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第106話 違法占拠
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商業都市グラッセラの治安は最悪の状態だった。
あちこちで犯罪行為が起こるものの、取り締まる自警団が不在のためやりたい放題がまかり通るという状況……おまけに、まるで事前にこうなることを予測していたかのように悪党ばかりが集まってくる。
応援が来るまでの間、俺は片っ端から犯罪を働く者を捕まえていく。
今回は数が多いのであまり手加減ができず、失神するくらいまでダメージを負ってもらい、あとは町の人たちにも協力を仰いでロープで縛りあげていった。
ヤツらが目を覚ます頃は牢屋の中だな。
そんなことを繰り返しているうちに、諸悪の根源ともいえる存在が冒険者ギルドにいるという情報をキャッチし、そこへ向かう。
この町が栄えた背景には、この冒険者ギルドの存在が大きい。
世話になっているドレスロー商会も、冒険者をお得意様にしていたしな。
なので、そういった意味では商人たちにとってこのギルドは生命線になる。
――だが、そこはひどい有様であった。
これまでに見たことがない、ガラの悪そうな冒険者たちがズラリ。
エイゲンバーグ商会の件があってから、何度か訪れたけど……誰ひとりとして見かけたことがない面だ。
流れ者か?
それにしては規模がデカいな。
ギルド内の視線を集めつつ、俺は受付に事情を聞こうとうする――と、それを阻むようにひとりの冒険者が立ちふさがった。
「兄ちゃん、見かけねぇ面だな。よそから来たのか?」
「それはこちらのセリフだ。おまえたちの方こそ、この辺りでは見ない顔だな」
「ここは新しく俺たち専用のギルドになったんだよ。クエストを消化したきゃよそへいきな」
めちゃくちゃ言うなぁ。
周りの仲間たちもニタニタと薄気味悪い笑みを浮かべているし……グラッセラがどういう場所なのか知っているのか?
「俺は王国騎士団に所属する騎士だ。ここをおまえたちの専用ギルドにするなどという話は聞いていないが?」
「き、騎士!?」
途端に、ギルド内の様子が一変する。
なんだ?
まさか騎士が駆けつけないとでも思っていたのか?
さっきからのこいつらの言動には違和感しか覚えない。
これだけ大規模なパーティーを展開してギルドを独占しておきながら、国が黙認し続けるとでも本気で思っていたのか?
もはや思考がおめでたいってレベルじゃないぞ?
「へへへ、なかなか勇敢な騎士さんのようだな。たったひとりで乗り込んでくるとは」
男たちは一斉に武器を取りだす。
……うん。
それでいい。
これで心おきなくぶっ飛ばせるし、事情を聞きだすのも手っ取り早くなる。
ヤツらの礼儀に従い、俺も剣を抜いて構えるのだった。
あちこちで犯罪行為が起こるものの、取り締まる自警団が不在のためやりたい放題がまかり通るという状況……おまけに、まるで事前にこうなることを予測していたかのように悪党ばかりが集まってくる。
応援が来るまでの間、俺は片っ端から犯罪を働く者を捕まえていく。
今回は数が多いのであまり手加減ができず、失神するくらいまでダメージを負ってもらい、あとは町の人たちにも協力を仰いでロープで縛りあげていった。
ヤツらが目を覚ます頃は牢屋の中だな。
そんなことを繰り返しているうちに、諸悪の根源ともいえる存在が冒険者ギルドにいるという情報をキャッチし、そこへ向かう。
この町が栄えた背景には、この冒険者ギルドの存在が大きい。
世話になっているドレスロー商会も、冒険者をお得意様にしていたしな。
なので、そういった意味では商人たちにとってこのギルドは生命線になる。
――だが、そこはひどい有様であった。
これまでに見たことがない、ガラの悪そうな冒険者たちがズラリ。
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流れ者か?
それにしては規模がデカいな。
ギルド内の視線を集めつつ、俺は受付に事情を聞こうとうする――と、それを阻むようにひとりの冒険者が立ちふさがった。
「兄ちゃん、見かけねぇ面だな。よそから来たのか?」
「それはこちらのセリフだ。おまえたちの方こそ、この辺りでは見ない顔だな」
「ここは新しく俺たち専用のギルドになったんだよ。クエストを消化したきゃよそへいきな」
めちゃくちゃ言うなぁ。
周りの仲間たちもニタニタと薄気味悪い笑みを浮かべているし……グラッセラがどういう場所なのか知っているのか?
「俺は王国騎士団に所属する騎士だ。ここをおまえたちの専用ギルドにするなどという話は聞いていないが?」
「き、騎士!?」
途端に、ギルド内の様子が一変する。
なんだ?
まさか騎士が駆けつけないとでも思っていたのか?
さっきからのこいつらの言動には違和感しか覚えない。
これだけ大規模なパーティーを展開してギルドを独占しておきながら、国が黙認し続けるとでも本気で思っていたのか?
もはや思考がおめでたいってレベルじゃないぞ?
「へへへ、なかなか勇敢な騎士さんのようだな。たったひとりで乗り込んでくるとは」
男たちは一斉に武器を取りだす。
……うん。
それでいい。
これで心おきなくぶっ飛ばせるし、事情を聞きだすのも手っ取り早くなる。
ヤツらの礼儀に従い、俺も剣を抜いて構えるのだった。
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