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第12話 これからの展開
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ガナス村に新しく商人のライナンさんが住むことになった。
商人としてどう生きていくのかと哲学的な悩みを抱えているが、村人たちは快く彼を迎え入れた。
ライナンさんは恩返しの意味も込めてガナス村に店を構え、しばらくここで商売をしながら自身の今後を見つめ直すという。意識高い系ってヤツなのか……まあ、原作の【ブレイブ・クエスト】では王家御用達レベルの凄腕商人となっているから、それも納得だ。
一方、俺は変わらずロミーナと楽しい日々を送っていた。
父上の話では二年後――つまり十二歳になると俺たちふたりは王立学園へ入学するらしいので、今からその準備をしておくよう告げられる。
とはいえ、学園入学の準備って何をすればいいんだ?
それについて、今日はロミーナとともに学園OBであるパウリーネさんから話を聞くことにした。
「王立学園では自分の得意とする分野を伸ばします。たとえば、魔法が得意ならば魔法科に入って卒業後に魔法兵団か、あるいは魔法の研究職につく。剣術ならば騎士団か、あるいは私のように雇われて近衛騎士になるといった進路もあります」
「なるほど……それ以外にどんな科があるんですか?」
俺の生活魔法は騎士団にも魔法兵団にも向いてなさそうだからな。
「いろいろありますが、アズベル様の場合は領地運営に役立てる知識を学ぶことになるかと」
次期当主となってこのパルザン地方を治めることになるのだからそう考えるのが普通の流れだよな。
俺としてはもっとも得意とする生産魔法をさらに高めたいという願望があった。もしその学園に専門家がいるのなら、ぜひともその人に弟子入りを――と、思ったが、さすがにそれは難しそうかな。
まあ、領地運営だって一朝一夕でできるものじゃないし、専門的な知識を蓄えて挑むというのも悪くない。
そういえば……ロミーナも学園に行くんだよな。
確か原作ではハッキリと明記されていた。
というのも、学園で一緒に勉強していた級友が主人公パーティーの一員(というか、ハーレム要員)だったのでそこで知り合うはず。
一方、俺はというと――一切描写がない。
そりゃやられ役の婚約者って立場なんだから仕方がないんだけどさ。もうちょっとこう何かあってもいいんじゃないかな。
「楽しみだね、アズベル」
なんだか学園に通うのが嫌になりかけていたが、ロミーナの笑みを目の当たりにしたらそんな気持ちが吹っ飛んだ。
こんなに可愛い婚約者と一緒に学園生活ができる……前世では灰色だった青春が、こちらでは眩く輝きだしそうな予感がしてきたよ。
とはいえ、実際に学園へ入るのは二年後。
まだまだ時間はあるし、それに……もしかしたら、学園生活で起きたなんらかの出来事によって、ロミーナの性格が激変してボスキャラになってしまったのかもしれない。
この世界の真実にたどり着くためにも、学園に通うのが待ち遠しいよ。
……もちろん、ロミーナためであって俺の青春のためじゃない。うん。
商人としてどう生きていくのかと哲学的な悩みを抱えているが、村人たちは快く彼を迎え入れた。
ライナンさんは恩返しの意味も込めてガナス村に店を構え、しばらくここで商売をしながら自身の今後を見つめ直すという。意識高い系ってヤツなのか……まあ、原作の【ブレイブ・クエスト】では王家御用達レベルの凄腕商人となっているから、それも納得だ。
一方、俺は変わらずロミーナと楽しい日々を送っていた。
父上の話では二年後――つまり十二歳になると俺たちふたりは王立学園へ入学するらしいので、今からその準備をしておくよう告げられる。
とはいえ、学園入学の準備って何をすればいいんだ?
それについて、今日はロミーナとともに学園OBであるパウリーネさんから話を聞くことにした。
「王立学園では自分の得意とする分野を伸ばします。たとえば、魔法が得意ならば魔法科に入って卒業後に魔法兵団か、あるいは魔法の研究職につく。剣術ならば騎士団か、あるいは私のように雇われて近衛騎士になるといった進路もあります」
「なるほど……それ以外にどんな科があるんですか?」
俺の生活魔法は騎士団にも魔法兵団にも向いてなさそうだからな。
「いろいろありますが、アズベル様の場合は領地運営に役立てる知識を学ぶことになるかと」
次期当主となってこのパルザン地方を治めることになるのだからそう考えるのが普通の流れだよな。
俺としてはもっとも得意とする生産魔法をさらに高めたいという願望があった。もしその学園に専門家がいるのなら、ぜひともその人に弟子入りを――と、思ったが、さすがにそれは難しそうかな。
まあ、領地運営だって一朝一夕でできるものじゃないし、専門的な知識を蓄えて挑むというのも悪くない。
そういえば……ロミーナも学園に行くんだよな。
確か原作ではハッキリと明記されていた。
というのも、学園で一緒に勉強していた級友が主人公パーティーの一員(というか、ハーレム要員)だったのでそこで知り合うはず。
一方、俺はというと――一切描写がない。
そりゃやられ役の婚約者って立場なんだから仕方がないんだけどさ。もうちょっとこう何かあってもいいんじゃないかな。
「楽しみだね、アズベル」
なんだか学園に通うのが嫌になりかけていたが、ロミーナの笑みを目の当たりにしたらそんな気持ちが吹っ飛んだ。
こんなに可愛い婚約者と一緒に学園生活ができる……前世では灰色だった青春が、こちらでは眩く輝きだしそうな予感がしてきたよ。
とはいえ、実際に学園へ入るのは二年後。
まだまだ時間はあるし、それに……もしかしたら、学園生活で起きたなんらかの出来事によって、ロミーナの性格が激変してボスキャラになってしまったのかもしれない。
この世界の真実にたどり着くためにも、学園に通うのが待ち遠しいよ。
……もちろん、ロミーナためであって俺の青春のためじゃない。うん。
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