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第211話 レティシアからの情報
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グローバーの反応としては、「国王に判断を仰ぎたい」という至極当然のことだった。
レティシアは信頼できる人物だ――が、やはり戦争を仕掛けてきた国の反乱軍というのがネックとなっている。実は反乱というのは見せかけだけで、実際はこちらの情報を奪い取ろうとするスパイかもしれないと疑惑を持たれるだろう。
ただ、昔から彼女を知る俺からすると、あのレティシアがそんな姑息な手に出るとは考えられなかった。娘のラシェルの件も合わせ、彼女は純粋に現レゾンの体制に強い不満を抱き、同志を集めて行動に出ている。そうとしか思えなかった。
……だが、俺と彼女が騎士団を去ってもう十年近く経つ。
その間、きっといろんな出来事があったのだろう。
俺だって、まさかギアディスを出て離島の調査団を率いるなんて数年前なら想像もしていなかった事態だ。このままずっと教師として働き、ギアディスに骨を埋めるつもりだったからな。
だから、彼女にも心境の変化はあったのかもしれない――よくない方向で。
とはいえ、こちらとしては少しでも戦力は欲しいというのが本音。
まずは反乱軍のリーダーである彼女だけを城へと連れていき、国王に謁見してもらう。
話しを聞いた直後、グローバーはすぐさま使いを城へと送り、俺たちは負傷者の状態などをチェックしてから帰還。
当然ながら、城の周囲は厳戒態勢が敷かれていた。
いつにもまして物々しい雰囲気の中、俺はブリッツとウェンデルを引き連れてレティシアと背後につく。
それから、ようやく国王の間へと通されてここに至るまでの経緯が語られた。
彼女が伝えた内容は、俺たちも知らないレゾンの内情。
王都周辺は栄えているが、地方の民は飢えてその日をしのぐ食料すら手に入らないほど困窮しているという。
だが、政治の実権を握っている元老院はそんなことに目もくれず、自らの支配欲を満たすために軍を強化して各地に戦争を仕掛けようと画策していた。
そんな彼らは、ラウシュ島に眠っているとされる古代の魔法兵器に目をつけた。
眉唾物として扱われてきた魔法兵器だが、どうやら元老院は独自のルートで情報を入手し、古代兵器の目を覚ます鍵が当時姫として城にいたイムにあることまで嗅ぎつけたのだという。
なので、まずはエストラーダへ仕掛けようとしていたらしいのだが、元老院の邪な企みは勇気あるひとりの騎士によって阻止された。
その人物の名は――
「オズボーン・リデア……彼が古代兵器を目覚めさせる力を持ったフィオーナ姫を独断で城の外へと連れだし、彼の考えに賛同する者たちの協力を得てラウシュ島へ向かったと聞いています」
「オズボーンさんが……」
だとすると、かなり困難な道のりだったろう。
彼のまさに命を懸けた脱出作戦により、キーパーソンを失ったレゾン元老院の計画は大きく速度を落とす結果となった。
しかし、ついにその毒牙が迫りつつある。
この事実を耳にしたエストラーダ王の決断は――
レティシアは信頼できる人物だ――が、やはり戦争を仕掛けてきた国の反乱軍というのがネックとなっている。実は反乱というのは見せかけだけで、実際はこちらの情報を奪い取ろうとするスパイかもしれないと疑惑を持たれるだろう。
ただ、昔から彼女を知る俺からすると、あのレティシアがそんな姑息な手に出るとは考えられなかった。娘のラシェルの件も合わせ、彼女は純粋に現レゾンの体制に強い不満を抱き、同志を集めて行動に出ている。そうとしか思えなかった。
……だが、俺と彼女が騎士団を去ってもう十年近く経つ。
その間、きっといろんな出来事があったのだろう。
俺だって、まさかギアディスを出て離島の調査団を率いるなんて数年前なら想像もしていなかった事態だ。このままずっと教師として働き、ギアディスに骨を埋めるつもりだったからな。
だから、彼女にも心境の変化はあったのかもしれない――よくない方向で。
とはいえ、こちらとしては少しでも戦力は欲しいというのが本音。
まずは反乱軍のリーダーである彼女だけを城へと連れていき、国王に謁見してもらう。
話しを聞いた直後、グローバーはすぐさま使いを城へと送り、俺たちは負傷者の状態などをチェックしてから帰還。
当然ながら、城の周囲は厳戒態勢が敷かれていた。
いつにもまして物々しい雰囲気の中、俺はブリッツとウェンデルを引き連れてレティシアと背後につく。
それから、ようやく国王の間へと通されてここに至るまでの経緯が語られた。
彼女が伝えた内容は、俺たちも知らないレゾンの内情。
王都周辺は栄えているが、地方の民は飢えてその日をしのぐ食料すら手に入らないほど困窮しているという。
だが、政治の実権を握っている元老院はそんなことに目もくれず、自らの支配欲を満たすために軍を強化して各地に戦争を仕掛けようと画策していた。
そんな彼らは、ラウシュ島に眠っているとされる古代の魔法兵器に目をつけた。
眉唾物として扱われてきた魔法兵器だが、どうやら元老院は独自のルートで情報を入手し、古代兵器の目を覚ます鍵が当時姫として城にいたイムにあることまで嗅ぎつけたのだという。
なので、まずはエストラーダへ仕掛けようとしていたらしいのだが、元老院の邪な企みは勇気あるひとりの騎士によって阻止された。
その人物の名は――
「オズボーン・リデア……彼が古代兵器を目覚めさせる力を持ったフィオーナ姫を独断で城の外へと連れだし、彼の考えに賛同する者たちの協力を得てラウシュ島へ向かったと聞いています」
「オズボーンさんが……」
だとすると、かなり困難な道のりだったろう。
彼のまさに命を懸けた脱出作戦により、キーパーソンを失ったレゾン元老院の計画は大きく速度を落とす結果となった。
しかし、ついにその毒牙が迫りつつある。
この事実を耳にしたエストラーダ王の決断は――
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