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第12章 謹慎
承諾
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「で?西園寺の嬢ちゃんよ……その頼みに俺はどう答えると思う?」
不機嫌そうに親父はつぶやく。その瞳をにらみつけながらかなめは笑顔を浮かべた。
「受けるね、アンタは。アンタはそう言う人だ」
かなめはそう言って再びどんぶりを手に取った。
「俺も随分お人よしに見られたもんだな」
「じゃあ断るのか?」
かなめは矢継ぎ早にそう言った。
親父は目をランに向けた。小さなランは不敵な笑みを浮かべながらにらみ返す。
「アンタの腹はこの娘等が来た時から決まってたんだろ?」
レイチェルはそう言ってほほ笑んだ。
親父は苦笑いを浮かべつつ静かにうなづいた。
「しゃあねえね。ランと西園寺の嬢ちゃんとの仲だ。引き受けてやるよ」
「よし!」
ランはそう言うと店の中を見回して、黙ってやり取りを見つめていた誠達一人一人を目で確認した。
「世話になったな。それじゃあ用はしまいだ。出るぞ」
そう言ってかなめはそのまま店の出口に向かった。
「西園寺……」
カウラは心配そうにかなめの背中を見つめた。
「ベルガー……まあいいや。全員食い終わったみたいだしな。大将!旨かったぜ」
それだけ言うとランもまたかなめの後に続いた。誠とカウラ、アイシャはお互い顔を見合わせてそのあとに続く。島田、サラ、茜、ラーナもあわててそれに従った。
誠達が店を出るとランがそこに立っていた。
「狙撃手が……」
そう言いながら島田があたりを見渡す。
「馬鹿野郎。そんなことしてると本当にやられるぞ。行くぞ」
そう言うとかなめが先頭を切って繁華街に向けて歩き出した。
誠達も島田同様、あちこちのビルに目をやる。誠から見てもどのビルからスコープと銃口が見えるのか気になった。カウラが立ち止まっていた誠、島田、サラの肩を順番に叩いた。すでにかなり遠くに行っていた、かなめ、ラン、アイシャ、茜、ラーナに続くように促すものだった。
気が付いた誠達は急いでかなめ達に追いついた。
「この先にカラオケボックスがある。さっき押さえた。そこ行くぞ」
かなめはそう言ってそのまま歩みを速めた。
不機嫌そうに親父はつぶやく。その瞳をにらみつけながらかなめは笑顔を浮かべた。
「受けるね、アンタは。アンタはそう言う人だ」
かなめはそう言って再びどんぶりを手に取った。
「俺も随分お人よしに見られたもんだな」
「じゃあ断るのか?」
かなめは矢継ぎ早にそう言った。
親父は目をランに向けた。小さなランは不敵な笑みを浮かべながらにらみ返す。
「アンタの腹はこの娘等が来た時から決まってたんだろ?」
レイチェルはそう言ってほほ笑んだ。
親父は苦笑いを浮かべつつ静かにうなづいた。
「しゃあねえね。ランと西園寺の嬢ちゃんとの仲だ。引き受けてやるよ」
「よし!」
ランはそう言うと店の中を見回して、黙ってやり取りを見つめていた誠達一人一人を目で確認した。
「世話になったな。それじゃあ用はしまいだ。出るぞ」
そう言ってかなめはそのまま店の出口に向かった。
「西園寺……」
カウラは心配そうにかなめの背中を見つめた。
「ベルガー……まあいいや。全員食い終わったみたいだしな。大将!旨かったぜ」
それだけ言うとランもまたかなめの後に続いた。誠とカウラ、アイシャはお互い顔を見合わせてそのあとに続く。島田、サラ、茜、ラーナもあわててそれに従った。
誠達が店を出るとランがそこに立っていた。
「狙撃手が……」
そう言いながら島田があたりを見渡す。
「馬鹿野郎。そんなことしてると本当にやられるぞ。行くぞ」
そう言うとかなめが先頭を切って繁華街に向けて歩き出した。
誠達も島田同様、あちこちのビルに目をやる。誠から見てもどのビルからスコープと銃口が見えるのか気になった。カウラが立ち止まっていた誠、島田、サラの肩を順番に叩いた。すでにかなり遠くに行っていた、かなめ、ラン、アイシャ、茜、ラーナに続くように促すものだった。
気が付いた誠達は急いでかなめ達に追いついた。
「この先にカラオケボックスがある。さっき押さえた。そこ行くぞ」
かなめはそう言ってそのまま歩みを速めた。
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