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第190話 明かされた正体
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ラウシュ島の謎を解く鍵を握る人物として早くから注目していたオズボーン・リデアという人物。レゾン王国騎士団の元副団長という立場であったことはグローバーの調べで発覚していたが……まさかイムの父親であるセルジさんがそのオズボーン元副団長だったとは。
パジル村へと移動した俺たちは、長のテントを訪ねる。
そこで、セルジさんがここまでの経緯を説明していく。
「そうかい……とうとうこの時が来たんだね……」
どうやら、長も俺たちが来た理由を察したようだ。
「エストラーダから最初のふたりがこの村を訪れた日から、真実を語らなければいけない日が近づいていると言ってはいたが……」
「それが今日というわけさ」
セルジさんは腰を下ろすと、俺たちにも座るよう促す。
それから大きく息を吐き、真っ直ぐこちらを見つめながら口を開く。
「さて、どこから説明したものか……」
「でしたら、こちらから質問をしても?」
俺がそう切りだすと、セルジさん――いや、オズボーンさんは静かに頷く。了承を得られたことで、俺はこれまでに溜め込んでいた疑問を一気に吐きだすつもりだが……まずはアレから言ってみるか。
「あなたがこの島へやってきた目的はなんですか?」
やはりこれだろうな。
同じくレゾン王国騎士団に所属するマーサさんもラウシュを目指していたようだし、あの国にとって、この島はかなり特別視されているようだ。その理由を俺は知りたかった。
「やはり、そこが気になるか」
オズボーンさんは少し言いづらそうにしていたが、やがて決心がついたのかゆっくりと語りだす。
「君たちは先日、島の中心部近くにある遺跡へ行ってきたそうだな」
「はい。新しい発見の連続で驚かされました」
「我々も――レゾン王国もその遺跡がずっと気になっているのだ」
騎士団が動くならば、背後には当然レゾンという国家自体が大きく関与していることを意味している。だが、俺が気になるのはなぜそうまでして他国の領域であるこの島を気にかけているのかという点だ。
その可能性について、俺たちは遺跡である発見をしていた。
「遺跡で存在を示唆されていた、あの魔法兵器を手に入れるためですか?」
「ご明察。レゾンはこの島の古代文明が生みだしたとされる魔法兵器を探し求めているんだよ」
「……なるほど」
壁画に描かれていたことが真実なら、ひとつの魔法兵器で大打撃を与えられそうだったからな。欲しがりそうな国は出てくるだろう。
オズボーンさんから提供される情報は、さらに衝撃的なものとなっていった。
パジル村へと移動した俺たちは、長のテントを訪ねる。
そこで、セルジさんがここまでの経緯を説明していく。
「そうかい……とうとうこの時が来たんだね……」
どうやら、長も俺たちが来た理由を察したようだ。
「エストラーダから最初のふたりがこの村を訪れた日から、真実を語らなければいけない日が近づいていると言ってはいたが……」
「それが今日というわけさ」
セルジさんは腰を下ろすと、俺たちにも座るよう促す。
それから大きく息を吐き、真っ直ぐこちらを見つめながら口を開く。
「さて、どこから説明したものか……」
「でしたら、こちらから質問をしても?」
俺がそう切りだすと、セルジさん――いや、オズボーンさんは静かに頷く。了承を得られたことで、俺はこれまでに溜め込んでいた疑問を一気に吐きだすつもりだが……まずはアレから言ってみるか。
「あなたがこの島へやってきた目的はなんですか?」
やはりこれだろうな。
同じくレゾン王国騎士団に所属するマーサさんもラウシュを目指していたようだし、あの国にとって、この島はかなり特別視されているようだ。その理由を俺は知りたかった。
「やはり、そこが気になるか」
オズボーンさんは少し言いづらそうにしていたが、やがて決心がついたのかゆっくりと語りだす。
「君たちは先日、島の中心部近くにある遺跡へ行ってきたそうだな」
「はい。新しい発見の連続で驚かされました」
「我々も――レゾン王国もその遺跡がずっと気になっているのだ」
騎士団が動くならば、背後には当然レゾンという国家自体が大きく関与していることを意味している。だが、俺が気になるのはなぜそうまでして他国の領域であるこの島を気にかけているのかという点だ。
その可能性について、俺たちは遺跡である発見をしていた。
「遺跡で存在を示唆されていた、あの魔法兵器を手に入れるためですか?」
「ご明察。レゾンはこの島の古代文明が生みだしたとされる魔法兵器を探し求めているんだよ」
「……なるほど」
壁画に描かれていたことが真実なら、ひとつの魔法兵器で大打撃を与えられそうだったからな。欲しがりそうな国は出てくるだろう。
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