1 / 115
第1話 聖騎士、左遷される
しおりを挟む
ランドバル王国騎士団。
由緒ある名門騎士団として大陸中にその名を馳せる。
その中でも特に腕の良い騎士には王家が認定する鍛冶職人から特別製の剣――通称・聖剣が与えられ、将来の幹部入りが約束された、まさにエリート中のエリートだ。
俺は騎士団に入る前から聖剣使いの騎士に憧れていた。
両親は俺が幼い頃にどちらも病で亡くなり、王都内の剣術道場を切り盛りする師範がそれを不憫に思って俺を引き取ってくれた。
その恩に報いるため、住み込みで修行に明け暮れる日々。
這い上がるために誰もがうらやむエリートとなる道を突き進んでいこうと決めていたのだ。
そして――王国騎士団入りから十年後。
念願だった聖剣使いとなり、エリートの仲間入りを果たしたのだ。
これからは華やかな生活が待っている。
もうあんな貧しい思いはしなくていい。
――そう確信していたというのに……
「ジャスティン・フォイル……君には今日限りで王都勤務から外れてもらう」
「っ! そ、そんな!」
騎士団長から告げられた言葉……俺は到底受け入れらなかった。
「新しい勤務地は南方にあるアボット地方のカーティス村だ。領主であるトライオン家にはこちらから書面で報告をしておくが、着任の挨拶くらいはキチンとしてこい」
「ま、待ってください!」
「変更は一切認められない。自分の犯した罪を反省し、任務をまっとうしろ」
騎士団長はそれだけ言い残して部屋を出ていく。
犯した罪、か。
俺の罪とは……騎士団の運営費の横領であった。
だが、まったくもって心当たりがない。証拠となる書類がいくつか押収されたというが、どれも見たことすらない物ばかりだった。おまけに犯行の一部始終を目撃したという証人まで現れ、ダメ押しとなる。
俺は必死に無罪を訴えたが、物的証拠と目撃者の証言が決定打となり、一時は解雇が決定された。しかし、これまでの働きを評価してくれる声もあり、なんとかクビという最悪の事態だけは免れる。
……とはいえ、聞いたこともない辺境領地の小さな農村へ常駐し、治安維持に務めろというこれはほとんど解雇通告に等しかった。
「はあ……」
無意識にため息が漏れる。
だが、ここで突っ立っていたところで何も解決しない。
「とりあえず……荷造りか」
結局、俺は罪を認めないまま左遷となった。
当然納得などしてはいないが、取り調べの様子から向こうは俺が犯人だと決めつけている節があり、よほどしっかりとした証拠がない限り身の潔白は難しかったんだよな。
悔しさと情けなさが入り交じる複雑な心境を抱いて廊下を歩く中、俺のもとへ近づく影が。
「辛気臭いツラをしてどうしたんだ、ジャスティン」
「ハンク……」
声をかけてきたのは同期のハンクだった。
俺と同じく実力を認められた聖剣使いであり、道場では切磋琢磨して成長したライバルと言える存在だ。
とはいえ、家柄は俺とまったく正反対。
ハンクの実家は代々騎士の家系で、騎士団でも幹部を務めてきた名家。
……人のことを言えた立場じゃないけど、最近のハンクは出世欲にかられすぎている感があった。
聖剣を手に入れてからも、功を焦るばかり凡ミスを繰り返して騎士団内の評価は下降していると話に聞いている。
そんなハンクが、ニヤニヤしながらこちらへと歩み寄ってきた。
「無理もねぇか。おまえほどの実力者が小銭を横領したくらいで地方へ左遷だからな。せっかく乗っていたエリート街道からも脱落とは……同期として悲しいね」
まったく心がこもっていない言葉の数々。
むしろ、俺の左遷を喜んでいるようにさえ聞こえる。
「そういえば、おまえの部下のエリナだがな……うちの分団で引き取ることになったよ」
「エリナを?」
エリナ・ベローズ。
騎士団に関係する者で、ベローズの名を知らない者はいないだろう。
長きにわたり騎士団の繁栄を支えてきた名家のひとつで、エリナの父親は現副騎士団長を務めている。彼女も父親に負けない剣の才能を有しており、聖剣を授かるために日夜ともに鍛錬を続けていた。
若く美しく、それでいて真っ向から剣術と向き合えるストイックさ。
騎士団内での評価は非常に高く、将来の幹部候補たちは彼女の容姿だけでなく家柄も含めてぜひ婚約したいという者で溢れている。
俺の場合は……出世はしたいが、年齢が離れすぎていることもあって、そういう対象では見ていなかったかな。
だが、同期のハンクは以前からエリナを狙っており、よく食事に誘っていたな。
今回の件で俺がまとめていた分団は解散となり、部下たちはそれぞれ別の分団へと入るのだろうが……エリナはハンクのところに決まったのか。
「あの子は良い子だ。必ず大成する。面倒を見てやってくれ」
「言われなくても隅々まで見てやるつもりさ」
下卑た笑みを浮かべながら語るハンク。
……こいつ、もしかして下心のみでエリナを引き取ったのか?
憤りを覚えたが、今の俺の立場ではどうすることもできない。
これ以上話すこともないので、立ち去ろうとした時だった。
「レイエスに見られたのはまずかったよなぁ」
「っ!」
その言葉に、引っかかりを覚えた。
レイエスというのは俺が横領する現場を目撃したという新入りの騎士。彼はその場で俺に黙っているよう脅されたと騎士団長へ涙ながらに訴えていた。
――だが、証言をした騎士の名前はまだ公になっていないはず。
それなのに、なぜハンクはレイエスの存在を……
「まさか……貴様!」
たまらず、俺はハンクの胸ぐらを掴む。
こいつが……すべてこいつが仕掛けたことだったのか!
「おいおい、手を放してくれよ」
「何ぃ!」
「ようやく気がついたかよ、ボンクラ。相変わらず人がよすぎるぜ、おまえは」
挑発と分かっていても頭に血が上り、俺は拳を振り上げた。
次の瞬間、ハンクの表情が生き生きと輝きだす。
「殴るか? いいぜ? ほら、俺を殴ってみろよ? そうすれば今度こそ間違いなくおまえは騎士団をクビになる。安いモンだ。殴られるだけで厄介なライバルが自滅してくれるわけだからな」
「っ!」
そこで俺はハッと我に返り、拳をおろす。
「なんだ、意気地がねぇな。すべてを奪った相手を前にして抵抗すらしないか? まあ、しょうがねぇよなぁ……おまえには剣しかないんだから。騎士団以外で生きていく道なんて見つかりっこねぇもんなぁ」
悔しいが、その通りだ。
剣術を生かせるとしたら冒険者なのだろうが、この年で一からスタートするのは厳しい。どこかのパーティーに所属すればまだ道が開けるかもしれないが、業界知識ゼロの半端者を引き取ってくれるところがあるかどうか。
それに、あの手の世界は噂の広まりも早い。騎士団で厄介事を起こして半ば追放されたような立場である俺は間違いなく腫れもの扱いだろう。
金になる聖剣を奪われ、生涯雑用として生きていく道しかないのかもしれない。
それを考慮したら、地方勤務とはいえ騎士としての肩書が残る今の方がよっぽどマシだ。
俺は掴んでいたハンクの胸ぐらを放すと、それから何も言わずに踵を返して歩きだす。
「あばよ、戦友。次の職場ではヘマしないようにな」
ハンクはそう言って高笑いをすると、俺とは反対方向へと進んでいった。
……まだ終わりじゃない。
こんなところであきらめてたまるか。
騎士団の寮にある自室へと戻った俺はすぐに荷造りを始めると、その日のうちに新たな職場であるアボット地方のカーティス村を目指して馬を走らせた。
できれば、一番世話になった副騎士団長や同じ分団の部下たちにひと言別れを告げておきたかったが……無実とはいえ、俺のせいで彼らにも随分と迷惑をかけたからな。今さら合わせる顔がない。
「こんな形で王都を離れることになるなんてなぁ……」
不本意ではあるが、今の段階では覆せる状況にない。
しばらくすると、俺は馬を止めて振り返る。
それほど走っていないという感覚だったけど、すでに王都からはかなり離れていた。
「いずれまた戻ってくるぞ……」
このまま地方勤務で終わってなるものか。
必ず戻ってくると誓い、俺は再び馬を南へと走らせたのだった。
※このあと18時と19時にも2話ずつ更新予定!
由緒ある名門騎士団として大陸中にその名を馳せる。
その中でも特に腕の良い騎士には王家が認定する鍛冶職人から特別製の剣――通称・聖剣が与えられ、将来の幹部入りが約束された、まさにエリート中のエリートだ。
俺は騎士団に入る前から聖剣使いの騎士に憧れていた。
両親は俺が幼い頃にどちらも病で亡くなり、王都内の剣術道場を切り盛りする師範がそれを不憫に思って俺を引き取ってくれた。
その恩に報いるため、住み込みで修行に明け暮れる日々。
這い上がるために誰もがうらやむエリートとなる道を突き進んでいこうと決めていたのだ。
そして――王国騎士団入りから十年後。
念願だった聖剣使いとなり、エリートの仲間入りを果たしたのだ。
これからは華やかな生活が待っている。
もうあんな貧しい思いはしなくていい。
――そう確信していたというのに……
「ジャスティン・フォイル……君には今日限りで王都勤務から外れてもらう」
「っ! そ、そんな!」
騎士団長から告げられた言葉……俺は到底受け入れらなかった。
「新しい勤務地は南方にあるアボット地方のカーティス村だ。領主であるトライオン家にはこちらから書面で報告をしておくが、着任の挨拶くらいはキチンとしてこい」
「ま、待ってください!」
「変更は一切認められない。自分の犯した罪を反省し、任務をまっとうしろ」
騎士団長はそれだけ言い残して部屋を出ていく。
犯した罪、か。
俺の罪とは……騎士団の運営費の横領であった。
だが、まったくもって心当たりがない。証拠となる書類がいくつか押収されたというが、どれも見たことすらない物ばかりだった。おまけに犯行の一部始終を目撃したという証人まで現れ、ダメ押しとなる。
俺は必死に無罪を訴えたが、物的証拠と目撃者の証言が決定打となり、一時は解雇が決定された。しかし、これまでの働きを評価してくれる声もあり、なんとかクビという最悪の事態だけは免れる。
……とはいえ、聞いたこともない辺境領地の小さな農村へ常駐し、治安維持に務めろというこれはほとんど解雇通告に等しかった。
「はあ……」
無意識にため息が漏れる。
だが、ここで突っ立っていたところで何も解決しない。
「とりあえず……荷造りか」
結局、俺は罪を認めないまま左遷となった。
当然納得などしてはいないが、取り調べの様子から向こうは俺が犯人だと決めつけている節があり、よほどしっかりとした証拠がない限り身の潔白は難しかったんだよな。
悔しさと情けなさが入り交じる複雑な心境を抱いて廊下を歩く中、俺のもとへ近づく影が。
「辛気臭いツラをしてどうしたんだ、ジャスティン」
「ハンク……」
声をかけてきたのは同期のハンクだった。
俺と同じく実力を認められた聖剣使いであり、道場では切磋琢磨して成長したライバルと言える存在だ。
とはいえ、家柄は俺とまったく正反対。
ハンクの実家は代々騎士の家系で、騎士団でも幹部を務めてきた名家。
……人のことを言えた立場じゃないけど、最近のハンクは出世欲にかられすぎている感があった。
聖剣を手に入れてからも、功を焦るばかり凡ミスを繰り返して騎士団内の評価は下降していると話に聞いている。
そんなハンクが、ニヤニヤしながらこちらへと歩み寄ってきた。
「無理もねぇか。おまえほどの実力者が小銭を横領したくらいで地方へ左遷だからな。せっかく乗っていたエリート街道からも脱落とは……同期として悲しいね」
まったく心がこもっていない言葉の数々。
むしろ、俺の左遷を喜んでいるようにさえ聞こえる。
「そういえば、おまえの部下のエリナだがな……うちの分団で引き取ることになったよ」
「エリナを?」
エリナ・ベローズ。
騎士団に関係する者で、ベローズの名を知らない者はいないだろう。
長きにわたり騎士団の繁栄を支えてきた名家のひとつで、エリナの父親は現副騎士団長を務めている。彼女も父親に負けない剣の才能を有しており、聖剣を授かるために日夜ともに鍛錬を続けていた。
若く美しく、それでいて真っ向から剣術と向き合えるストイックさ。
騎士団内での評価は非常に高く、将来の幹部候補たちは彼女の容姿だけでなく家柄も含めてぜひ婚約したいという者で溢れている。
俺の場合は……出世はしたいが、年齢が離れすぎていることもあって、そういう対象では見ていなかったかな。
だが、同期のハンクは以前からエリナを狙っており、よく食事に誘っていたな。
今回の件で俺がまとめていた分団は解散となり、部下たちはそれぞれ別の分団へと入るのだろうが……エリナはハンクのところに決まったのか。
「あの子は良い子だ。必ず大成する。面倒を見てやってくれ」
「言われなくても隅々まで見てやるつもりさ」
下卑た笑みを浮かべながら語るハンク。
……こいつ、もしかして下心のみでエリナを引き取ったのか?
憤りを覚えたが、今の俺の立場ではどうすることもできない。
これ以上話すこともないので、立ち去ろうとした時だった。
「レイエスに見られたのはまずかったよなぁ」
「っ!」
その言葉に、引っかかりを覚えた。
レイエスというのは俺が横領する現場を目撃したという新入りの騎士。彼はその場で俺に黙っているよう脅されたと騎士団長へ涙ながらに訴えていた。
――だが、証言をした騎士の名前はまだ公になっていないはず。
それなのに、なぜハンクはレイエスの存在を……
「まさか……貴様!」
たまらず、俺はハンクの胸ぐらを掴む。
こいつが……すべてこいつが仕掛けたことだったのか!
「おいおい、手を放してくれよ」
「何ぃ!」
「ようやく気がついたかよ、ボンクラ。相変わらず人がよすぎるぜ、おまえは」
挑発と分かっていても頭に血が上り、俺は拳を振り上げた。
次の瞬間、ハンクの表情が生き生きと輝きだす。
「殴るか? いいぜ? ほら、俺を殴ってみろよ? そうすれば今度こそ間違いなくおまえは騎士団をクビになる。安いモンだ。殴られるだけで厄介なライバルが自滅してくれるわけだからな」
「っ!」
そこで俺はハッと我に返り、拳をおろす。
「なんだ、意気地がねぇな。すべてを奪った相手を前にして抵抗すらしないか? まあ、しょうがねぇよなぁ……おまえには剣しかないんだから。騎士団以外で生きていく道なんて見つかりっこねぇもんなぁ」
悔しいが、その通りだ。
剣術を生かせるとしたら冒険者なのだろうが、この年で一からスタートするのは厳しい。どこかのパーティーに所属すればまだ道が開けるかもしれないが、業界知識ゼロの半端者を引き取ってくれるところがあるかどうか。
それに、あの手の世界は噂の広まりも早い。騎士団で厄介事を起こして半ば追放されたような立場である俺は間違いなく腫れもの扱いだろう。
金になる聖剣を奪われ、生涯雑用として生きていく道しかないのかもしれない。
それを考慮したら、地方勤務とはいえ騎士としての肩書が残る今の方がよっぽどマシだ。
俺は掴んでいたハンクの胸ぐらを放すと、それから何も言わずに踵を返して歩きだす。
「あばよ、戦友。次の職場ではヘマしないようにな」
ハンクはそう言って高笑いをすると、俺とは反対方向へと進んでいった。
……まだ終わりじゃない。
こんなところであきらめてたまるか。
騎士団の寮にある自室へと戻った俺はすぐに荷造りを始めると、その日のうちに新たな職場であるアボット地方のカーティス村を目指して馬を走らせた。
できれば、一番世話になった副騎士団長や同じ分団の部下たちにひと言別れを告げておきたかったが……無実とはいえ、俺のせいで彼らにも随分と迷惑をかけたからな。今さら合わせる顔がない。
「こんな形で王都を離れることになるなんてなぁ……」
不本意ではあるが、今の段階では覆せる状況にない。
しばらくすると、俺は馬を止めて振り返る。
それほど走っていないという感覚だったけど、すでに王都からはかなり離れていた。
「いずれまた戻ってくるぞ……」
このまま地方勤務で終わってなるものか。
必ず戻ってくると誓い、俺は再び馬を南へと走らせたのだった。
※このあと18時と19時にも2話ずつ更新予定!
86
お気に入りに追加
1,762
あなたにおすすめの小説
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
魔剣学園寮の管理人は【育成スキル】持ち ~仲間たちからの裏切りにあって追いだされた俺は、再就職先で未来の英雄たちからめちゃくちゃ慕われる~
鈴木竜一
ファンタジー
大陸では知る者の少ない超一流冒険者パーティー【星鯨】――元は秀でた才能のない凡人たちの集いであったはずのパーティーがのし上がった背後には、育成スキルを使って仲間たちを強化し続けてきたルーシャスの存在があった。しかし、パーティーのリーダーであるブリングは新入りたちから慕われているルーシャスにいずれリーダーの座を奪われるのではないかと疑心暗鬼となり、彼を追放する。
フリーとなった後、戦闘力がないことが災いしてなかなか所属するパーティーが決まらなかったルーシャスであったが、ある出来事をきっかけに元仲間であり、現在は王立魔剣学園で剣術を教えているサラと再会を果たす。彼女から魔剣学園の学生寮管理人にならないかと誘われると、偶然助けた公爵家令嬢・ミアンからの推薦もあって就任が決定。もっふもふの猫型使い魔であるユーニオを新たな相棒とし、のんびりのどかな学園で第二の人生をスタートさせたのだった。
一方、ルーシャスを追いだしたブリング率いる【星鯨】には不穏な空気が漂いつつあった。
『殺す』スキルを授かったけど使えなかったので追放されました。お願いなので静かに暮らさせてください。
晴行
ファンタジー
ぼっち高校生、冷泉刹華(れいぜい=せつか)は突然クラスごと異世界への召喚に巻き込まれる。スキル付与の儀式で物騒な名前のスキルを授かるも、試したところ大した能力ではないと判明。いじめをするようなクラスメイトに「ビビらせんな」と邪険にされ、そして聖女に「スキル使えないならいらないからどっか行け」と拷問されわずかな金やアイテムすら与えられずに放り出され、着の身着のままで異世界をさまよう羽目になる。しかし路頭に迷う彼はまだ気がついていなかった。自らのスキルのあまりのチートさゆえ、世界のすべてを『殺す』権利を手に入れてしまったことを。不思議なことに自然と集まってくる可愛い女の子たちを襲う、残酷な運命を『殺し』、理不尽に偉ぶった奴らや強大な敵、クラスメイト達を蚊を払うようにあしらう。おかしいな、俺は独りで静かに暮らしたいだけなんだがと思いながら――。
戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。
隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。
婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。
しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
パーティーから追放され婚約者を寝取られ家から勘当、の三拍子揃った元貴族は、いずれ竜をも倒す大英雄へ ~もはやマイナスからの成り上がり英雄譚~
一条おかゆ
ファンタジー
貴族の青年、イオは冒険者パーティーの中衛。
彼はレベルの低さゆえにパーティーを追放され、さらに婚約者を寝取られ、家からも追放されてしまう。
全てを失って悲しみに打ちひしがれるイオだったが、騎士学校時代の同級生、ベガに拾われる。
「──イオを勧誘しにきたんだ」
ベガと二人で新たなパーティーを組んだイオ。
ダンジョンへと向かい、そこで自身の本当の才能──『対人能力』に気が付いた。
そして心機一転。
「前よりも強いパーティーを作って、前よりも良い婚約者を貰って、前よりも格の高い家の者となる」
今までの全てを見返すことを目標に、彼は成り上がることを決意する。
これは、そんな英雄譚。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる