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第196話 暴露
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この島に眠る魔法兵器の存在。
先代国王による調査。
そしてイムの身分。
さまざまな衝撃的な事実が続く中、俺たちは休憩を挟んでから再びオズボーンさんから話しを聞くことに。
次は……なぜフィオーナ姫――いや、ここはあえてイムと呼ばせてもらおう。そのイムがなぜラウシュ島にやってきたのか、その理由について尋ねてみた。
しかし、こればかりはオズボーンさんの口が重い。
そりゃそうか。
これはあくまでも俺の勘だが……一国の姫が自国を抜けだし、孤島で生活をするというのはよほどのことだ。おまけにイム自身はまだ赤ん坊だったという。彼女が王国で暮らしていた記憶がないのはそのためだ。
ともかく、姫の話となるとそれはもう国家機密になる。
おいそれと話はできないだろうし、恐らく、ここから先の話を耳にするともう後戻りは不可能。この件に深くかかわることになる。
――だが、もう俺たちは無関係でなくなっている。
この場にいる全員がイムを大切な仲間と認識し、なんとか力になってやりたいと集まっているのだ。
オズボーンさんにもこちらの熱意が届いたらしく、大きく息を吐き出してからゆっくりと語り始める。
「すべては陰謀だった……フィオーナ様の母君が王家の手によって暗殺された時から、密かに計画されていたのだ」
「あ、暗殺!?」
フィオーナ姫――つまり、イムの母親は暗殺されたっていうのか!?
しかし、王妃様が変わったという話は聞いていない。
国外に漏れないよう隠蔽されていたというのか?
しかし、なぜそのようなマネを?
言い方は悪いが、暗殺の部分を国民に黙っておけばバレないままだ。それでも死亡した事実さえ隠しているとは……よほど後ろめたいか、或いは調べられたらすぐにバレるような事態だったのか。
いずれにせよ、まっとうな国のやることじゃないな。
いきなりとんでもない事実が暴露され、俺たちは慌てふためく。
だが、これはまだほんの序章に過ぎなかった。
「な、なぜイムの母親は暗殺されたんですか? 立場としてはレゾン王国の王妃にあたる人物ですよね?」
「いろいろと事情があってな」
「その事情のせいで、イムはレゾン王国にいられなくなったのですね?」
ブリッツからの指摘を受け、オズボーンさんの表情が暗くなる。
図星というわけか。
「フィオーナ様が国を出なくてはならなくなった理由は……新しい王妃様が関係している」
ついにイムがラウシュ島にやってきた理由――その核心部分に話は及んだ。
先代国王による調査。
そしてイムの身分。
さまざまな衝撃的な事実が続く中、俺たちは休憩を挟んでから再びオズボーンさんから話しを聞くことに。
次は……なぜフィオーナ姫――いや、ここはあえてイムと呼ばせてもらおう。そのイムがなぜラウシュ島にやってきたのか、その理由について尋ねてみた。
しかし、こればかりはオズボーンさんの口が重い。
そりゃそうか。
これはあくまでも俺の勘だが……一国の姫が自国を抜けだし、孤島で生活をするというのはよほどのことだ。おまけにイム自身はまだ赤ん坊だったという。彼女が王国で暮らしていた記憶がないのはそのためだ。
ともかく、姫の話となるとそれはもう国家機密になる。
おいそれと話はできないだろうし、恐らく、ここから先の話を耳にするともう後戻りは不可能。この件に深くかかわることになる。
――だが、もう俺たちは無関係でなくなっている。
この場にいる全員がイムを大切な仲間と認識し、なんとか力になってやりたいと集まっているのだ。
オズボーンさんにもこちらの熱意が届いたらしく、大きく息を吐き出してからゆっくりと語り始める。
「すべては陰謀だった……フィオーナ様の母君が王家の手によって暗殺された時から、密かに計画されていたのだ」
「あ、暗殺!?」
フィオーナ姫――つまり、イムの母親は暗殺されたっていうのか!?
しかし、王妃様が変わったという話は聞いていない。
国外に漏れないよう隠蔽されていたというのか?
しかし、なぜそのようなマネを?
言い方は悪いが、暗殺の部分を国民に黙っておけばバレないままだ。それでも死亡した事実さえ隠しているとは……よほど後ろめたいか、或いは調べられたらすぐにバレるような事態だったのか。
いずれにせよ、まっとうな国のやることじゃないな。
いきなりとんでもない事実が暴露され、俺たちは慌てふためく。
だが、これはまだほんの序章に過ぎなかった。
「な、なぜイムの母親は暗殺されたんですか? 立場としてはレゾン王国の王妃にあたる人物ですよね?」
「いろいろと事情があってな」
「その事情のせいで、イムはレゾン王国にいられなくなったのですね?」
ブリッツからの指摘を受け、オズボーンさんの表情が暗くなる。
図星というわけか。
「フィオーナ様が国を出なくてはならなくなった理由は……新しい王妃様が関係している」
ついにイムがラウシュ島にやってきた理由――その核心部分に話は及んだ。
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