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第一章 ユースとエリー
第九話 ショッピングデート③
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ユースとエリーは、任務に望むため、武器屋にやって来た。
「いらっしゃ……おお、エリーちゃん! 久しぶりだねぇ!」
やはりここの店主もエリーとは顔見知りのようだ。
しかし王族に対してなんと言う口の聞き方。
「おおっ! しばらく見ないうちにまた色っぽくなったねぇ! 胸とかもうスイカみたいに実っちゃって!」
(この店主は殺される……!)ユースは念のためエリーを抑える体制に入った。
「あら叔父様、セクハラで訴えるわよ、フフッ。」
しかしエリーは微笑みながら大人の対応をしていた。
いつの間にそんな精神的に成長したんだろう。
すると店主はユースを見て
「おっと!?そこに居るのはボーイフレンドか?」と言った。
エリーはこの発言を受けて「なっ……違うわよ叔父様!こいつはただの後輩で(以下略)」と、見るからに焦っていたが、ユースは無表情のまま「違います。」と答えた。
「……さ、さて、ユース。あんたの事だからもう剣持ってるから大丈夫とか思ってるんでしょうけどね、それほど自然界の戦闘ってのは甘くないのよ。」
エリーはコマンドレシーバーを取り出すと、接続バングルにセットした。
エリーの腰周りにベルトが装着される。右側には小物入れ、左側には銃が装備されていた。
エリーは小物入れに手を突っ込むと、なんと袋の大きさ以上のナイフを取り出した。
「自然戦士なら、剣士じゃなくたってナイフは最低二本持ってるわね。」
「ちょちょちょっと待って?今どうやってナイフを取り出したの?」
「ユースったらそんなことも知らなかったの?腰についてる袋は中が超次元空間になっていて、どんなものでも入るのよ。」
続いてエリーは、袋から手榴弾らしきものを取り出した。
「これは見ての通り手榴弾ね。属性に関係なくダメージを与えられるわ。」
「いやそんな物騒なものこんなところで出さないでよ!」
仕方ないわね、と言う表情で手榴弾をしまったエリーは、装着されている銃を取り出した。
「最後にこの銃ね。自然戦士には最初に武器が支給されるけれど、実はあんまり強くなかったりするのよ。」
「え、そうなの!? でも、普通に子ギートを一太刀で切り捨てるくらいの切れ味はあったよ?」
「それは子ギートが柔らかすぎんのよ。これからもっと強いギートや、下手したら人間とも戦うことになるわ。私だってほら、この銃改造の跡があるでしょ?」
そう言ってエリーはユースに銃を手渡した。
エリーの「氷結銃」は水色の銃身に氷の模様が彫られている。
しかし、グリップにダイヤモンドが埋め込まれていたり、銃身の縁が金で覆われていたりしている。
「……完っ全にただの装飾だよね?」
「違うわよ!ダイヤモンドは魔力を溜めるのに使うし、金は……」
「金は……?」
「……ただの装飾です……」そこには、王位継承者の威厳など全く無かった。
そしてユースが武器屋で買ったのは
・ナイフ二本
・手榴弾三個
・スタングレネード五個
・ルビー(剣のグリップに埋め込むため)
計十一点、合計価格は二十五万エウロー。そのうちルビーが十万を占めている。
ユースはそれを現金で支払った。
「こ、こんな大量の現金どうやって……」と、こっちの店主も引いていた。
ユースは早くクレジットカードを作ろうと決めた。
「さて、必要なものはこれくらいね。行くわよ、ユース。」エリーは足早にその場を後にした。
「あっちょっと早いよ!」「また来いよー!」遠くから店主の声が聞こえた。
エリーは無言で通路を歩いていた。
ユースはただならぬ気配を感じながらついていった。
やがてエリーは足を止め、何を思ったか、突然氷塊を作り始めた。
「な、いきなりこんなところで何してるの!?」
ユースの静止も聞かず、氷塊はどんどん大きくなり、最終的にはユースの身長ほどになった。
そしてエリーは銃を取り出し、「変化~無音~」のICカードをセットすると……
「ああもうムカつく!! あのクソセクハラオヤジ!!!」
エリーは狂ったように銃を氷塊に乱射していた。
「無音」のICカードがサイレンサーの役割をしているため、銃声は聞こえないが、エリーの声はモールじゅうに響いていた。
(ああ、やっぱりあの店主にストレスを感じてたのか……)ユースは同情しつつも、しばらく他人のふりをすることにした。
「……ごめんなさい、見苦しいところ見せちゃったわね。」
数分後、エリーは正気に戻った。
「まあ、僕が庇ってなきゃ普通に警察沙汰だったよ? 公共の場で大声をあげながら銃を乱射するなんて……」
「恥ずかしいから復唱しないでっ!」
「ところで、必要なものはもう買い終えたんだよね? もう帰って良い?」
「それじゃ面白くないでしょ? もうこんな時間だし、夕御飯にしましょう。」
「でも日夕点呼に間に合わないかも」ユースが言い終わらないうちに、ユースのシーバーが鳴った。
見てみると、皇帝からメッセージが来ていた。
「お主は帝国の常備軍に登録されているようじゃが、自然戦士は他国と戦う為の勢力ではないし、自然戦士には単独で動いてもらうことが多いので、勝手ながら予備軍に移動させてもらったぞ。」
「あら、ユース良かったじゃない! これで自由に動けるわよ!」
「良かったのかな?」ユースは正直不満だった。
「さて、そうと決まれば一階のレストラン街に行くわよ!」
「えーと、それはローマンドでは何階?」
「一階よ!」
第十話 ディナーは救助の後で に続く
「いらっしゃ……おお、エリーちゃん! 久しぶりだねぇ!」
やはりここの店主もエリーとは顔見知りのようだ。
しかし王族に対してなんと言う口の聞き方。
「おおっ! しばらく見ないうちにまた色っぽくなったねぇ! 胸とかもうスイカみたいに実っちゃって!」
(この店主は殺される……!)ユースは念のためエリーを抑える体制に入った。
「あら叔父様、セクハラで訴えるわよ、フフッ。」
しかしエリーは微笑みながら大人の対応をしていた。
いつの間にそんな精神的に成長したんだろう。
すると店主はユースを見て
「おっと!?そこに居るのはボーイフレンドか?」と言った。
エリーはこの発言を受けて「なっ……違うわよ叔父様!こいつはただの後輩で(以下略)」と、見るからに焦っていたが、ユースは無表情のまま「違います。」と答えた。
「……さ、さて、ユース。あんたの事だからもう剣持ってるから大丈夫とか思ってるんでしょうけどね、それほど自然界の戦闘ってのは甘くないのよ。」
エリーはコマンドレシーバーを取り出すと、接続バングルにセットした。
エリーの腰周りにベルトが装着される。右側には小物入れ、左側には銃が装備されていた。
エリーは小物入れに手を突っ込むと、なんと袋の大きさ以上のナイフを取り出した。
「自然戦士なら、剣士じゃなくたってナイフは最低二本持ってるわね。」
「ちょちょちょっと待って?今どうやってナイフを取り出したの?」
「ユースったらそんなことも知らなかったの?腰についてる袋は中が超次元空間になっていて、どんなものでも入るのよ。」
続いてエリーは、袋から手榴弾らしきものを取り出した。
「これは見ての通り手榴弾ね。属性に関係なくダメージを与えられるわ。」
「いやそんな物騒なものこんなところで出さないでよ!」
仕方ないわね、と言う表情で手榴弾をしまったエリーは、装着されている銃を取り出した。
「最後にこの銃ね。自然戦士には最初に武器が支給されるけれど、実はあんまり強くなかったりするのよ。」
「え、そうなの!? でも、普通に子ギートを一太刀で切り捨てるくらいの切れ味はあったよ?」
「それは子ギートが柔らかすぎんのよ。これからもっと強いギートや、下手したら人間とも戦うことになるわ。私だってほら、この銃改造の跡があるでしょ?」
そう言ってエリーはユースに銃を手渡した。
エリーの「氷結銃」は水色の銃身に氷の模様が彫られている。
しかし、グリップにダイヤモンドが埋め込まれていたり、銃身の縁が金で覆われていたりしている。
「……完っ全にただの装飾だよね?」
「違うわよ!ダイヤモンドは魔力を溜めるのに使うし、金は……」
「金は……?」
「……ただの装飾です……」そこには、王位継承者の威厳など全く無かった。
そしてユースが武器屋で買ったのは
・ナイフ二本
・手榴弾三個
・スタングレネード五個
・ルビー(剣のグリップに埋め込むため)
計十一点、合計価格は二十五万エウロー。そのうちルビーが十万を占めている。
ユースはそれを現金で支払った。
「こ、こんな大量の現金どうやって……」と、こっちの店主も引いていた。
ユースは早くクレジットカードを作ろうと決めた。
「さて、必要なものはこれくらいね。行くわよ、ユース。」エリーは足早にその場を後にした。
「あっちょっと早いよ!」「また来いよー!」遠くから店主の声が聞こえた。
エリーは無言で通路を歩いていた。
ユースはただならぬ気配を感じながらついていった。
やがてエリーは足を止め、何を思ったか、突然氷塊を作り始めた。
「な、いきなりこんなところで何してるの!?」
ユースの静止も聞かず、氷塊はどんどん大きくなり、最終的にはユースの身長ほどになった。
そしてエリーは銃を取り出し、「変化~無音~」のICカードをセットすると……
「ああもうムカつく!! あのクソセクハラオヤジ!!!」
エリーは狂ったように銃を氷塊に乱射していた。
「無音」のICカードがサイレンサーの役割をしているため、銃声は聞こえないが、エリーの声はモールじゅうに響いていた。
(ああ、やっぱりあの店主にストレスを感じてたのか……)ユースは同情しつつも、しばらく他人のふりをすることにした。
「……ごめんなさい、見苦しいところ見せちゃったわね。」
数分後、エリーは正気に戻った。
「まあ、僕が庇ってなきゃ普通に警察沙汰だったよ? 公共の場で大声をあげながら銃を乱射するなんて……」
「恥ずかしいから復唱しないでっ!」
「ところで、必要なものはもう買い終えたんだよね? もう帰って良い?」
「それじゃ面白くないでしょ? もうこんな時間だし、夕御飯にしましょう。」
「でも日夕点呼に間に合わないかも」ユースが言い終わらないうちに、ユースのシーバーが鳴った。
見てみると、皇帝からメッセージが来ていた。
「お主は帝国の常備軍に登録されているようじゃが、自然戦士は他国と戦う為の勢力ではないし、自然戦士には単独で動いてもらうことが多いので、勝手ながら予備軍に移動させてもらったぞ。」
「あら、ユース良かったじゃない! これで自由に動けるわよ!」
「良かったのかな?」ユースは正直不満だった。
「さて、そうと決まれば一階のレストラン街に行くわよ!」
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