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4匹目 思ってたんとちゃう

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 初めて会話した日から一週間と数日が経ち、約束の日曜日が来た、待ち合わせは渋谷のハ○公前広場。
 相も変わらずここは人が多くあまり僕が好きだと言える場所ではないのだが、音娘ねこさんがここでと言ったため、ここにするしかなかったのだ。

 あ、音娘さんとは言わずもがな、今回会うことになった人のことである。

 ……しかし……こんなところで人探しなんてするもんじゃないだろ……

 僕はそう心でつぶやくが、口には出さない。
 しかし、実際、あたり一面を埋め尽くす人、人、人、こんなところで一人の女性を見つけるのなんてほぼ不可能に近いと思いながらも僕は音娘さんから伝えられた条件をもとに探す。

「えっと、黒髪でツインテール気味のおさげで白いワンピースにあまり高くはない身長……」

 辺りを見渡して探しているとき、すぐ後ろからこういう声が聞こえた。

「みつけた」

 その声に反応し、振り返ってみると、そこには物静かそうな女の子が立っていた。

 その子の服装や風貌は、黒髪のツインテール気味のおさげ、白いワンピースに低身長……音娘さんから聞いている情報そのままだ。

「……もしかして、音娘さんですか?」
「……?」

 僕がそう言うと少女は子首を傾げる。
 ん?違うのか?ってか思ってたイメージと違う……?
 そう思い、聞こうとしたとき、少女が口を開いた。

「お母様に言われたから、ここに来た」
「……お母様……?」
「あ、これ、お母さんが渡せって」

 少女はポケットから一枚の紙を取り出し僕に渡してくる。
 その紙の内容はこうだった。

『02さん!こんにちは!音娘です!
 今回はこのような騙すようなことをして申し訳ございません、実は私は母なのです!』

 そこまで読んで、目をパチクリとまばたきをする。
 ん?

『実は私の子供が人間の年ではもう20近いというのにも関わらず、どこにも嫁ぐ様子もなければ、仕事をする様子もなく、困っていたのです』

 ……ん?ってか人間の年ではとは……?

『そして、そんな中、手を差し出してくれたのが貴方です』

 …………んん?

『ということで02さん、貴方には一週間だけ私の娘、音娘 霞ねこかすみを預かって頂き、少し刺激を与えて頂きたいのです』

 …………………は?

『大丈夫、娘はもう推定19ですし、それに本人の了承も受けていますしね
 というわけで、お願いしますね、02様』

「……んじゃこりゃ」

 とりあえず整理しよう……えっと……出会いを求め僕は[デアエル]を始めた……そんで猫好きの音娘さんと出会い、今日会うことになった……でもいざ来てみれば会う相手は音娘さん本人ではなく、音娘さんの娘さん……と?

 そこまで思い至ったときに1つ疑問が脳裏に浮かぶ。

「猫好きの人を募集してたのは……?」

 すると少女は無表情のまま背負っていたバッグを下ろすと、後ろを向き、1言「ん」と言う。
 すると頭から2つの耳がひょこっと飛び出、ワンピースを持ち上げながら尻尾が上がっていく。
 
「これ」

 周りの視線が一直線に彼女に注がれる、中にはジロジロとワンピースの下に隠れていたパンツ女の子として見られてはいけないものを見ている者もいた。

「どういうことだよぉおおおおお!!」

 そのままにしてはおけないと瞬間的に思い、理解が追いつかない思考を捨て、彼女と彼女のバッグを抱え、ダッシュでその場を後にした。

 ここから一週間、どうなるんだろうか……

 そんなことを走りながら考え、家に帰ったのだった。
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