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第46話 第一歩
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お嬢様とそのメイドを引き連れ、ドミニクたちは温泉街イヴァンの近くにあるダンジョンでしか見られない青い流星という現象を求めて出発。
そこは特に目立ったところのない、至って普通のダンジョンであった。
外観こそ特徴はないが、その中身は少しよそと異なる。なかなかお目にかかれない鉱石が埋まっているらしく、地熱の影響からか、蒸し暑いとのこと。
「外とは環境もことなるみたいですから、体調を崩しやすいと想定されます」
「え、えぇ。分かりましたわ」
あれだけはしゃいでいたカタリナも、さすがにダンジョンへ入る直前ともなると大人しくなる。
「大丈夫ですよ、カタリナさん。ドミニクさんとイリーシャちゃんが守ってくれますから」
「も、もちろん、信頼していますわよ!」
自分も初ダンジョンの時は死ぬほど緊張していたシエナからのフォロー。そんな彼女に対して「成長したなぁ」と親のような感想を抱くドミニクを先頭に、一行はダンジョン内部へと入っていった。
ダンジョンは事前に仕入れた情報通り、蒸し暑い場所だった。
「あ、暑いですわ……」
ぐったりとするカタリナ。
ただ、もちろんこのままというわけではない。
「仕入れた情報通りなら、もう少しすると涼しいポイントになる。あとちょっとの辛抱だ」
「分かりましたわ……」
荷台でイザベラに膝枕をされながら、カタリナはダンジョン内の温度が下がるのを待った。
歩き続けて約二十分。
「お? だいぶ涼しくなってきたかな?」
じっとりと肌にまとわりつくような暑さは通り過ぎ、今は快適な温度まで下がっていた。どこかに隙間でもあるのか、涼しげな風まで吹いている。
「さあ、お嬢様」
「う、うん……」
その声に反応したのか、ランドが足を止める。
先にイザベラが外へ出て、それを追うようにカタリナが外へ出た。
憧れたダンジョンへの記念すべき第一歩。
「わ、わぁ……」
地につく足を眺めながら放った第一声。
それは思ったよりもずっと静かなものだった。
もっと派手に騒ぎ立てると思っていたのだが、これまでのことを思い出して感慨にふけっているようだ。
そして、ゆっくりと顔を上げると、周囲を見回してひと言。
「美しいですわ……」
その言葉に、ドミニクたちは驚いた。
「ダンジョンが美しい、か」
「えっ? お、おかしいですか?」
「少なくとも、俺はダンジョンをそう評する人に初めて会いましたよ」
ドミニクやアンジェからすれば、カタリナが普段見ているものの方がずっと美しいと思えるのだが、カタリナ視点からだと違うようだ。
感動に浸っているカタリナをしばらくそのままにしておいて、ドミニクはこっそり霊竜エヴァに話しかける。
「それで、青い流星はどこへ行けば見られるんですか?」
「もうちょっと奥じゃ」
もうかなりの距離を進んだが、エヴァ曰くまだ先とのこと。
チェックしたポイントまで一瞬で移動できる《天使の羽》というアイテムを使うため、帰り道の心配はいらないが、不安なのがモンスターの存在だ。
一体や二体ならまだしも、十体、ニ十体になるとさすがに手が付けられなくなる。
とはいえ、ここまで来て引き下がるわけにもいかなかった。
「……行くしかないですね」
「うむ。お主もだんだんと分かって来たではないか」
せっかくここまで来たのだ。
こうなったら、紹介状の件とか関係なく、カタリナには念願だった青い流星を見てもらいたい。
「みんな、青い流星が見られるポイントまであとちょっとだ。頑張っていこう」
ドミニクがそう声をかけると、全員から「おー!」と勇ましい返事が。
一行は期待に胸を膨らませつつ、さらにダンジョンを進んでいった。
そこは特に目立ったところのない、至って普通のダンジョンであった。
外観こそ特徴はないが、その中身は少しよそと異なる。なかなかお目にかかれない鉱石が埋まっているらしく、地熱の影響からか、蒸し暑いとのこと。
「外とは環境もことなるみたいですから、体調を崩しやすいと想定されます」
「え、えぇ。分かりましたわ」
あれだけはしゃいでいたカタリナも、さすがにダンジョンへ入る直前ともなると大人しくなる。
「大丈夫ですよ、カタリナさん。ドミニクさんとイリーシャちゃんが守ってくれますから」
「も、もちろん、信頼していますわよ!」
自分も初ダンジョンの時は死ぬほど緊張していたシエナからのフォロー。そんな彼女に対して「成長したなぁ」と親のような感想を抱くドミニクを先頭に、一行はダンジョン内部へと入っていった。
ダンジョンは事前に仕入れた情報通り、蒸し暑い場所だった。
「あ、暑いですわ……」
ぐったりとするカタリナ。
ただ、もちろんこのままというわけではない。
「仕入れた情報通りなら、もう少しすると涼しいポイントになる。あとちょっとの辛抱だ」
「分かりましたわ……」
荷台でイザベラに膝枕をされながら、カタリナはダンジョン内の温度が下がるのを待った。
歩き続けて約二十分。
「お? だいぶ涼しくなってきたかな?」
じっとりと肌にまとわりつくような暑さは通り過ぎ、今は快適な温度まで下がっていた。どこかに隙間でもあるのか、涼しげな風まで吹いている。
「さあ、お嬢様」
「う、うん……」
その声に反応したのか、ランドが足を止める。
先にイザベラが外へ出て、それを追うようにカタリナが外へ出た。
憧れたダンジョンへの記念すべき第一歩。
「わ、わぁ……」
地につく足を眺めながら放った第一声。
それは思ったよりもずっと静かなものだった。
もっと派手に騒ぎ立てると思っていたのだが、これまでのことを思い出して感慨にふけっているようだ。
そして、ゆっくりと顔を上げると、周囲を見回してひと言。
「美しいですわ……」
その言葉に、ドミニクたちは驚いた。
「ダンジョンが美しい、か」
「えっ? お、おかしいですか?」
「少なくとも、俺はダンジョンをそう評する人に初めて会いましたよ」
ドミニクやアンジェからすれば、カタリナが普段見ているものの方がずっと美しいと思えるのだが、カタリナ視点からだと違うようだ。
感動に浸っているカタリナをしばらくそのままにしておいて、ドミニクはこっそり霊竜エヴァに話しかける。
「それで、青い流星はどこへ行けば見られるんですか?」
「もうちょっと奥じゃ」
もうかなりの距離を進んだが、エヴァ曰くまだ先とのこと。
チェックしたポイントまで一瞬で移動できる《天使の羽》というアイテムを使うため、帰り道の心配はいらないが、不安なのがモンスターの存在だ。
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「……行くしかないですね」
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せっかくここまで来たのだ。
こうなったら、紹介状の件とか関係なく、カタリナには念願だった青い流星を見てもらいたい。
「みんな、青い流星が見られるポイントまであとちょっとだ。頑張っていこう」
ドミニクがそう声をかけると、全員から「おー!」と勇ましい返事が。
一行は期待に胸を膨らませつつ、さらにダンジョンを進んでいった。
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