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第139話 事後処理

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 捕らえたふたりのテイマーは結局ずっとだんまりを決め込んでいた。
 確証を得られないまま時間が過ぎていき、やがて騎士団がレドルの町に到着。彼らを呼びに行かせた使者には黒幕の存在はいまだ不明とだけ伝えておいたのだが、それを聞いていたあるふたりの人物が助っ人に来てくれた。

 ひとりは今回の件の依頼者であるミネットだ。

「さすがですわね、バーツ先生。見事この町を平和に導いてくださいました。いずれ必ずそうなるだろうと予想はしていましたが、驚くべき速さですわ」

 商会が所有する馬車から下りてくるとすぐに俺を発見し、手をがっしりと握りながらそう告げる。そんな彼女の様子をフィオナは少し呆れた感じで眺めていた。
 しばらくしてようやくミネットがフィオナの存在に気づく。

「フィオナさん? どうしてあなたがここに?」
「リーダーから頼まれたんだよ。師匠を手助けしてやれって。まっ、言われなくても事情さえ知っていたらすぐに駆けつけたんだけどね」
「そういうことでしたのね」

 む?
 ミネットにしては大人しい反応だな。
 仮にフィオナがノエリーだったとしたら、からかいの言葉のひとつやふたつかけそうなものだが……彼女の物差しだと、フィオナはからかい甲斐がないと判断されているようだ。

「それにしても、この町を裏で牛耳っていた黒幕の存在は気になりますわ」
「あぁ……そいつを捕らえて根本を断たなければ、いずれこの町は以前のように荒れ果ててしまうかもしれないな」

 同じ過ちを繰り返すということは、俺たちに助けを求めてきた少女のような存在を増やすことになってしまう。
 子どもたちは騎士団に保護されながらもすっかり大人という存在に恐怖心を抱き、怯えた目をして震えている。

「一歩間違っていたら……わたくしたちもあのようになっていたかもしれませんわね」
「師匠が助けてくれたからこそ、俺たちはこうして元気にやれているんですよ」
「あの時は無我夢中だったからなぁ」
「いえ、バーツ先生の功績は偉大だと僕は思いますよ」
「ありがとな、ティオグ――ティオグ!?」

 シレッと話に加わっていたティオグの存在に飛び退きながら驚く。

「そこまで驚かなくても……」
「い、いや、すまない。騎士団つながりでノエリーやメイが来るかもとは思っていたが、まさかティオグが来るなんて予想外だったよ」

 本来、彼がこういった現場に足を運ぶケースはない。
 なら……一体何をしにきたのか?

 そこには、彼のパートナー魔獣――死千蝶《ゴースト・バタフライ》が大きく関与していたのだった。
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