15 / 15
おまけの小話(ドゴール視点)③
しおりを挟む
「……っ、は、っ」
「ふふ、気持ち良いですか?」
私の素肌に手を滑らせながら、エレナは言った。その笑みは酷く蠱惑的であり、やや意地悪くも見える。今の状況からして、それも致し方ないだろう。
「最近お仕事で疲れてらっしゃるから、マッサージが効くと良いのですが」
「……っ、エレナ、っ、もう……、ぐっ!?
」
「あら、そんな声出したらスヴェンが起きてしまうじゃないですか」
「……っ」
からかい混じりの彼女の一言を聞いて、慌てて手のひらを噛んで口を閉じる。横目でベビーベッドの方に目を向けるが、息子が起きた気配は無い。それに安堵したのも束の間。性的な快感が下半身からせり上ってきたのだった。
「……っ、ぐ!?」
「ん、好いみたいですね」
いつの間にか、鼠径部を触れ回っていたエレナの手は陰嚢を握っていた。皮膚を撫でさするような手つきが異常なまでに厭らしく、へその下では既に牡茎が硬く反り上がっている。
それは、世間で言うマッサージの域を超えていた。
寝室に来るや否や、エレナはマッサージを受けないかと誘ってきたのだ。近頃私は仕事が多忙だったので、中々夫婦だけの時間を作れていなかった。それもあり断る理由も無いので、私は直ぐに頷いた。
最初は肩もみから始まり、それがうつ伏せに寝た状態でのマッサージになり……そこまでは良かった。
が、仰向けになってから状況は一変した。鎖骨から腕、そして腹から下腹部へと手が降りていき、あれよあれよという間に下穿きを脱がされ、今に至るのだ。
マッサージについては本で読んだと先程エレナは言っていたが、それが一般書ではないことは明らかである。気付いた上でわざとなのかは……考えないでおこう。
息子が寝てるので大きな声は出せない。マッサージという名目である以上、これ以上のことを求めてはいけないような気もする。私ができるのは、悶々としながら身体を捩ることだけだ。
「……っぐ!!」
しかしエレナの指の爪が陰茎の根元を引っ掻いた瞬間、昂ったそれはとうとう勢い良く白濁を吐き出したのだった。
「ふふっ、満足いただけたようで何よりですわ」
肩で息をする自分を満足気に一瞥してから、エレナは浴巾で精液を拭った。それが不安と恐怖に苛まれて初夜に大泣きしていた女とは、到底信じられないことだ。
……嫁の尻に敷かれてはないが、まさかあの彼女がこんなふうに化けるとはな。
「悪いが、やられっぱなしは性に合わないんだ」
「え? あっ……!!」
むくりと起き上がり、そのままエレナをシーツの上に押し倒す。これで、形勢逆転である。
ナイトドレスの上から柔らかな身体に触れると、エレナはそれを手で制した。いつもと違う反応にやや驚いていると、彼女は小さく呟いた。
「……っ、その、産後に胸も何も、体型が変わって……太ってしまったので」
その言葉には、嫌われないかという不安が滲んでいた。そんなこと、起こるはずか無いのに。
「愛しい女を嫌うなんて選択肢が、あると思うか?」
「あ、……っ、や、ぁ」
耳元で囁きながら、止められていないもう片方の手で彼女の首元に触れる。すると擽ったいのか身体を震わせたものの、止められることはなかった。
私の手を制していた手も、段々と力が抜けていく。それを見計らって、私は指を絡めるように手を繋いだ。
「ん……」
自分の鼻先に口付けが落とされる。良しの合図が出たところで、私はナイトドレスを脱がし始めた。
昔、エレナは自らを化粧箱に入りきらなくなった果実だと言った。それはコルセットのボタンが留められず花嫁選びで負けたことへの皮肉だろう。
が、食い意地の張った熊からすればグアダルーデで求められる美の基準など些細なことである。愛する女を美味しく食べることに変わりは無い。
互いに全ての衣服を取り払い、私はエレナを身体ごと捕まえるように抱き締めた。
「愛してる、エレナ」
蝶の羽のように左右対称で綺麗な形をした耳に、私はそっと口付けた。
「ふふ、気持ち良いですか?」
私の素肌に手を滑らせながら、エレナは言った。その笑みは酷く蠱惑的であり、やや意地悪くも見える。今の状況からして、それも致し方ないだろう。
「最近お仕事で疲れてらっしゃるから、マッサージが効くと良いのですが」
「……っ、エレナ、っ、もう……、ぐっ!?
」
「あら、そんな声出したらスヴェンが起きてしまうじゃないですか」
「……っ」
からかい混じりの彼女の一言を聞いて、慌てて手のひらを噛んで口を閉じる。横目でベビーベッドの方に目を向けるが、息子が起きた気配は無い。それに安堵したのも束の間。性的な快感が下半身からせり上ってきたのだった。
「……っ、ぐ!?」
「ん、好いみたいですね」
いつの間にか、鼠径部を触れ回っていたエレナの手は陰嚢を握っていた。皮膚を撫でさするような手つきが異常なまでに厭らしく、へその下では既に牡茎が硬く反り上がっている。
それは、世間で言うマッサージの域を超えていた。
寝室に来るや否や、エレナはマッサージを受けないかと誘ってきたのだ。近頃私は仕事が多忙だったので、中々夫婦だけの時間を作れていなかった。それもあり断る理由も無いので、私は直ぐに頷いた。
最初は肩もみから始まり、それがうつ伏せに寝た状態でのマッサージになり……そこまでは良かった。
が、仰向けになってから状況は一変した。鎖骨から腕、そして腹から下腹部へと手が降りていき、あれよあれよという間に下穿きを脱がされ、今に至るのだ。
マッサージについては本で読んだと先程エレナは言っていたが、それが一般書ではないことは明らかである。気付いた上でわざとなのかは……考えないでおこう。
息子が寝てるので大きな声は出せない。マッサージという名目である以上、これ以上のことを求めてはいけないような気もする。私ができるのは、悶々としながら身体を捩ることだけだ。
「……っぐ!!」
しかしエレナの指の爪が陰茎の根元を引っ掻いた瞬間、昂ったそれはとうとう勢い良く白濁を吐き出したのだった。
「ふふっ、満足いただけたようで何よりですわ」
肩で息をする自分を満足気に一瞥してから、エレナは浴巾で精液を拭った。それが不安と恐怖に苛まれて初夜に大泣きしていた女とは、到底信じられないことだ。
……嫁の尻に敷かれてはないが、まさかあの彼女がこんなふうに化けるとはな。
「悪いが、やられっぱなしは性に合わないんだ」
「え? あっ……!!」
むくりと起き上がり、そのままエレナをシーツの上に押し倒す。これで、形勢逆転である。
ナイトドレスの上から柔らかな身体に触れると、エレナはそれを手で制した。いつもと違う反応にやや驚いていると、彼女は小さく呟いた。
「……っ、その、産後に胸も何も、体型が変わって……太ってしまったので」
その言葉には、嫌われないかという不安が滲んでいた。そんなこと、起こるはずか無いのに。
「愛しい女を嫌うなんて選択肢が、あると思うか?」
「あ、……っ、や、ぁ」
耳元で囁きながら、止められていないもう片方の手で彼女の首元に触れる。すると擽ったいのか身体を震わせたものの、止められることはなかった。
私の手を制していた手も、段々と力が抜けていく。それを見計らって、私は指を絡めるように手を繋いだ。
「ん……」
自分の鼻先に口付けが落とされる。良しの合図が出たところで、私はナイトドレスを脱がし始めた。
昔、エレナは自らを化粧箱に入りきらなくなった果実だと言った。それはコルセットのボタンが留められず花嫁選びで負けたことへの皮肉だろう。
が、食い意地の張った熊からすればグアダルーデで求められる美の基準など些細なことである。愛する女を美味しく食べることに変わりは無い。
互いに全ての衣服を取り払い、私はエレナを身体ごと捕まえるように抱き締めた。
「愛してる、エレナ」
蝶の羽のように左右対称で綺麗な形をした耳に、私はそっと口付けた。
10
お気に入りに追加
198
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
【R18】身代わり令嬢は、銀狼陛下に獣愛を注がれる
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
人間の国で王太子妃となるべく育てられた公爵令嬢エマ。だが、エマの義妹に獣人国との政略結婚が持ち上がった際に、王太子から「君の妹を好きになってしまった」と言われて義妹に奪われた挙げ句、エマが獣人国に嫁がされることになってしまった。
夫になったのは、獣人国を統べる若き皇帝ファング・ベスティエ。狼獣人と人間の混血である彼は、ほとんど人間といって差し支えのない存在だ。だが、あまり愛のある結婚とは言えず、妻として求められるのは月に一度きりであり、満月の前後には全く会うことが出来ない。
そんな状態が1年近く続いたある時、豹令嬢から「私は満月の日の前後、ファング様から夜の呼び出しがあっている」と告げられてしまい――?
※ムーンライトノベルズで日間1位になりました。
※10000字数程度の短編。全16話。
※R18は正常位(半獣人)→対面座位(獣人)→後輩位(獣姦)、苦手な人は避けてください。
騎士団長の欲望に今日も犯される
シェルビビ
恋愛
ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。
就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。
ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。
しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。
無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。
文章を付け足しています。すいません
腹黒王子は、食べ頃を待っている
月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。
【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!
臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。
そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。
※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています
※表紙はニジジャーニーで生成しました
皇帝陛下は皇妃を可愛がる~俺の可愛いお嫁さん、今日もいっぱい乱れてね?~
一ノ瀬 彩音
恋愛
ある国の皇帝である主人公は、とある理由から妻となったヒロインに毎日のように夜伽を命じる。
だが、彼女は恥ずかしいのか、いつも顔を真っ赤にして拒むのだ。
そんなある日、彼女はついに自分から求めるようになるのだが……。
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
騎士様、責任取って下さいな~淫紋聖女はえっちな小悪魔女子なのです~
二階堂まや
恋愛
聖女エルネは護衛騎士ヴェルナーと夫婦同然の暮らしをしているが、結婚して欲しいとは中々口に出せない。
それに加えて彼女は、近頃性欲が満たされないことに悩んでいた。エルネは人としての三大欲求が満たされていないと強い魔力を使えないため、それは国のために力を使う彼女としては由々しき事態であった。
自らの欲求を満たすためにエルネは身体に淫紋を付けるが、それを見たヴェルナーに怒られてしまう。
そして彼は、責任を取るべく肉体的に彼女を満足させると言い出して……?
関連作品
「騎士様に甘いお仕置きをされました~聖女の姉君は媚薬の調合がお得意~」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる