171 / 246
【最終章①】廃界突入編
第191話 騎士団長会議
しおりを挟む
オロム王都はすっかり夜の闇に包まれていた。
「大丈夫だったか、トリストン」
「うん」
トリストンと合流した颯太は無事を確認すると脱力したのかその場にへたり込んだ。
到着する前、周囲に炎が夜風に揺れていたことから、ここでトリストンと焔竜ニクスオードが戦闘をしたと悟った颯太は血の気が引いた。
脳裏にエルメルガとメアの戦闘がフラッシュバックされ、トリストンも負傷したのではないかと心配したが、ほぼ無傷であったため安堵した結果――足腰から急に力が抜けてしゃがみ込んでしまったのだった。
「本当によかったよ、何もなくて」
「何もないわけじゃないよ」
「え?」
「パパに教えたいことが――」
そこから、トリストンは乱入してきたエルメルガから聞いた情報を颯太に伝える。
「……ナインレウスが」
衝撃だったのはやはりナインレウスに関しての情報だった。
エルメルガはナインレウスがこの場にいる竜人族以外の能力はすべて奪ったと語った――それはつまり、ナインレウスはかなりの数の能力を有していることにつながる。
颯太は王都内に作られた即席の連合竜騎士団本部テントで次なる作戦を立てているルコードたちのもとを訪れた。見張りの兵士に事情を話して通してもらうと、
「っ!」
思わず息を呑んだ。
動物革で作られた防寒性能抜群のペルゼミネ製テント内には、各国の竜騎士団長が円卓を囲んで作戦会議を続けていた。その威圧感というか迫力というか――とにかく、一般人の颯太からするとその場に立っているだけで冷や汗がにじみ出てくるほどであった。
「何かあったのか?」
最高指揮官であるルコードの言葉で我に返った颯太は、トリストンから得た情報を伝えた。
「ふむぅ……すでに竜人族はここにいる者たちのみか」
髭を撫で回しながら、ハルヴァ竜騎士団長のガブリエルが言う。その横から、
「では、竜王選戦はすでに終盤――敵の竜人族の狙いは絞られてくるな」
ガドウィン竜騎士団長のサリアス・マクスウェルが続いた。
「確認できている限り、残っている向こうの竜人族は雷竜、焔竜、奪竜の3匹か」
ダステニア竜騎士団長のヤン・フィッセルがそうまとめると、ルコードが割って入る。
「敵の――竜人族に関しては竜王選戦が狙いだろうから、こちらの竜人族を狙ってくるだろうと推測される。……問題は、我々の最終目標である魔族精製の秘密を握る黒幕が別にいる可能性が高い点だ」
「恐らく、その黒幕が竜人族たちをうまく乗せてこちらと敵対させるよう仕向けているのでしょうな。トリストンがエルメルガから聞いたという話によれば、魔族精製の謎はオロム城にあるようですし、我々連合竜騎士団の最終決戦地はオロム城で決まりですな」
ガブリエルの言葉に、ルコードは頷くことで肯定の意思を伝えた。
「すでに敵の竜人族のうち、奏竜と磁竜の2匹は戦闘不能に追い込んだ。それは間違いないんだな」
「はい。実際に対峙した2匹が生還していることからも、それは間違いないでしょう」
颯太がトリストンと合流してすぐに、オロム王都へ樹竜キルカジルカと鎧竜フェイゼルタットが到着した。2匹は軽く負傷こそしていたが心身ともに正常で、自分たちの戦果を颯太に報告――それを颯太は一言一句漏らさず、ルコードが合流してすぐに伝えていた。
「ソータくん、トリストンは他に何か言っていなかったか?」
「……これはトリストンの発言から自分が導き出した推測なのですが、雷竜エルメルガに関しては――揺れ動いているように思えます」
「揺れ動いている、とは?」
「エルメルガは古い付き合いのあった銀竜メアンガルドの心境の変化に驚いていて、、僕が洗脳したのではないかと疑うほどでした」
洗脳という言葉に、周りは一瞬ざわついたが、すぐに颯太がそのようなマネをする人間ではないと思い出して言葉を呑み込んだ。
「それで、揺れ動いているというのは、具体的にどのような変化だと思う?」
「理由はわかりませんが、雷竜エルメルガは人間に対して好意的な感情を抱いていたわけではないようです。かつての銀竜も同じでしたが、今はハルヴァ竜騎士団の一員として今回の討伐作戦にも参加している――それが信じられないようでした。2匹はかつてライバル関係であったそうなので、それも要因になっているのではないか、と」
「そうか……」
ルコードは腕を組み、何事か熟考。
他の竜騎士団長も明日の作戦を練るために意見交換を開始した。
「貴重な情報をありがとう、ソータ殿」
「い、いえ、そんな」
颯太はガブリエルから感謝の言葉を贈られて照れ笑い。
自分の能力がまた、この世界を平和に一歩近づけることができた――颯太にはそれが嬉しかった。
騎士団長たちの会議をあとにして外に出ると、湯気の立つコップを持ったブリギッテが待ち構えていた。
「お疲れ様、はいどうぞ」
「おぉ、ありがとう」
夜風が身に染みる気温――季節でいえばまだ春先といったところなので、まだまだ寒さを感じるため、温かいコルヒーは非常にありがたい。
「いよいよ明日が最後の決戦になりそうね」
「ああ……そうだな」
「何よ、他人事みたいな言い方ね」
「あ、いや、なんていうか、その……こういう大舞台っていうのは経験がなくて」
「ソランの内乱やハルヴァ舞踏会、それにレイノアでの戦いを経験しておいて何を言っているのよ」
ブリギッテにそう指摘されて、颯太はこれまでの戦いを思い出した。
いずれも、国家の危機を救う重要な戦い――意識をしていなかったが、竜の言霊を得て以降の颯太はすでにいくつもの大舞台を経験していたのだ。
「ははは……なんていうか、全然実感がなくて」
「本人に自覚がなくても、周りの人間はしっかり評価してくれているわ。現に、今、世界の命運を握る最後の戦いの最前線にいるんだもの」
「評価、か……」
これまでの人生を振り返って――厳密に言えば、この世界に来る前の人生において、他者からそんなふうに評価されたことはなかった。
「? 何?」
「なんでもない。明日も早いから、これ飲んだらもう休もうか」
「そうしましょう。――ねぇ」
「うん?」
「明日――がんばりましょうね」
ブリギッテが差し出した手を、颯太は笑顔を浮かべて握る。
自然とつながった握手。
最後の戦いを前に、颯太は気を引き締めてコルヒーを飲み干した。
「大丈夫だったか、トリストン」
「うん」
トリストンと合流した颯太は無事を確認すると脱力したのかその場にへたり込んだ。
到着する前、周囲に炎が夜風に揺れていたことから、ここでトリストンと焔竜ニクスオードが戦闘をしたと悟った颯太は血の気が引いた。
脳裏にエルメルガとメアの戦闘がフラッシュバックされ、トリストンも負傷したのではないかと心配したが、ほぼ無傷であったため安堵した結果――足腰から急に力が抜けてしゃがみ込んでしまったのだった。
「本当によかったよ、何もなくて」
「何もないわけじゃないよ」
「え?」
「パパに教えたいことが――」
そこから、トリストンは乱入してきたエルメルガから聞いた情報を颯太に伝える。
「……ナインレウスが」
衝撃だったのはやはりナインレウスに関しての情報だった。
エルメルガはナインレウスがこの場にいる竜人族以外の能力はすべて奪ったと語った――それはつまり、ナインレウスはかなりの数の能力を有していることにつながる。
颯太は王都内に作られた即席の連合竜騎士団本部テントで次なる作戦を立てているルコードたちのもとを訪れた。見張りの兵士に事情を話して通してもらうと、
「っ!」
思わず息を呑んだ。
動物革で作られた防寒性能抜群のペルゼミネ製テント内には、各国の竜騎士団長が円卓を囲んで作戦会議を続けていた。その威圧感というか迫力というか――とにかく、一般人の颯太からするとその場に立っているだけで冷や汗がにじみ出てくるほどであった。
「何かあったのか?」
最高指揮官であるルコードの言葉で我に返った颯太は、トリストンから得た情報を伝えた。
「ふむぅ……すでに竜人族はここにいる者たちのみか」
髭を撫で回しながら、ハルヴァ竜騎士団長のガブリエルが言う。その横から、
「では、竜王選戦はすでに終盤――敵の竜人族の狙いは絞られてくるな」
ガドウィン竜騎士団長のサリアス・マクスウェルが続いた。
「確認できている限り、残っている向こうの竜人族は雷竜、焔竜、奪竜の3匹か」
ダステニア竜騎士団長のヤン・フィッセルがそうまとめると、ルコードが割って入る。
「敵の――竜人族に関しては竜王選戦が狙いだろうから、こちらの竜人族を狙ってくるだろうと推測される。……問題は、我々の最終目標である魔族精製の秘密を握る黒幕が別にいる可能性が高い点だ」
「恐らく、その黒幕が竜人族たちをうまく乗せてこちらと敵対させるよう仕向けているのでしょうな。トリストンがエルメルガから聞いたという話によれば、魔族精製の謎はオロム城にあるようですし、我々連合竜騎士団の最終決戦地はオロム城で決まりですな」
ガブリエルの言葉に、ルコードは頷くことで肯定の意思を伝えた。
「すでに敵の竜人族のうち、奏竜と磁竜の2匹は戦闘不能に追い込んだ。それは間違いないんだな」
「はい。実際に対峙した2匹が生還していることからも、それは間違いないでしょう」
颯太がトリストンと合流してすぐに、オロム王都へ樹竜キルカジルカと鎧竜フェイゼルタットが到着した。2匹は軽く負傷こそしていたが心身ともに正常で、自分たちの戦果を颯太に報告――それを颯太は一言一句漏らさず、ルコードが合流してすぐに伝えていた。
「ソータくん、トリストンは他に何か言っていなかったか?」
「……これはトリストンの発言から自分が導き出した推測なのですが、雷竜エルメルガに関しては――揺れ動いているように思えます」
「揺れ動いている、とは?」
「エルメルガは古い付き合いのあった銀竜メアンガルドの心境の変化に驚いていて、、僕が洗脳したのではないかと疑うほどでした」
洗脳という言葉に、周りは一瞬ざわついたが、すぐに颯太がそのようなマネをする人間ではないと思い出して言葉を呑み込んだ。
「それで、揺れ動いているというのは、具体的にどのような変化だと思う?」
「理由はわかりませんが、雷竜エルメルガは人間に対して好意的な感情を抱いていたわけではないようです。かつての銀竜も同じでしたが、今はハルヴァ竜騎士団の一員として今回の討伐作戦にも参加している――それが信じられないようでした。2匹はかつてライバル関係であったそうなので、それも要因になっているのではないか、と」
「そうか……」
ルコードは腕を組み、何事か熟考。
他の竜騎士団長も明日の作戦を練るために意見交換を開始した。
「貴重な情報をありがとう、ソータ殿」
「い、いえ、そんな」
颯太はガブリエルから感謝の言葉を贈られて照れ笑い。
自分の能力がまた、この世界を平和に一歩近づけることができた――颯太にはそれが嬉しかった。
騎士団長たちの会議をあとにして外に出ると、湯気の立つコップを持ったブリギッテが待ち構えていた。
「お疲れ様、はいどうぞ」
「おぉ、ありがとう」
夜風が身に染みる気温――季節でいえばまだ春先といったところなので、まだまだ寒さを感じるため、温かいコルヒーは非常にありがたい。
「いよいよ明日が最後の決戦になりそうね」
「ああ……そうだな」
「何よ、他人事みたいな言い方ね」
「あ、いや、なんていうか、その……こういう大舞台っていうのは経験がなくて」
「ソランの内乱やハルヴァ舞踏会、それにレイノアでの戦いを経験しておいて何を言っているのよ」
ブリギッテにそう指摘されて、颯太はこれまでの戦いを思い出した。
いずれも、国家の危機を救う重要な戦い――意識をしていなかったが、竜の言霊を得て以降の颯太はすでにいくつもの大舞台を経験していたのだ。
「ははは……なんていうか、全然実感がなくて」
「本人に自覚がなくても、周りの人間はしっかり評価してくれているわ。現に、今、世界の命運を握る最後の戦いの最前線にいるんだもの」
「評価、か……」
これまでの人生を振り返って――厳密に言えば、この世界に来る前の人生において、他者からそんなふうに評価されたことはなかった。
「? 何?」
「なんでもない。明日も早いから、これ飲んだらもう休もうか」
「そうしましょう。――ねぇ」
「うん?」
「明日――がんばりましょうね」
ブリギッテが差し出した手を、颯太は笑顔を浮かべて握る。
自然とつながった握手。
最後の戦いを前に、颯太は気を引き締めてコルヒーを飲み干した。
0
お気に入りに追加
4,471
あなたにおすすめの小説
プロミネンス~~獣人だらけの世界にいるけどやっぱり炎が最強です~~
笹原うずら
ファンタジー
獣人ばかりの世界の主人公は、炎を使う人間の姿をした少年だった。
鳥人族の国、スカイルの孤児の施設で育てられた主人公、サン。彼は陽天流という剣術の師範であるハヤブサの獣人ファルに預けられ、剣術の修行に明け暮れていた。しかしある日、ライバルであるツバメの獣人スアロと手合わせをした際、獣の力を持たないサンは、敗北してしまう。
自信の才能のなさに落ち込みながらも、様々な人の励ましを経て、立ち直るサン。しかしそんなサンが施設に戻ったとき、獣人の獣の部位を売買するパーツ商人に、サンは施設の仲間を奪われてしまう。さらに、サンの事を待ち構えていたパーツ商人の一人、ハイエナのイエナに死にかけの重傷を負わされる。
傷だらけの身体を抱えながらも、みんなを守るために立ち上がり、母の形見のペンダントを握り締めるサン。するとその時、死んだはずの母がサンの前に現れ、彼の炎の力を呼び覚ますのだった。
炎の力で獣人だらけの世界を切り開く、痛快大長編異世界ファンタジーが、今ここに開幕する!!!
とある中年男性の転生冒険記
うしのまるやき
ファンタジー
中年男性である郡元康(こおりもとやす)は、目が覚めたら見慣れない景色だったことに驚いていたところに、アマデウスと名乗る神が現れ、原因不明で死んでしまったと告げられたが、本人はあっさりと受け入れる。アマデウスの管理する世界はいわゆる定番のファンタジーあふれる世界だった。ひそかに持っていた厨二病の心をくすぐってしまい本人は転生に乗り気に。彼はその世界を楽しもうと期待に胸を膨らませていた。
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
蒼星伝 ~マッチ売りの男の娘はチート改造され、片翼の天使と成り果て、地上に舞い降りる剣と化す~
ももちく
ファンタジー
|神代《かみよ》の時代から、創造主:Y.O.N.Nと悪魔の統括者であるハイヨル混沌は激しい戦いを繰り返してきた。
その両者の戦いの余波を受けて、惑星:ジ・アースは4つに分かたれてしまう。
それから、さらに途方もない年月が経つ。
復活を果たしたハイヨル混沌は今度こそ、創造主;Y.O.N.Nとの決着をつけるためにも、惑星:ジ・アースを完全に暗黒の世界へと変えようとする。
ハイヨル混沌の支配を跳ね返すためにも、創造主:Y.O.N.Nのパートナーとも呼べる天界の主である星皇が天使軍団を率い、ハイヨル混沌軍団との戦いを始める。
しかし、ハイヨル混沌軍団は地上界を闇の世界に堕とすだけでなく、星皇の妻の命を狙う。
その計画を妨害するためにも星皇は自分の妾(男の娘)を妻の下へと派遣する。
幾星霜もの間、続いた創造主:Y.O.N.Nとハイヨル混沌との戦いに終止符を打つキーマンとなる星皇の妻と妾(男の娘)は互いの手を取り合う。
時にはぶつかり合い、地獄と化していく地上界で懸命に戦い、やがて、その命の炎を燃やし尽くす……。
彼女達の命の輝きを見た地上界の住人たちは、彼女たちの戦いの軌跡と生き様を『蒼星伝』として語り継ぐことになる。
引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい
鈴木竜一
ファンタジー
旧題:引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい ~不正がはびこる大国の賢者を辞めて離島へと移住したら、なぜか優秀な元教え子たちが集まってきました~
【書籍化決定!】
本作の書籍化がアルファポリスにて正式決定いたしました!
第1巻は10月下旬発売!
よろしくお願いします!
賢者オーリンは大陸でもっと栄えているギアディス王国の魔剣学園で教鞭をとり、これまで多くの優秀な学生を育てあげて王国の繁栄を陰から支えてきた。しかし、先代に代わって新たに就任したローズ学園長は、「次期騎士団長に相応しい優秀な私の息子を贔屓しろ」と不正を強要してきた挙句、オーリン以外の教師は息子を高く評価しており、同じようにできないなら学園を去れと告げられる。どうやら、他の教員は王家とのつながりが深いローズ学園長に逆らえず、我がままで自分勝手なうえ、あらゆる能力が最低クラスである彼女の息子に最高評価を与えていたらしい。抗議するオーリンだが、一切聞き入れてもらえず、ついに「そこまでおっしゃられるのなら、私は一線から身を引きましょう」と引退宣言をし、大国ギアディスをあとにした。
その後、オーリンは以前世話になったエストラーダという小国へ向かうが、そこへ彼を慕う教え子の少女パトリシアが追いかけてくる。かつてオーリンに命を助けられ、彼を生涯の師と仰ぐ彼女を人生最後の教え子にしようと決め、かねてより依頼をされていた離島開拓の仕事を引き受けると、パトリシアとともにそこへ移り住み、現地の人々と交流をしたり、畑を耕したり、家畜の世話をしたり、修行をしたり、時に離島の調査をしたりとのんびりした生活を始めた。
一方、立派に成長し、あらゆるジャンルで国内の重要な役職に就いていた《黄金世代》と呼ばれるオーリンの元教え子たちは、恩師であるオーリンが学園から不当解雇された可能性があると知り、激怒。さらに、他にも複数の不正が発覚し、さらに国王は近隣諸国へ侵略戦争を仕掛けると宣言。そんな危ういギアディス王国に見切りをつけた元教え子たちは、オーリンの後を追って続々と国外へ脱出していく。
こうして、小国の離島でのんびりとした開拓生活を希望するオーリンのもとに、王国きっての優秀な人材が集まりつつあった……
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
無属性魔法って地味ですか? 「派手さがない」と見捨てられた少年は最果ての領地で自由に暮らす
鈴木竜一
ファンタジー
《本作のコミカライズ企画が進行中! 詳細はもうしばらくお待ちください!》
社畜リーマンの俺は、歩道橋から転げ落ちて意識を失い、気がつくとアインレット家の末っ子でロイスという少年に転生していた。アルヴァロ王国魔法兵団の幹部を務めてきた名門アインレット家――だが、それも過去の栄光。今は爵位剥奪寸前まで落ちぶれてしまっていた。そんなアインレット家だが、兄が炎属性の、姉が水属性の優れた魔法使いになれる資質を持っていることが発覚し、両親は大喜び。これで再興できると喜ぶのだが、末っ子の俺は無属性魔法という地味で見栄えのしない属性であると診断されてしまい、その結果、父は政略結婚を画策し、俺の人生を自身の野望のために利用しようと目論む。
このまま利用され続けてたまるか、と思う俺は父のあてがった婚約者と信頼関係を築き、さらにそれまで見向きもしなかった自分の持つ無属性魔法を極め、父を言いくるめて辺境の地を領主として任命してもらうことに。そして、大陸の片隅にある辺境領地で、俺は万能な無属性魔法の力を駆使し、気ままな領地運営に挑む。――意気投合した、可愛い婚約者と一緒に。
最強の騎士団~1番強いのは団長ではなく料理人らしいです~
TTT
ファンタジー
ある王国に最強といわれる騎士団がいた。
ある人が聞いた
「やはり1番強いのは団長ですか?」と
しかし返ってきた言葉は予想と違った
「いいえ、料理人ですよ。」
小説家になろう様と重複投稿させていただいております。
更新遅いです。
感想を書いて下さると嬉しいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。