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第152話 次々見つかる新たな発見
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土砂の除去作業中に発見された温泉。
温度やら効能やら、調べなくちゃいけないことは山積みだが――この発見にもっとも興奮していたのは新加入のロレッタだった。
「これは大発見ですよ、先生!」
「ま、まあ、確かに……温泉となれば観光スポットになるな」
「それだけじゃないです! ダンジョンに挑戦する冒険者たちにとって、この温泉はきっと癒しの場になるはず!」
なるほど……冒険者稼業とは激務だからな。
近くに温泉があるというのは大きな救いになるはず。
「となると、この辺の整備も必要になるな」
「オーリン先生、温泉の成分などに関しては我々に任せてください」
そう言ってくれたのは、地形学の専門家として土砂崩れの除去チームに加わってくれていたラドニーさんだった。
「温泉調査もやっているんですか?」
「エストラーダ王国にはあまりありませんので、そちら側の仕事は少ないですがね」
それでも、知識があるだけ心強い。
今日のところは日も暮れてきたので、詳しい調査は明日以降ということに今日はここで引きあげることに。
「それじゃあ、夕食の支度をしていきましょうか」
「おーっ!」
パトリシアとイムが中心となり、料理を進めていった。
ちなみに、黄金世代の五人は全員最低限の料理ができる。実際、ふたりのブリッツやウェンデルたちがこっそりとフォローに回っている。これも、俺とのサバイバル鍛錬の成果と言えた。
俺も夕食の準備を手伝おうとしたのだが、ジャクリーヌに呼びとめられた。
どうやら、土砂現場から発見された本について報告があるらしい。
「まだすべての解読が終わったわけではありませんが……こちらに少し気になる記述がありましたので」
「気になる記述?」
「こちらに翻訳をしておきました」
ジャクリーヌから手渡された一枚の紙。そこには彼女の性格がよく出ている丁寧な字で本の内容が書かれていた。最初の方は以前報告を受けた内容と合致している。
問題は最後の一行――
『ヤツらは俺たちを裏切った』
「裏切った……?」
「これを書いたのがリデア元副騎士団長本人だとしたら……彼は騎士団の裏切り者に追われていたということでしょうか?」
「この段階で相手を騎士団に限定するのは早計だ。それに『俺たち』という書き方も気になる……この本をリデア元副騎士団長が書いたと証明することはできるか?」
「魔紋を調べれば可能ですわ」
魔紋――それは魔力の質。
魔力とは同じように見えて、人それぞれ微妙に異なる。その質を魔紋と呼び、それで個人を特定したりするのだ。
ジャクリーヌの言う通り、この状況から書いた人物を特定するには魔紋の照合しかないだろう。
……しかし、それには問題があった。
「魔紋を調べるなら……どこかでリデア元副騎士団長の魔紋を調達する必要があるな」
本人の魔紋がなければ、照合のしようがない。
肝心のレゾン王国は現在ギアディスと組んで怪しい動きをしているし……魔紋の調達は難しそうか。
「先生~、ジャクリーヌせんぱ~い、ご飯できましたよ~」
パトリシアに呼ばれた俺たちは、とりあえずこの話を後に回して夕食をとることにしたのだった。
温度やら効能やら、調べなくちゃいけないことは山積みだが――この発見にもっとも興奮していたのは新加入のロレッタだった。
「これは大発見ですよ、先生!」
「ま、まあ、確かに……温泉となれば観光スポットになるな」
「それだけじゃないです! ダンジョンに挑戦する冒険者たちにとって、この温泉はきっと癒しの場になるはず!」
なるほど……冒険者稼業とは激務だからな。
近くに温泉があるというのは大きな救いになるはず。
「となると、この辺の整備も必要になるな」
「オーリン先生、温泉の成分などに関しては我々に任せてください」
そう言ってくれたのは、地形学の専門家として土砂崩れの除去チームに加わってくれていたラドニーさんだった。
「温泉調査もやっているんですか?」
「エストラーダ王国にはあまりありませんので、そちら側の仕事は少ないですがね」
それでも、知識があるだけ心強い。
今日のところは日も暮れてきたので、詳しい調査は明日以降ということに今日はここで引きあげることに。
「それじゃあ、夕食の支度をしていきましょうか」
「おーっ!」
パトリシアとイムが中心となり、料理を進めていった。
ちなみに、黄金世代の五人は全員最低限の料理ができる。実際、ふたりのブリッツやウェンデルたちがこっそりとフォローに回っている。これも、俺とのサバイバル鍛錬の成果と言えた。
俺も夕食の準備を手伝おうとしたのだが、ジャクリーヌに呼びとめられた。
どうやら、土砂現場から発見された本について報告があるらしい。
「まだすべての解読が終わったわけではありませんが……こちらに少し気になる記述がありましたので」
「気になる記述?」
「こちらに翻訳をしておきました」
ジャクリーヌから手渡された一枚の紙。そこには彼女の性格がよく出ている丁寧な字で本の内容が書かれていた。最初の方は以前報告を受けた内容と合致している。
問題は最後の一行――
『ヤツらは俺たちを裏切った』
「裏切った……?」
「これを書いたのがリデア元副騎士団長本人だとしたら……彼は騎士団の裏切り者に追われていたということでしょうか?」
「この段階で相手を騎士団に限定するのは早計だ。それに『俺たち』という書き方も気になる……この本をリデア元副騎士団長が書いたと証明することはできるか?」
「魔紋を調べれば可能ですわ」
魔紋――それは魔力の質。
魔力とは同じように見えて、人それぞれ微妙に異なる。その質を魔紋と呼び、それで個人を特定したりするのだ。
ジャクリーヌの言う通り、この状況から書いた人物を特定するには魔紋の照合しかないだろう。
……しかし、それには問題があった。
「魔紋を調べるなら……どこかでリデア元副騎士団長の魔紋を調達する必要があるな」
本人の魔紋がなければ、照合のしようがない。
肝心のレゾン王国は現在ギアディスと組んで怪しい動きをしているし……魔紋の調達は難しそうか。
「先生~、ジャクリーヌせんぱ~い、ご飯できましたよ~」
パトリシアに呼ばれた俺たちは、とりあえずこの話を後に回して夕食をとることにしたのだった。
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