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♡全ては王女のために

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+ウェンデ視点
プレイ内容
+ウェンデの自慰行為

 思えば、ルイーセと離れて寝るのは、結婚後初めてかもしれない。そんなことを考えながら、私は寝台の上に一人身体を横たえていた。

 ベスレエラの宮殿での夜会が終わった後、ルイーセらリクスハーゲン王室の面々はそのまま宮殿で一泊することとなっていた。自分は王室メンバーとして参加していないため、そこには含まれていない。だから、今宵は彼女と別々の部屋で夜を過ごすことになったのである。

 式典の護衛任務はベスレエラ王立騎士団とリクスハーゲン王立騎士団の合同で行うため、自分も式典や夜会には参加した。しかしそれは、第三王女の夫としてではなく王立騎士団長としてである。ルイーセのことを遠目で見守ることはあっても、隣に立つことは無かった。

 だが、それで良い。これがルイーセのためだという気持ちが揺らぐことは無かった。 

 自分とルイーセの結婚が世間から歓迎されていないのは、既に知っていた。何故なら彼女は、リクスハーゲンの国民皆から深く愛されているのだから。

 結婚前、多忙な姉二人に代わって、ルイーセは国内での行事や慈善活動等に王室の代表として積極的に参加していた。人当たりが良く愛嬌のある彼女に対してリクスハーゲンの人々が親近感を抱くのは、ごく自然な流れであった。

 当然、ルイーセの結婚については国民の注目を集めていた。可憐な王女がどんな素敵な結婚相手を選ぶのかと、皆が婚約発表を心待ちにしていたのだ。きっと、童話に登場するような容姿端麗な貴公子を国民全員が思い描いていたに違いない。

 期待が高まる中で選ばれたのが、自分だったのだ。民衆の落胆ぶりは想像に難く無い。

 これ以上国民の感情を刺激するのを避けるため、自分の意向により結婚式の誓いのキスを誓いの指輪交換に変更した。

 しかし、思わぬところで民衆の感情を逆撫でしてしまうこととなる。

 ルイーセの希望でドレスも指輪もシンプルなものを選んだのだが、それが「王女との結婚に金を出し惜しんだ」とリクスハーゲンの人々の目に映ったのである。

 親愛なる王女の結婚を盛大に祝いたいというのは当然の気持ちであり、民衆にもルイーセにも非は無いのは確かだ。自分もその件に対して釈明する気は無かった。自分を悪役にしておけば、彼女が傷付くことを避けられるからである。

 数多ある選択肢の中で、ルイーセが何故自分を結婚相手として指名したかは分からない。

 しかし、ルイーセのためであるならば、自らの欲を押し殺すのにも抵抗は無かった。

 彼女のために尽くすこと。それが今の自分に唯一できることなのだから。

 ベスレエラの建国記念式典を無事終えることができたが、明日はリクスハーゲンでの式典が控えているので、まだ気は抜けない。明日も朝早起きする必要があるため、私は早々にベッドに入り、目を閉じたのだった。

 ……が、私は中々寝付けないでいた。

 無意識に、自らの下腹部に手が伸びていた。ルイーセと身体を重ねる機会も増えたからか、本能的に身体が彼女を欲していたのである。夜会で彼女の美しいドレス姿を見たのも、恐らく原因だろう。

 ''一回だけ''と決めて、軽くため息を吐いてから、私は下穿きを下ろして牡茎を握った。当然それは、まだ萎えていて柔らかい状態だった。手の側面が陰毛に当たるのが、やや擽ったく感じられた。

「……っ、は、っ」

 肉竿を乱雑に扱きながら、ルイーセの姿を頭に思い浮かべる。自分にだけ見せる蕩けた表情や、近頃肉付きの良くなってきた胸元を想像するだけで、ペニスは硬さを増していく。若干の自己嫌悪をしながらも、私は自身を慰める手を止められないでいた。

「……っ、ぐ、っ、」

 情事の際、自分はルイーセの身体を舌や指で愛撫するものの、彼女に自分の雄の部分を触れさせることは無い。私が彼女に尽くす必要はあるが、逆の必要は無いからである。

「は……っ、ぐ、」

 腹に付きそうな程に勃起したところで、私は空いていたもう片方の手で亀頭を刺激し始めた。

 最奥を突いた時の感触を思い出しながら、先端を爪で引っ掻いたり尿道口を刺激する。先走りで指が濡れるのにも構わず、私は快楽を積み上げることだけに集中した。

「は……っ、ぐ、っ、ぁ、っ」

 次第に陰嚢が張り詰めて、精子が上がってくるのを感じる。グシャグシャにしたちり紙を亀頭に宛がってから、追い込みをかけるように私は手の動きを早めた。

「っ!? ……っ、ぐ、ぁ、」

 快感が一瞬で身体中を駆け巡り、白濁が吐き出される。射精している間、牡茎は手のひらの中で生き物のように生々しく跳ねていた。

 全てを出し終えて、しばらく射精後の余韻に浸る。しかし、快楽の熱が冷めていくと、途端に虚無感が襲ってきたのだった。ルイーセの欲を満たすことに価値は感じるものの、自らの性欲を満たすことには何の価値も感じられなかったからである。

 ……何やってるんだか。

 衣服を整えてゴミ箱にちり紙を投げ捨ててから、私は眠りについたのだった。
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