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第7話 解決策
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「本当に泉を復活させることができるのか……?」
「任せてくれよ」
不安げなアルベロスを尻目に、俺は準備を進めていく――と言っても、リュックから中身を取りだせば、あとはそれを泉に放り投げるだけでいい。これあ、【ホーリー・ナイト・フロンティア】で公式の攻略法になっている。
その放り投げる物とは――
「? 石、ですか?」
取りだしたリュックの中身を見たリリアンが不思議そうに尋ねる。確かに、一見するとただの石だが……これこそが泉を復活させる切り札なのだ。
「そんな物で本当に泉がよみがえるのか?」
「試してみようか?」
俺はそう言って、石のひとつを泉に投げ込む。
ボチャンという音とわずかな水しぶきを立てたあとは特にこれといった変化も起きず、石は泉の底へと沈んでいった。
「やはり何も起きないではないか」
「ここからさ。――ほら、変化が見えてきた」
「むっ!?」
俺の睨んだ通り、泉にある変化が起き始める。
ちょうど石を投げ込んだ辺りの水面が光り輝き始めたのだ。
「ど、どうなっているんだ!?」
「あの光は……」
動揺するアルベロスと冷静なリリアン。
まったく違うお互いの反応は、あの石の正体に気づけたかそうでないかでハッキリと分かれていた。
「リリアンは気づいたみたいだね。あの石がなんなのか」
「おおよその見当はつきましたが……しかし、それが泉の復活とどう結びつくのかまでは分かりません」
「それもこれから分かるはずさ」
しばらくそのままにしておくと――やがて水面の光はその強さを増す。そして、ある変化にアルベロスが気づいた。
「っ!? こ、これは……泉の魔力が回復している!?」
「魔力? 泉に魔力が?」
どうやら、魔法が使えないリリアンは知らなかったようだ。
「ここの泉は魔力を含んだ聖水で満たされているからね。その魔力がなくなってしまえば、泉自体も消滅してしまう」
「な、なるほど……っ! だからあの石を使ったんですね!」
「その通り」
「お、おい! もったいぶらずに教えてくれ! 貴様が先ほど投げ込んだあの石は一体なんなのだ!? ただの石ではないのだろう!?」
「もちろん。あれは――魔鉱石さ」
「ま、魔鉱石?」
初めて聞く名に、アルベロスはポカンとしていた。
「魔力が含まれている魔鉱石には、さまざまな効果があるんだ。たとえば、この聖水の泉の場合、聖水に含まれている魔力が徐々に外へ漏れだしていき、ゆっくりと魔力が尽きてしまうという問題点がある。それをこの魔鉱石が解決してくれるんだ」
「ど、どうして……」
「魔鉱石の内部に魔力をとどまらせておくことで、問題は解決するってこと。さすがに一個だけでは効果が薄いけど――これだけあれば、問題ないはずだ」
泉の大きさから、大体これくらいは必要だろうと持ってきた魔鉱石の数――およそ十個。もともと、城にあった俺の部屋の照明用にしていた物だ。
それをトドメとばかりにすべて泉に投げ込む。
すると、光は泉全体へと広がり、不安定だった魔力は落ち着きを取り戻した。
「な、何がどうなっているんだ……」
「もともと、魔力を安定させる効果を持つ魔鉱石があったはずだけど、恐らくすでに効力が切れたんだろうな。今後も定期的に入れ替えを行っていけば、この泉は永遠に枯れることはないはずだ」
そういう設定だからな、ここの泉。
しばらく呆気に取られていたアルベロスだったが、泉が元に戻ったことをようやく理解すると、
「……感謝をしなくてはいけないな」
ペコッと頭を下げながら感謝の言葉を口にする。
和解成立――と見ていいようだな。
次は12:00投稿予定!
「任せてくれよ」
不安げなアルベロスを尻目に、俺は準備を進めていく――と言っても、リュックから中身を取りだせば、あとはそれを泉に放り投げるだけでいい。これあ、【ホーリー・ナイト・フロンティア】で公式の攻略法になっている。
その放り投げる物とは――
「? 石、ですか?」
取りだしたリュックの中身を見たリリアンが不思議そうに尋ねる。確かに、一見するとただの石だが……これこそが泉を復活させる切り札なのだ。
「そんな物で本当に泉がよみがえるのか?」
「試してみようか?」
俺はそう言って、石のひとつを泉に投げ込む。
ボチャンという音とわずかな水しぶきを立てたあとは特にこれといった変化も起きず、石は泉の底へと沈んでいった。
「やはり何も起きないではないか」
「ここからさ。――ほら、変化が見えてきた」
「むっ!?」
俺の睨んだ通り、泉にある変化が起き始める。
ちょうど石を投げ込んだ辺りの水面が光り輝き始めたのだ。
「ど、どうなっているんだ!?」
「あの光は……」
動揺するアルベロスと冷静なリリアン。
まったく違うお互いの反応は、あの石の正体に気づけたかそうでないかでハッキリと分かれていた。
「リリアンは気づいたみたいだね。あの石がなんなのか」
「おおよその見当はつきましたが……しかし、それが泉の復活とどう結びつくのかまでは分かりません」
「それもこれから分かるはずさ」
しばらくそのままにしておくと――やがて水面の光はその強さを増す。そして、ある変化にアルベロスが気づいた。
「っ!? こ、これは……泉の魔力が回復している!?」
「魔力? 泉に魔力が?」
どうやら、魔法が使えないリリアンは知らなかったようだ。
「ここの泉は魔力を含んだ聖水で満たされているからね。その魔力がなくなってしまえば、泉自体も消滅してしまう」
「な、なるほど……っ! だからあの石を使ったんですね!」
「その通り」
「お、おい! もったいぶらずに教えてくれ! 貴様が先ほど投げ込んだあの石は一体なんなのだ!? ただの石ではないのだろう!?」
「もちろん。あれは――魔鉱石さ」
「ま、魔鉱石?」
初めて聞く名に、アルベロスはポカンとしていた。
「魔力が含まれている魔鉱石には、さまざまな効果があるんだ。たとえば、この聖水の泉の場合、聖水に含まれている魔力が徐々に外へ漏れだしていき、ゆっくりと魔力が尽きてしまうという問題点がある。それをこの魔鉱石が解決してくれるんだ」
「ど、どうして……」
「魔鉱石の内部に魔力をとどまらせておくことで、問題は解決するってこと。さすがに一個だけでは効果が薄いけど――これだけあれば、問題ないはずだ」
泉の大きさから、大体これくらいは必要だろうと持ってきた魔鉱石の数――およそ十個。もともと、城にあった俺の部屋の照明用にしていた物だ。
それをトドメとばかりにすべて泉に投げ込む。
すると、光は泉全体へと広がり、不安定だった魔力は落ち着きを取り戻した。
「な、何がどうなっているんだ……」
「もともと、魔力を安定させる効果を持つ魔鉱石があったはずだけど、恐らくすでに効力が切れたんだろうな。今後も定期的に入れ替えを行っていけば、この泉は永遠に枯れることはないはずだ」
そういう設定だからな、ここの泉。
しばらく呆気に取られていたアルベロスだったが、泉が元に戻ったことをようやく理解すると、
「……感謝をしなくてはいけないな」
ペコッと頭を下げながら感謝の言葉を口にする。
和解成立――と見ていいようだな。
次は12:00投稿予定!
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