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密かな誓い
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それから数日後。私のリュドミラへの輿入れが正式に決まった。
少なくとも数ヶ月は結婚準備の期間が設けられると思いきや、輿入れは決定からなんと十日後であった。あまりにも短期間ではあるものの、リュドミラ側からそう言われたならばこちらは受け入れる他ない。とうとう私は、生まれ育った国を出ることになったのである。
テルクスタを発つ当日、宮殿には何十人ものリュドミラの騎士たちが私を迎えに来たのだった。見物にやって来た民衆は、そのあまりの絢爛さに目を丸くしていた。騎士の人数からはリュドミラの軍事力の高さが、そして彼らの装備や馬車の華やかさからは、リュドミラの経済的な豊かさが見て取れたのだった。
「お待たせ致しました。ヴィルヘルム国王陛下の命により、レイチェル王女殿下をお迎えに上がりました」
そう言って兄上に敬礼した騎士は、リュドミラの第一師団長だと名乗った。国の警備組織のトップが護衛をするなど、テルクスタからすれば異例なことである。それはリュドミラ側が、テルクスタを信用していないことの裏返しでもあった。
「ああ、ご苦労。それでは、妹をよろしく頼む」
「かしこまりました。それでは、レイチェル王女殿下と、付き添いの方はどうぞこちらへ」
「承知しました。それでは、行ってまいります」
家族みんなに向けて、私はそう言った。散歩にでも行くような軽い言い方にしたのは、別れの挨拶をなるべく湿っぽくしたくなかったからである。
父上から順に、私は一人ずつハグをしていく。涙は結婚式までとっておいてほしいのに、皆一様に目を潤ませていたのだった。
結婚式は明日の昼過ぎに、リュドミラの大聖堂で執り行われる。私以外の家族は当日の早朝に出発するが、私は式の準備のため、前日に出発するのである。
「レイチェル……どうか、気をつけて」
「ふふっ、これだけたくさんの方が守ってくださるなら、きっと大丈夫よ」
式の当日は、花嫁が自らの親族と話すことはない。だからこれが、家族との最後の会話である。
「レイチェル叔母様……」
「ナタリヤ、泣かないの。じゃあね。行きましょうか、メルロ」
「かしこまりました」
付き添い役に選ばれたメルロと共に、私は馬車へと乗り込んだのだった。
馬車の窓から見えるのは、家族との思い出の詰まったテルクスタの宮殿。二度と目にすることのない景色を目に焼きつけるように、私はずっと窓の外を眺めていた。
+
「ふふ、ぐっすり眠っちゃったわね」
宮殿から出て数時間。よほど疲れていたのか、知らぬ間に隣に座るメルロが眠っていたのである。起こすのも可哀想だったので、私はブランケットを彼女の肩からそっと掛けてあげたのだった。
私に同伴することが許されたのは、女性の使用人一人だけ。わざわざ女性と限定したのは、おそらく何か起きた際に抵抗できないようにするためだろう。
そしてリュドミラへ持ってくるよう指示された嫁入り道具は、ごくわずか。本来ならば家具やドレスなど身の回りのもの一式を持っていくのがテルクスタのしきたりだが、それは不要と言われたのだ。察するに、武器や毒などの危険物を持ち込ませないためだろう。
(そんなに警戒しなくてもいいのに……陛下はもしかして、用心深い方なのかしら?)
外の景色を見ながら、私はぼんやりと考え始めた。
リュドミラでは、王族は魔力を引き継ぐために、番占 いにより結婚相手を決めるのだという。そしてヴィルヘルムは、強大な魔力を持つがゆえに‘‘黒狼’’とも呼ばれているらしい。
世の中には魔力や癒しの力を持つ者がいるというのは知っていたが、実際に会うことは無論初めてである。それに、私も家族もヴィルヘルムとは一度も会ったことはない。だから、あれやこれやと想像が尽きないのである。
(優秀だからこそ神経質で警戒心が強い方もいると言うし、彼もそのタイプなのかもしれないわね。私、かなり大ざっぱな性格だけど、大丈夫かしら?)
特に心配なのは、寝相である。起きている時はある程度自分で努力することができるものの、寝ている時はそうはいかない。最悪、毛布でみの虫のように身体をぐるぐる巻きにするしかないだろう。
(朝起きたら旦那様のお顔を蹴飛ばしていて、初夜早々に寝汚いと怒られるだなんて、あってはならないものね)
その光景を想像すると、つい笑いが込み上げてきたのだった。やはり、深刻なことを考えるのはつくづく向いていない。この楽天的な性格は、きっと母上譲りなのだろう。
「……ふふっ」
しかし緊張が和らいだ瞬間。突然、喉の奥をガラス片で突き刺されたような痛みが襲ってきたのだった。
「げほっ、げほっ……!!」
外にいる騎士たちに気づかれないように、上体を屈めてから咳き込む。発作的に起きる咳には慣れていたけれど、しばらく続くから困ったものである。
「……っ、は、あ」
ようやく咳が止まり、私は口を抑えていたハンカチを外した。
そこには、吐き出された血がべっとりと付いていたのだった。
「……メルロが寝てる時で良かったわ」
ハンカチを小さく折りたたんでポケットにしまいながら、私は呟いた。
激しい咳は今までも周期的に起きていたことだが、近頃はその周期が短くなってきていた。それは、確実に死が歩み寄ってきていることに他ならない。
しかし、私はまだ死ぬわけにはいかない。ヴィルヘルムとの間に世継ぎをもうけるという、役目を果たさねばならないのだ。……愛する家族の幸せのためにも。
(結婚してすぐに妊娠したならば……一年あれば大丈夫なはず。一年。一年は何がなんでも、生き伸びてみせる)
ハンカチを握りしめて、私は心の中で密かに誓った。
少なくとも数ヶ月は結婚準備の期間が設けられると思いきや、輿入れは決定からなんと十日後であった。あまりにも短期間ではあるものの、リュドミラ側からそう言われたならばこちらは受け入れる他ない。とうとう私は、生まれ育った国を出ることになったのである。
テルクスタを発つ当日、宮殿には何十人ものリュドミラの騎士たちが私を迎えに来たのだった。見物にやって来た民衆は、そのあまりの絢爛さに目を丸くしていた。騎士の人数からはリュドミラの軍事力の高さが、そして彼らの装備や馬車の華やかさからは、リュドミラの経済的な豊かさが見て取れたのだった。
「お待たせ致しました。ヴィルヘルム国王陛下の命により、レイチェル王女殿下をお迎えに上がりました」
そう言って兄上に敬礼した騎士は、リュドミラの第一師団長だと名乗った。国の警備組織のトップが護衛をするなど、テルクスタからすれば異例なことである。それはリュドミラ側が、テルクスタを信用していないことの裏返しでもあった。
「ああ、ご苦労。それでは、妹をよろしく頼む」
「かしこまりました。それでは、レイチェル王女殿下と、付き添いの方はどうぞこちらへ」
「承知しました。それでは、行ってまいります」
家族みんなに向けて、私はそう言った。散歩にでも行くような軽い言い方にしたのは、別れの挨拶をなるべく湿っぽくしたくなかったからである。
父上から順に、私は一人ずつハグをしていく。涙は結婚式までとっておいてほしいのに、皆一様に目を潤ませていたのだった。
結婚式は明日の昼過ぎに、リュドミラの大聖堂で執り行われる。私以外の家族は当日の早朝に出発するが、私は式の準備のため、前日に出発するのである。
「レイチェル……どうか、気をつけて」
「ふふっ、これだけたくさんの方が守ってくださるなら、きっと大丈夫よ」
式の当日は、花嫁が自らの親族と話すことはない。だからこれが、家族との最後の会話である。
「レイチェル叔母様……」
「ナタリヤ、泣かないの。じゃあね。行きましょうか、メルロ」
「かしこまりました」
付き添い役に選ばれたメルロと共に、私は馬車へと乗り込んだのだった。
馬車の窓から見えるのは、家族との思い出の詰まったテルクスタの宮殿。二度と目にすることのない景色を目に焼きつけるように、私はずっと窓の外を眺めていた。
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「ふふ、ぐっすり眠っちゃったわね」
宮殿から出て数時間。よほど疲れていたのか、知らぬ間に隣に座るメルロが眠っていたのである。起こすのも可哀想だったので、私はブランケットを彼女の肩からそっと掛けてあげたのだった。
私に同伴することが許されたのは、女性の使用人一人だけ。わざわざ女性と限定したのは、おそらく何か起きた際に抵抗できないようにするためだろう。
そしてリュドミラへ持ってくるよう指示された嫁入り道具は、ごくわずか。本来ならば家具やドレスなど身の回りのもの一式を持っていくのがテルクスタのしきたりだが、それは不要と言われたのだ。察するに、武器や毒などの危険物を持ち込ませないためだろう。
(そんなに警戒しなくてもいいのに……陛下はもしかして、用心深い方なのかしら?)
外の景色を見ながら、私はぼんやりと考え始めた。
リュドミラでは、王族は魔力を引き継ぐために、番占 いにより結婚相手を決めるのだという。そしてヴィルヘルムは、強大な魔力を持つがゆえに‘‘黒狼’’とも呼ばれているらしい。
世の中には魔力や癒しの力を持つ者がいるというのは知っていたが、実際に会うことは無論初めてである。それに、私も家族もヴィルヘルムとは一度も会ったことはない。だから、あれやこれやと想像が尽きないのである。
(優秀だからこそ神経質で警戒心が強い方もいると言うし、彼もそのタイプなのかもしれないわね。私、かなり大ざっぱな性格だけど、大丈夫かしら?)
特に心配なのは、寝相である。起きている時はある程度自分で努力することができるものの、寝ている時はそうはいかない。最悪、毛布でみの虫のように身体をぐるぐる巻きにするしかないだろう。
(朝起きたら旦那様のお顔を蹴飛ばしていて、初夜早々に寝汚いと怒られるだなんて、あってはならないものね)
その光景を想像すると、つい笑いが込み上げてきたのだった。やはり、深刻なことを考えるのはつくづく向いていない。この楽天的な性格は、きっと母上譲りなのだろう。
「……ふふっ」
しかし緊張が和らいだ瞬間。突然、喉の奥をガラス片で突き刺されたような痛みが襲ってきたのだった。
「げほっ、げほっ……!!」
外にいる騎士たちに気づかれないように、上体を屈めてから咳き込む。発作的に起きる咳には慣れていたけれど、しばらく続くから困ったものである。
「……っ、は、あ」
ようやく咳が止まり、私は口を抑えていたハンカチを外した。
そこには、吐き出された血がべっとりと付いていたのだった。
「……メルロが寝てる時で良かったわ」
ハンカチを小さく折りたたんでポケットにしまいながら、私は呟いた。
激しい咳は今までも周期的に起きていたことだが、近頃はその周期が短くなってきていた。それは、確実に死が歩み寄ってきていることに他ならない。
しかし、私はまだ死ぬわけにはいかない。ヴィルヘルムとの間に世継ぎをもうけるという、役目を果たさねばならないのだ。……愛する家族の幸せのためにも。
(結婚してすぐに妊娠したならば……一年あれば大丈夫なはず。一年。一年は何がなんでも、生き伸びてみせる)
ハンカチを握りしめて、私は心の中で密かに誓った。
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