11 / 41
令嬢、照れる
しおりを挟む
「残念ながら私でございましたよ、殿下」
壁に寄りかかり、グロウは口に手を当ててクスクスと笑う。やや丸みのあるつり目が細められ、その姿は何処と無く黒猫を思わせた。
「何がおかしい?」
「いえ、殿下がそこまで何方かと仲睦まじくしていらっしゃる姿を見るのは初めてでしたので、つい」
「!?」
グロウの一言で、私はハッと我に返った。エドヴァルドと私はブローチを着けた時から一歩も動いていないので、至近距離で向かい合っている形だ。何をどう勘違いされても、おかしくはない。
仲睦まじいというグロウの言葉に妙な艶のある響きを感じ、私はエドヴァルドからすぐに距離をとった。
「ぐ、ぐ、グロウ様!! これは違いますの……どうか勘違いなさらないでくださいな!!」
「……それで、お前が何故ここに居るんだ?」
慌てふためく私とは対称的に、エドヴァルドは至って落ち着いている。が、彼は何となく不機嫌な空気を纏っていた。
グロウを見つめる鋭い目つきは、イヴァンであった時の彼を彷彿とさせた。
「知人がバザーの手伝いをしてましたので、遊びに来たんですよ」
「そうか」
「あ、それから。一つ伝言を預かっておりまして。大分客足が落ち着いてきたので、お二人共、今から休憩も兼ねて祭りの見学に行って良いとのことでした」
「分かった。伝言ご苦労。それでは、行きましょうか」
素っ気なく礼を言ってから、エドヴァルドは私にいつもの笑顔を向けた。先程までの殺気は何処へやら。その声は弾んでいるようにも聞こえた。
「どうぞ、ごゆっくり」
そう言ったグロウの胸元には、バザーで売っているブローチが光っていた。偶然なのか、それはエドヴァルドが着けているものと同じ星柄であった。
「ああ、私もお一つ購入させていただきました」
「あ、ありがとうございます。グロウ様」
「いえ、とんでもないことです」
私が礼を言うと、背の高い‘‘黒猫’’は意味ありげににやりと笑った。
「……先程は、彼が失礼しました」
バザーの会場を出ると、エドヴァルドは申し訳なさそうに謝ってきたのだった。
「彼には後で、女性を困らせるようなことを言うなと厳しく言っておきますので」
「い、いえ……少し驚いてしまっただけですので。ほら、グロウ様は聡明な方なので、時折私が想像もしてないことを仰られるので」
このままではグロウの命が危ないと思い、それとなく私は、フォローを入れた。
とはいえ、グロウが優秀な人間なのは誰から見ても明らかなことであった。話す内容から言葉選びに至るまで、とにかく頭の良さが滲み出ているのだ。令嬢達からの人気も高く、彼の噂を耳にすることも多い。
しかし女友達をあまり作っていないらしく、女性陣からは手の届かない存在として認識されているようだ。イヴァンと同じく、近寄り難いが好かれる存在なのだ。
「……さて、彼の話もここまでとして。気分転換に、屋台でも見に行きませんか?」
まるでグロウを話題の上からも強制退場させるかのように、エドヴァルドは急に話を変えた。そう言われたならば、私はもう頷く他無かった。
普段優しい彼がこんなに苛立っているのを見るのは、初めてだわ。
前世でも、彼は取っ付き難い雰囲気ではあったものの、怒鳴ったり怒ったりするところは一度も見たことが無かった。だから、こんな些細なことで彼が苛立っているのが私は不思議で仕方がなかったのである。
そこでふと、まだ私達は昼食を食べていないことを思い出した。
「殿下、よろしければ、食べ物の屋台を見に行きませんか?」
お腹が空けば、どんな人でも苛立ってくるものだ。そう思い、私は提案したのだった。
「そう言えばお昼がまだでしたね、そうしましょうか。メイベル様は何が食べたいですか?」
「うーん、……取り敢えず、見ながら決めましょうか?」
あれこれ相談しながら、私達は使用人を引き連れて、屋台の並ぶ大通りへと向かったのである。
+
屋台でいくつか食べ物を買った後、私達はサーカスを観に王立の劇場へと向かった。飲食物の持ち込みが可能だったので、席で食べることにしたのである。
そして、私達が通されたのは……カルダニア王室の人々のために用意された、二階席であった。
「殿下、その……私などがこんな特等席にご一緒して、よろしいのですか? こちらは王室の方用とお聞きしたのですが」
「ふふ、大丈夫ですよ。ここは親しい間柄の友人であれば来て良い場所なので」
友人ではなく、親しい友人。その言葉選びに、特別な意味があるかは分からない。しかし、私としては意識してしまうのであった。
席に着いてから、私達は屋台で買った品々をテーブルに並べ始めた。公爵の娘だからと言って高級品ばかり食している訳ではないが、カルダニアの庶民的な料理を食べるのは初めてだ。ハリーストでは見ない料理を見て、私はすっかりワクワクしていた。
「貴方のお好きなパンだけ無くて、残念でしたわね」
珍しい木の実が入ったチョコマフィンの包み紙を破りながら、私は呟いた。私達は街のパン屋が出している屋台にも行ったのだが、生憎エドヴァルドの好物だけは売り切れだったのである。
「まあ、仕方の無いことです。あそこの店では一番人気らしいので」
揚げパンにかぶりつきながら、エドヴァルドは困ったように言った。
パンの屋台では、私はチョコ味のマフィンを、彼は揚げパンを選んだ。その時は大して揚げパンに惹かれなかったものの、横で食べているのを見ると美味しそうに見えてきたのだった。
マフィンも抜群に美味しい。しかし、油で揚げた香ばしい香りは、私を強烈に惹き付けるものであった。
「……こちらも、お召し上がりになりますか?」
「え、え!?」
「手前側は口を付けてしまいましたが、後ろ側はまっさらですので、よろしければ」
目は口ほどに物を言うとは、正にこのことだろう。
「じ、じゃあ……お言葉に甘えて。代わりと言ってはなんですが、マフィンも召し上がりますか?」
「ありがとうございます、それでは私もお言葉に甘えて。どうぞ、お好きなだけ……!?」
ぱくり。
私は揚げパンに思い切りかぶりついた。それを見たエドヴァルドは、何故か絶句してしまったのである。
……あれ、もしかして?
エドヴァルドの表情を見て、私はようやく理解した。
彼としては、欲しい分だけ手で千切ってくれという意味だったらしい。私からすれば、欲しい分だけかぶりつけと言う意味で理解していた。
うっかり、家族と食べ物をシェアする時と同じようにしてしまったのである。
「も、も、申し訳ございません……!!」
品の無さを露呈してしまい、恥ずかしさのあまり、私は可能な限り後ずさった。
「で、殿下……?」
「……っ」
しかし。よく見ると、何故か彼までも顔を赤くしていた。それは微かな変化なのだけれども彼が色白なこともあり、目立って見えたのである。
「そ、そ、そろそろ開演ですわね!! 後は観ながらいただきましょうか、ね?」
「そうしましょうか」
とても、とても気まずい。
サーカスが終わったらどうしようかと考えながら、私は舞台へと目を向けた。
壁に寄りかかり、グロウは口に手を当ててクスクスと笑う。やや丸みのあるつり目が細められ、その姿は何処と無く黒猫を思わせた。
「何がおかしい?」
「いえ、殿下がそこまで何方かと仲睦まじくしていらっしゃる姿を見るのは初めてでしたので、つい」
「!?」
グロウの一言で、私はハッと我に返った。エドヴァルドと私はブローチを着けた時から一歩も動いていないので、至近距離で向かい合っている形だ。何をどう勘違いされても、おかしくはない。
仲睦まじいというグロウの言葉に妙な艶のある響きを感じ、私はエドヴァルドからすぐに距離をとった。
「ぐ、ぐ、グロウ様!! これは違いますの……どうか勘違いなさらないでくださいな!!」
「……それで、お前が何故ここに居るんだ?」
慌てふためく私とは対称的に、エドヴァルドは至って落ち着いている。が、彼は何となく不機嫌な空気を纏っていた。
グロウを見つめる鋭い目つきは、イヴァンであった時の彼を彷彿とさせた。
「知人がバザーの手伝いをしてましたので、遊びに来たんですよ」
「そうか」
「あ、それから。一つ伝言を預かっておりまして。大分客足が落ち着いてきたので、お二人共、今から休憩も兼ねて祭りの見学に行って良いとのことでした」
「分かった。伝言ご苦労。それでは、行きましょうか」
素っ気なく礼を言ってから、エドヴァルドは私にいつもの笑顔を向けた。先程までの殺気は何処へやら。その声は弾んでいるようにも聞こえた。
「どうぞ、ごゆっくり」
そう言ったグロウの胸元には、バザーで売っているブローチが光っていた。偶然なのか、それはエドヴァルドが着けているものと同じ星柄であった。
「ああ、私もお一つ購入させていただきました」
「あ、ありがとうございます。グロウ様」
「いえ、とんでもないことです」
私が礼を言うと、背の高い‘‘黒猫’’は意味ありげににやりと笑った。
「……先程は、彼が失礼しました」
バザーの会場を出ると、エドヴァルドは申し訳なさそうに謝ってきたのだった。
「彼には後で、女性を困らせるようなことを言うなと厳しく言っておきますので」
「い、いえ……少し驚いてしまっただけですので。ほら、グロウ様は聡明な方なので、時折私が想像もしてないことを仰られるので」
このままではグロウの命が危ないと思い、それとなく私は、フォローを入れた。
とはいえ、グロウが優秀な人間なのは誰から見ても明らかなことであった。話す内容から言葉選びに至るまで、とにかく頭の良さが滲み出ているのだ。令嬢達からの人気も高く、彼の噂を耳にすることも多い。
しかし女友達をあまり作っていないらしく、女性陣からは手の届かない存在として認識されているようだ。イヴァンと同じく、近寄り難いが好かれる存在なのだ。
「……さて、彼の話もここまでとして。気分転換に、屋台でも見に行きませんか?」
まるでグロウを話題の上からも強制退場させるかのように、エドヴァルドは急に話を変えた。そう言われたならば、私はもう頷く他無かった。
普段優しい彼がこんなに苛立っているのを見るのは、初めてだわ。
前世でも、彼は取っ付き難い雰囲気ではあったものの、怒鳴ったり怒ったりするところは一度も見たことが無かった。だから、こんな些細なことで彼が苛立っているのが私は不思議で仕方がなかったのである。
そこでふと、まだ私達は昼食を食べていないことを思い出した。
「殿下、よろしければ、食べ物の屋台を見に行きませんか?」
お腹が空けば、どんな人でも苛立ってくるものだ。そう思い、私は提案したのだった。
「そう言えばお昼がまだでしたね、そうしましょうか。メイベル様は何が食べたいですか?」
「うーん、……取り敢えず、見ながら決めましょうか?」
あれこれ相談しながら、私達は使用人を引き連れて、屋台の並ぶ大通りへと向かったのである。
+
屋台でいくつか食べ物を買った後、私達はサーカスを観に王立の劇場へと向かった。飲食物の持ち込みが可能だったので、席で食べることにしたのである。
そして、私達が通されたのは……カルダニア王室の人々のために用意された、二階席であった。
「殿下、その……私などがこんな特等席にご一緒して、よろしいのですか? こちらは王室の方用とお聞きしたのですが」
「ふふ、大丈夫ですよ。ここは親しい間柄の友人であれば来て良い場所なので」
友人ではなく、親しい友人。その言葉選びに、特別な意味があるかは分からない。しかし、私としては意識してしまうのであった。
席に着いてから、私達は屋台で買った品々をテーブルに並べ始めた。公爵の娘だからと言って高級品ばかり食している訳ではないが、カルダニアの庶民的な料理を食べるのは初めてだ。ハリーストでは見ない料理を見て、私はすっかりワクワクしていた。
「貴方のお好きなパンだけ無くて、残念でしたわね」
珍しい木の実が入ったチョコマフィンの包み紙を破りながら、私は呟いた。私達は街のパン屋が出している屋台にも行ったのだが、生憎エドヴァルドの好物だけは売り切れだったのである。
「まあ、仕方の無いことです。あそこの店では一番人気らしいので」
揚げパンにかぶりつきながら、エドヴァルドは困ったように言った。
パンの屋台では、私はチョコ味のマフィンを、彼は揚げパンを選んだ。その時は大して揚げパンに惹かれなかったものの、横で食べているのを見ると美味しそうに見えてきたのだった。
マフィンも抜群に美味しい。しかし、油で揚げた香ばしい香りは、私を強烈に惹き付けるものであった。
「……こちらも、お召し上がりになりますか?」
「え、え!?」
「手前側は口を付けてしまいましたが、後ろ側はまっさらですので、よろしければ」
目は口ほどに物を言うとは、正にこのことだろう。
「じ、じゃあ……お言葉に甘えて。代わりと言ってはなんですが、マフィンも召し上がりますか?」
「ありがとうございます、それでは私もお言葉に甘えて。どうぞ、お好きなだけ……!?」
ぱくり。
私は揚げパンに思い切りかぶりついた。それを見たエドヴァルドは、何故か絶句してしまったのである。
……あれ、もしかして?
エドヴァルドの表情を見て、私はようやく理解した。
彼としては、欲しい分だけ手で千切ってくれという意味だったらしい。私からすれば、欲しい分だけかぶりつけと言う意味で理解していた。
うっかり、家族と食べ物をシェアする時と同じようにしてしまったのである。
「も、も、申し訳ございません……!!」
品の無さを露呈してしまい、恥ずかしさのあまり、私は可能な限り後ずさった。
「で、殿下……?」
「……っ」
しかし。よく見ると、何故か彼までも顔を赤くしていた。それは微かな変化なのだけれども彼が色白なこともあり、目立って見えたのである。
「そ、そ、そろそろ開演ですわね!! 後は観ながらいただきましょうか、ね?」
「そうしましょうか」
とても、とても気まずい。
サーカスが終わったらどうしようかと考えながら、私は舞台へと目を向けた。
1
お気に入りに追加
467
あなたにおすすめの小説
婚約破棄から始まる恋~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
きさらぎ
恋愛
テンネル侯爵家の嫡男エドガーに真実の愛を見つけたと言われ、ブルーバーグ侯爵家の令嬢フローラは婚約破棄された。フローラにはとても良い結婚条件だったのだが……しかし、これを機に結婚よりも大好きな研究に打ち込もうと思っていたら、ガーデンパーティーで新たな出会いが待っていた。一方、テンネル侯爵家はエドガー達のやらかしが重なり、気づいた時には―。
※『婚約破棄された地味令嬢は、あっという間に王子様に捕獲されました。』(現在は非公開です)をタイトルを変更して改稿をしています。
お気に入り登録・しおり等読んで頂いている皆様申し訳ございません。こちらの方を読んで頂ければと思います。
【完結】たれ耳うさぎの伯爵令嬢は、王宮魔術師様のお気に入り
楠結衣
恋愛
華やかな卒業パーティーのホール、一人ため息を飲み込むソフィア。
たれ耳うさぎ獣人であり、伯爵家令嬢のソフィアは、学園の噂に悩まされていた。
婚約者のアレックスは、聖女と呼ばれる美少女と婚約をするという。そんな中、見せつけるように、揃いの色のドレスを身につけた聖女がアレックスにエスコートされてやってくる。
しかし、ソフィアがアレックスに対して不満を言うことはなかった。
なぜなら、アレックスが聖女と結婚を誓う魔術を使っているのを偶然見てしまったから。
せめて、婚約破棄される瞬間は、アレックスのお気に入りだったたれ耳が、可愛く見えるように願うソフィア。
「ソフィーの耳は、ふわふわで気持ちいいね」
「ソフィーはどれだけ僕を夢中にさせたいのかな……」
かつて掛けられた甘い言葉の数々が、ソフィアの胸を締め付ける。
執着していたアレックスの真意とは?ソフィアの初恋の行方は?!
見た目に自信のない伯爵令嬢と、伯爵令嬢のたれ耳をこよなく愛する見た目は余裕のある大人、中身はちょっぴり変態な先生兼、王宮魔術師の溺愛ハッピーエンドストーリーです。
*全16話+番外編の予定です
*あまあです(ざまあはありません)
*表紙イラスト/倉河みおり様
*2023.2.9ホットランキング4位 ありがとうございます♪
【R18】出来損ないの魔女なので殿下の溺愛はお断りしたいのですが!? 気づいたら女子力高めな俺様王子の寵姫の座に収まっていました
深石千尋
恋愛
バーベナはエアネルス王国の三大公爵グロー家の娘にもかかわらず、生まれながらに魔女としての資質が低く、家族や使用人たちから『出来損ない』と呼ばれ虐げられる毎日を送っていた。
そんな中成人を迎えたある日、王族に匹敵するほどの魔力が覚醒してしまう。
今さらみんなから認められたいと思わないバーベナは、自由な外国暮らしを夢見て能力を隠すことを決意する。
ところが、ひょんなことから立太子を間近に控えたディアルムド王子にその力がバレて――
「手短に言いましょう。俺の妃になってください」
なんと求婚される事態に発展!! 断っても断ってもディアルムドのアタックは止まらない。
おまけに偉そうな王子様の、なぜか女子力高めなアプローチにバーベナのドキドキも止まらない!?
やむにやまれぬ事情から条件つきで求婚を受け入れるバーベナだが、結婚は形だけにとどまらず――!?
ただの契約妃のつもりでいた、自分に自信のないチートな女の子 × ハナから別れるつもりなんてない、女子力高めな俺様王子
────────────────────
○Rシーンには※マークあり
○他サイトでも公開中
────────────────────
箱入り令嬢と秘蜜の遊戯 -無垢な令嬢は王太子の溺愛で甘く蕩ける-
瀬月 ゆな
恋愛
「二人だけの秘密だよ」
伯爵家令嬢フィオレンツィアは、二歳年上の婚約者である王太子アドルフォードを子供の頃から「お兄様」と呼んで慕っている。
大人たちには秘密で口づけを交わし、素肌を曝し、まだ身体の交わりこそはないけれど身も心も離れられなくなって行く。
だけどせっかく社交界へのデビューを果たしたのに、アドルフォードはフィオレンツィアが夜会に出ることにあまり良い顔をしない。
そうして、従姉の振りをして一人こっそりと列席した夜会で、他の令嬢と親しそうに接するアドルフォードを見てしまい――。
「君の身体は誰のものなのか散々教え込んだつもりでいたけれど、まだ躾けが足りなかったかな」
第14回恋愛小説大賞にエントリーしています。
もしも気に入って下さったなら応援投票して下さると嬉しいです!
表紙には灰梅由雪様(https://twitter.com/haiumeyoshiyuki)が描いて下さったイラストを使用させていただいております。
☆エピソード完結型の連載として公開していた同タイトルの作品を元に、一つの話に再構築したものです。
完全に独立した全く別の話になっていますので、こちらだけでもお楽しみいただけると思います。
サブタイトルの後に「☆」マークがついている話にはR18描写が含まれますが、挿入シーン自体は最後の方にしかありません。
「★」マークがついている話はヒーロー視点です。
「ムーンライトノベルズ」様でも公開しています。
冷酷無比な国王陛下に愛されすぎっ! 絶倫すぎっ! ピンチかもしれませんっ!
仙崎ひとみ
恋愛
子爵家のひとり娘ソレイユは、三年前悪漢に襲われて以降、男性から劣情の目で見られないようにと、女らしいことを一切排除する生活を送ってきた。
18歳になったある日。デビュタントパーティに出るよう命じられる。
噂では、冷酷無悲な独裁王と称されるエルネスト国王が、結婚相手を探しているとか。
「はあ? 結婚相手? 冗談じゃない、お断り」
しかし両親に頼み込まれ、ソレイユはしぶしぶ出席する。
途中抜け出して城庭で休んでいると、酔った男に絡まれてしまった。
危機一髪のところを助けてくれたのが、何かと噂の国王エルネスト。
エルネストはソレイユを気に入り、なんとかベッドに引きずりこもうと企む。
そんなとき、三年前ソレイユを助けてくれた救世主に似た男性が現れる。
エルネストの弟、ジェレミーだ。
ジェレミーは思いやりがあり、とても優しくて、紳士の鏡みたいに高潔な男性。
心はジェレミーに引っ張られていくが、身体はエルネストが虎視眈々と狙っていて――――
【完結】殺されたくないので好みじゃないイケメン冷徹騎士と結婚します
大森 樹
恋愛
女子高生の大石杏奈は、上田健斗にストーカーのように付き纏われている。
「私あなたみたいな男性好みじゃないの」
「僕から逃げられると思っているの?」
そのまま階段から健斗に突き落とされて命を落としてしまう。
すると女神が現れて『このままでは何度人生をやり直しても、その世界のケントに殺される』と聞いた私は最強の騎士であり魔法使いでもある男に命を守ってもらうため異世界転生をした。
これで生き残れる…!なんて喜んでいたら最強の騎士は女嫌いの冷徹騎士ジルヴェスターだった!イケメンだが好みじゃないし、意地悪で口が悪い彼とは仲良くなれそうにない!
「アンナ、やはり君は私の妻に一番向いている女だ」
嫌いだと言っているのに、彼は『自分を好きにならない女』を妻にしたいと契約結婚を持ちかけて来た。
私は命を守るため。
彼は偽物の妻を得るため。
お互いの利益のための婚約生活。喧嘩ばかりしていた二人だが…少しずつ距離が近付いていく。そこに健斗ことケントが現れアンナに興味を持ってしまう。
「この命に代えても絶対にアンナを守ると誓おう」
アンナは無事生き残り、幸せになれるのか。
転生した恋を知らない女子高生×女嫌いのイケメン冷徹騎士のラブストーリー!?
ハッピーエンド保証します。
モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~
咲桜りおな
恋愛
前世で大好きだった乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した伯爵令嬢のアスチルゼフィラ・ピスケリー。
ヒロインでも悪役令嬢でもないモブキャラだからこそ、推しキャラ達の恋物語を遠くから鑑賞出来る! と楽しみにしていたら、関わりたくないのに何故か悪役令嬢の兄である騎士見習いがやたらと絡んでくる……。
いやいや、物語の当事者になんてなりたくないんです! お願いだから近付かないでぇ!
そんな思いも虚しく愛しの推しは全力でわたしを口説いてくる。おまけにキラキラ王子まで絡んで来て……逃げ場を塞がれてしまったようです。
結構、ところどころでイチャラブしております。
◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆
前作「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」のスピンオフ作品。
この作品だけでもちゃんと楽しんで頂けます。
番外編集もUPしましたので、宜しければご覧下さい。
「小説家になろう」でも公開しています。
伯爵は年下の妻に振り回される 記憶喪失の奥様は今日も元気に旦那様の心を抉る
新高
恋愛
※第15回恋愛小説大賞で奨励賞をいただきました!ありがとうございます!
※※2023/10/16書籍化しますーー!!!!!応援してくださったみなさま、ありがとうございます!!
契約結婚三年目の若き伯爵夫人であるフェリシアはある日記憶喪失となってしまう。失った記憶はちょうどこの三年分。記憶は失ったものの、性格は逆に明るく快活ーーぶっちゃけ大雑把になり、軽率に契約結婚相手の伯爵の心を抉りつつ、流石に申し訳ないとお詫びの品を探し出せばそれがとんだ騒ぎとなり、結果的に契約が取れて仲睦まじい夫婦となるまでの、そんな二人のドタバタ劇。
※本編完結しました。コネタを随時更新していきます。
※R要素の話には「※」マークを付けています。
※勢いとテンション高めのコメディーなのでふわっとした感じで読んでいただけたら嬉しいです。
※他サイト様でも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる