ここに来た」
「……お母様……?」
「あ、これ、お母さんが渡せって」
少女はポケットから一枚の紙を取り出し僕に渡してくる。
その紙の内容はこうだった。
『02さん!こんにちは!音娘です!
今回はこのような騙すようなことをして申し訳ございません、実は私は母なのです!』
そこまで読んで、目をパチクリとまばたきをする。
ん?
『実は私の子供が人間の年ではもう20近いというのにも関わらず、どこにも嫁ぐ様子もなければ、仕事をする様子もなく、困っていたのです』
……ん?ってか人間の年ではとは……?
『そして、そんな中、手を差し出してくれたのが貴方です』
…………んん?
『ということで02さん、貴方には一週間だけ私の娘、音娘 霞を預かって頂き、少し刺激を与えて頂きたいのです』
…………………は?
『大丈夫、娘はもう推定19ですし、それに本人の了承も受けていますしね
というわけで、お願いしますね、02様』
「……んじゃこりゃ」
とりあえず整理しよう……えっと……出会いを求め僕は[デアエル]を始めた……そんで猫好きの音娘さんと出会い、今日会うことになった……でもいざ来てみれば会う相手は音娘さん本人ではなく、音娘さんの娘さん……と?
そこまで思い至ったときに1つ疑問が脳裏に浮かぶ。
「猫好きの人を募集してたのは……?」
すると少女は無表情のまま背負っていたバッグを下ろすと、後ろを向き、1言「ん」と言う。
すると頭から2つの耳がひょこっと飛び出、ワンピースを持ち上げながら尻尾が上がっていく。
「これ」
周りの視線が一直線に彼女に注がれる、中にはジロジロとワンピースの下に隠れていたパンツを見ている者もいた。
「どういうことだよぉおおおおお!!」
そのままにしてはおけないと瞬間的に思い、理解が追いつかない思考を捨て、彼女と彼女のバッグを抱え、ダッシュでその場を後にした。
ここから一週間、どうなるんだろうか……
そんなことを走りながら考え、家に帰ったのだった。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる