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時代行列
出向
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沈黙。それを自分が破ることを先ほど指示された誠は、額に汗を掻きながらそのタイミングを計っていた。かなめもカウラもアメリアもその時を待っている。そして目の前に現れた人影を確認して四人が立ち上がって敬礼した瞬間誠は口を開いた。
「私が……専従そっさかっの……」
「馬鹿!噛むんじゃねえ!」
長い会議を終えたと言うことで難しい顔で所長室に入ってきたのはずんぐりむっくりの豊川警察署の署長だった。悠然と誠の前に現れたその姿を前にして誠は緊張のあまり挨拶すらできない有様だった。そんな誠は明らかに怒りの骨髄反射を起こしたかなめに足の親指をパンプスのかかとで踏まれた。
飛び上がりたい痛みに耐えながら誠は挨拶を再開しようとする。その痛々しい姿を見て表情を緩めた署長は笑みを浮かべながら口を開いた。
「まあ緊張しなくても……まあかけてくれます?」
署長は小太りで白髪が混じってはいるが良く見れば20代後半と言う感じに見えた。でこぼこコンビの大きい方という感じにも見える妙に張ったえらが特徴の角刈りの副署長。こちらは明らかに敵意で武装して誠達を見ながら自分の中で値踏みでもしているように見えた。
「ほら、座ってくださいよ」
丸顔をさらに丸くしたように笑う署長はリラックスして応接ソファーに誠達を座らせた。
出向メンバーとして選ばれたのは誠、かなめ、カウラ、そしてアメリアだった。どこか落ち着かない誠達の中で一人、悠然と座って小太りの署長に色目を使うアメリアいつもどおりのことだった。
「法術となると……うちでは素人捜査しかできないものでね」
署長のその言葉に明らかに不機嫌そうな顔をさらにゆがめる副署長。署長は本庁からのキャリア組、副署長は上級職からの現場叩き上げと言う経歴だろう。誠も何度か警察に出入りしているうちに相手の持っている雰囲気やしゃべる内容で相手の経歴がある程度わかるようになってきていた。
副署長の『我々にも法術に関する資料が有れば十分に捜査活動は可能なんです!』と言いたそうな顔を十分時間をかけて眺めた後、ゆっくりとアメリアは話を始めた。
「法術に関しては未だ未解明な部分が多いですから。正直な話、警察署に閲覧権限が無い法術関係の資料を我々が所持していることは否定しません。ですがそれは上層部の決定によるもので私達の一存ではなんとも出来ません。ですので今回私達が専属捜査官としてこちらにお世話になって、それらの情報も十分駆使して解決のために全力を尽くすことに決まりました」
丁寧に、そう心掛けているようにアメリアは言葉を紡いだ。同じことをかなめが言ったらたぶん副署長は怒りに任せてその場を立ち去っていたことだろう。誠は言いにくい話をさらりと言うアメリアの技術に感心しながら話を聞いていた。
文句は山ほどある。そんな顔の副署長を見るとアメリアは大きくため息をついてカウラに目をやった。カウラもそれが多少へりくだって見せろと言うアメリアの意図だと悟って静かな調子で口を開く。
「こちらもまだ捜査のノウハウを蓄積している段階です。市民社会への法術の情報提供はまだ各地で論議の最中ですが、残念なことに情報の漏洩や一部在野研究者による情報リークが進んでいるのが現状です。これからはさらに凶悪化、組織化が予想されますからできるだけ早く対応することが必要になります」
「とうちの責任者は申しております」
カウラの穏やかな言葉にかなめが茶々を入れた。その言葉に明らかに不快そうな顔をしたのはそれまで穏やかな表情だった署長の方だった。キャリアの署長。その言葉自体かなめの気に入る要素は無い。誠はなんとかこの場を乗り切ろうと考えはじめた。
最初は穏やかな言葉で場の雰囲気を作ったアメリアだが、彼女は当てにならない。おそらく彼女もかなめとこの小太りの署長の相性の悪さには気づいているはずだった。一応、義理は果たしたと言う顔をしているアメリアの本来の行動原理は『面白ければそれでいい』である。引っ掻き回しにかかられたら誠も分が悪い。一方、カウラはそんな相性などは考えることもない。ただ今回の事件が本当に豊川市に舞台を移したのかを知りたいと言う職業倫理に基づいて動くだけ。
「で……この署に法術適正者は何人いるんですか?」
早速カウラが尋ねる。実務的な話ならと、それまで不機嫌だった副署長の方がこれからの捜査で主導権を取ろうと話を切り出そうとした。だが彼も組織人である、隣の署長に目をやった。署長はなにやら複雑な笑みを浮かべて黙ってかなめを見つめていた。かなめは目をそらさずにそれに答えて卑屈そうな笑みを浮かべる。この様子に先ほどまでの不快感が吹っ飛んだようで慌てて副署長が口を開いた。
「法術適正はプライバシーの問題がありますからそれについては申し上げられません。それに法術師で無いと捜査官が務まらないとは到底思えません」
犯罪捜査について持論を延々と展開したいのを我慢しているのが誠にも分かるように言葉を選んでの副署長の一言。署長も特にとがめるようなことを言わなかった部下に満足したようにうなづくとそのまま最初に誠達に向けた笑顔をわざとらしく作って話し始める。
「法術の検査は政令に定めるとおり、警察署においても任意の検査が原則となっているので。それに適正者で能力的に貴重な人材はすべて本庁の機動部隊に転属になって……」
「つまり手駒で使えるのはいない確立が高いと……使えねえな」
かなめの言葉に署長の米神が痙攣するのを見て誠の胃がきゅるきゅると痛んだ。
誠の予想通りかなめの『使えない』に副署長まで怒り心頭という感じで膝の上の両の手をぎゅっと握り締めているのが自分を威圧しているように感じられる。誠は口の中が乾いていくのを感じていた。
「申し訳ありませんね、どうも。うちの仕事は荒事ばかりですから。後でしっかりその点は指導しておきますので。では私達はどこに行けばいいんでしょうか?」
アメリアもかなめの暴走が予想より早く始まりそうに思えたようでなんとかこの場を治める決意をしたようだった。目の前の二人の警察官僚も別に喧嘩をしたくてここにいるわけではない。早速副署長が立ち上がるとそのまま署長の執務机に置かれた電話機に手を伸ばした。
「一応、『結果』は期待していますので」
言葉の頭の『一応』に力を入れてつぶやくと署長は立ち上がる。部屋のドアが開くと二人の女性署員が現れる。
「とりあえず着替えをお願いしますよ。その格好だと軍の人間だと思われますから」
まだかなめの言葉を引きずっていると言うような副署長の表情。誠は顔を引きつらせながら立ち上がる。
「あ、神前曹長。男子更衣室まで案内します」
見た感じ四十手前と言う黒ぶちの眼鏡の女性署員。彼女の言葉につられて誠は一足先に廊下に出た。
四階建ての警察署の最上階。人気が無くて物寂しくていつもサラなどが走り回っている司法局実働部隊の隊長室の前の廊下とはまるで風情が違った。
「こちらです」
女性署員はそのまま階段を小走りで駆け下りる。誠は慌ててその後ろに続いた。三階を通過するとそのまま二階。当然のようにそこで廊下へと進む速度についていくのが誠には骨が折れた。
「こちらです。そしてこちらに着替えてください。すでにロッカーには名前が貼ってありますのでそちらをお使いください」
それだけ言うと一礼して去っていく女性署員。誠はすでに眼鏡以外の顔の特徴を忘れたほどに個性の無かった女性署員から受け取った階級章の無い制服を手にロッカールームに入る。真昼間。誰もいない。誠はさっさと着替えてしまおうと幸い目の前にあった『神前』と書かれたロッカーを開いた。
長いこと誰も使っていなかったのか防虫剤の強い刺激臭が誠を襲う。誠はしばらく扉を開けたままそこに立ち尽くした。
『あの人達……大丈夫かな』
考えれば考えるほど事態が悪いほうに進んでいくように感じられる。誠は仕方なく急いで着替えに取り掛かった。着替える東和警察の制服とと東和陸軍の制服の徽章を変えただけの司法局実働部隊の制服。着替える要領は同じなのであっさり着替えは終わった。
『神前曹長』
調度そのタイミングで今度は男性の声がロッカールームの外から聞こえた。
「はい!着替えが終わりました!」
そう言って飛び出した誠の前には背広を着た中肉中背の男が立っていた。
「こちらになります」
誠の顔に目も向けずに振り向くと男は先ほどの女性署員と同じような早足で歩き始める。誠はそのまま彼に従って冬の弱い日差しで陰になっている二階の通路を歩き始めた。
「私が……専従そっさかっの……」
「馬鹿!噛むんじゃねえ!」
長い会議を終えたと言うことで難しい顔で所長室に入ってきたのはずんぐりむっくりの豊川警察署の署長だった。悠然と誠の前に現れたその姿を前にして誠は緊張のあまり挨拶すらできない有様だった。そんな誠は明らかに怒りの骨髄反射を起こしたかなめに足の親指をパンプスのかかとで踏まれた。
飛び上がりたい痛みに耐えながら誠は挨拶を再開しようとする。その痛々しい姿を見て表情を緩めた署長は笑みを浮かべながら口を開いた。
「まあ緊張しなくても……まあかけてくれます?」
署長は小太りで白髪が混じってはいるが良く見れば20代後半と言う感じに見えた。でこぼこコンビの大きい方という感じにも見える妙に張ったえらが特徴の角刈りの副署長。こちらは明らかに敵意で武装して誠達を見ながら自分の中で値踏みでもしているように見えた。
「ほら、座ってくださいよ」
丸顔をさらに丸くしたように笑う署長はリラックスして応接ソファーに誠達を座らせた。
出向メンバーとして選ばれたのは誠、かなめ、カウラ、そしてアメリアだった。どこか落ち着かない誠達の中で一人、悠然と座って小太りの署長に色目を使うアメリアいつもどおりのことだった。
「法術となると……うちでは素人捜査しかできないものでね」
署長のその言葉に明らかに不機嫌そうな顔をさらにゆがめる副署長。署長は本庁からのキャリア組、副署長は上級職からの現場叩き上げと言う経歴だろう。誠も何度か警察に出入りしているうちに相手の持っている雰囲気やしゃべる内容で相手の経歴がある程度わかるようになってきていた。
副署長の『我々にも法術に関する資料が有れば十分に捜査活動は可能なんです!』と言いたそうな顔を十分時間をかけて眺めた後、ゆっくりとアメリアは話を始めた。
「法術に関しては未だ未解明な部分が多いですから。正直な話、警察署に閲覧権限が無い法術関係の資料を我々が所持していることは否定しません。ですがそれは上層部の決定によるもので私達の一存ではなんとも出来ません。ですので今回私達が専属捜査官としてこちらにお世話になって、それらの情報も十分駆使して解決のために全力を尽くすことに決まりました」
丁寧に、そう心掛けているようにアメリアは言葉を紡いだ。同じことをかなめが言ったらたぶん副署長は怒りに任せてその場を立ち去っていたことだろう。誠は言いにくい話をさらりと言うアメリアの技術に感心しながら話を聞いていた。
文句は山ほどある。そんな顔の副署長を見るとアメリアは大きくため息をついてカウラに目をやった。カウラもそれが多少へりくだって見せろと言うアメリアの意図だと悟って静かな調子で口を開く。
「こちらもまだ捜査のノウハウを蓄積している段階です。市民社会への法術の情報提供はまだ各地で論議の最中ですが、残念なことに情報の漏洩や一部在野研究者による情報リークが進んでいるのが現状です。これからはさらに凶悪化、組織化が予想されますからできるだけ早く対応することが必要になります」
「とうちの責任者は申しております」
カウラの穏やかな言葉にかなめが茶々を入れた。その言葉に明らかに不快そうな顔をしたのはそれまで穏やかな表情だった署長の方だった。キャリアの署長。その言葉自体かなめの気に入る要素は無い。誠はなんとかこの場を乗り切ろうと考えはじめた。
最初は穏やかな言葉で場の雰囲気を作ったアメリアだが、彼女は当てにならない。おそらく彼女もかなめとこの小太りの署長の相性の悪さには気づいているはずだった。一応、義理は果たしたと言う顔をしているアメリアの本来の行動原理は『面白ければそれでいい』である。引っ掻き回しにかかられたら誠も分が悪い。一方、カウラはそんな相性などは考えることもない。ただ今回の事件が本当に豊川市に舞台を移したのかを知りたいと言う職業倫理に基づいて動くだけ。
「で……この署に法術適正者は何人いるんですか?」
早速カウラが尋ねる。実務的な話ならと、それまで不機嫌だった副署長の方がこれからの捜査で主導権を取ろうと話を切り出そうとした。だが彼も組織人である、隣の署長に目をやった。署長はなにやら複雑な笑みを浮かべて黙ってかなめを見つめていた。かなめは目をそらさずにそれに答えて卑屈そうな笑みを浮かべる。この様子に先ほどまでの不快感が吹っ飛んだようで慌てて副署長が口を開いた。
「法術適正はプライバシーの問題がありますからそれについては申し上げられません。それに法術師で無いと捜査官が務まらないとは到底思えません」
犯罪捜査について持論を延々と展開したいのを我慢しているのが誠にも分かるように言葉を選んでの副署長の一言。署長も特にとがめるようなことを言わなかった部下に満足したようにうなづくとそのまま最初に誠達に向けた笑顔をわざとらしく作って話し始める。
「法術の検査は政令に定めるとおり、警察署においても任意の検査が原則となっているので。それに適正者で能力的に貴重な人材はすべて本庁の機動部隊に転属になって……」
「つまり手駒で使えるのはいない確立が高いと……使えねえな」
かなめの言葉に署長の米神が痙攣するのを見て誠の胃がきゅるきゅると痛んだ。
誠の予想通りかなめの『使えない』に副署長まで怒り心頭という感じで膝の上の両の手をぎゅっと握り締めているのが自分を威圧しているように感じられる。誠は口の中が乾いていくのを感じていた。
「申し訳ありませんね、どうも。うちの仕事は荒事ばかりですから。後でしっかりその点は指導しておきますので。では私達はどこに行けばいいんでしょうか?」
アメリアもかなめの暴走が予想より早く始まりそうに思えたようでなんとかこの場を治める決意をしたようだった。目の前の二人の警察官僚も別に喧嘩をしたくてここにいるわけではない。早速副署長が立ち上がるとそのまま署長の執務机に置かれた電話機に手を伸ばした。
「一応、『結果』は期待していますので」
言葉の頭の『一応』に力を入れてつぶやくと署長は立ち上がる。部屋のドアが開くと二人の女性署員が現れる。
「とりあえず着替えをお願いしますよ。その格好だと軍の人間だと思われますから」
まだかなめの言葉を引きずっていると言うような副署長の表情。誠は顔を引きつらせながら立ち上がる。
「あ、神前曹長。男子更衣室まで案内します」
見た感じ四十手前と言う黒ぶちの眼鏡の女性署員。彼女の言葉につられて誠は一足先に廊下に出た。
四階建ての警察署の最上階。人気が無くて物寂しくていつもサラなどが走り回っている司法局実働部隊の隊長室の前の廊下とはまるで風情が違った。
「こちらです」
女性署員はそのまま階段を小走りで駆け下りる。誠は慌ててその後ろに続いた。三階を通過するとそのまま二階。当然のようにそこで廊下へと進む速度についていくのが誠には骨が折れた。
「こちらです。そしてこちらに着替えてください。すでにロッカーには名前が貼ってありますのでそちらをお使いください」
それだけ言うと一礼して去っていく女性署員。誠はすでに眼鏡以外の顔の特徴を忘れたほどに個性の無かった女性署員から受け取った階級章の無い制服を手にロッカールームに入る。真昼間。誰もいない。誠はさっさと着替えてしまおうと幸い目の前にあった『神前』と書かれたロッカーを開いた。
長いこと誰も使っていなかったのか防虫剤の強い刺激臭が誠を襲う。誠はしばらく扉を開けたままそこに立ち尽くした。
『あの人達……大丈夫かな』
考えれば考えるほど事態が悪いほうに進んでいくように感じられる。誠は仕方なく急いで着替えに取り掛かった。着替える東和警察の制服とと東和陸軍の制服の徽章を変えただけの司法局実働部隊の制服。着替える要領は同じなのであっさり着替えは終わった。
『神前曹長』
調度そのタイミングで今度は男性の声がロッカールームの外から聞こえた。
「はい!着替えが終わりました!」
そう言って飛び出した誠の前には背広を着た中肉中背の男が立っていた。
「こちらになります」
誠の顔に目も向けずに振り向くと男は先ほどの女性署員と同じような早足で歩き始める。誠はそのまま彼に従って冬の弱い日差しで陰になっている二階の通路を歩き始めた。
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