368 / 1,474
第12章 謹慎
ゲーム
しおりを挟む
「あれから……忙しくなるんじゃなかったんですか?」
誠は思わずそうつぶやいていた。寮に着くと待っていた嵯峨は誠達に無期限の謹慎を命じた。理由は捜査権限逸脱。誠は黙認していた嵯峨の突然の変わり身に驚きながら抗議したが、一度決めたことを嵯峨が翻すことは考えられないとカウラに窘められて黙り込んだ。
そして誠は次の日の朝、出勤する隊員達を見送った誠達はすることも無く食堂でコーヒーを飲んでいた。
「世の中思惑通りに行かないもんだよ」
そう言いながらかなめはチョコレートに手を伸ばす。カウラも平然とクラッカーを食べている。
「そうよ、誠ちゃん。焦っても何も無いわよ」
アイシャはニコニコ笑いながらさっき一人でコンビニに出かけて買ってきたのチーズケーキを口に運んだ。嵯峨の突然の命令に切れた島田は簀巻きにされて部屋に放り込まれている。朝、出勤する隊員達と入れ替わりにやってきたサラが部屋にいる。おそらくは島田はありったけの不満を彼女にぶつけていることは誠にも容易に想像がついた。
「安心しろよ。捜査権限の委譲は済んでないんだ。ライラ達が出来るのは任意の事情聴取ぐらいだろうな。むしろレンジャー隊員がその得意とする交渉術を駆使して人海戦術で労せずして情報が集めてくれる。良いことだろ?」
見た目の子供のような姿からは想像もつかない大人びた考えをランが示して見せる。そして一人日本茶を飲みながら穏やかな顔で誠達を見つめる茜の姿があった。
「ああ、そう言えばさっきレベッカが遊びに来てたわよね」
思い出したようにアイシャはそう言うと立ち上がった。サラより少し遅れて遠慮がちに食堂に顔を出し、そのまま非番の西の部屋に彼女が向かったのは誠も知っていた。
「なんだよ、野暮なことならやめておけよ。叔父貴にどやされても知らねえぞ」
そう言うかなめだが、明らかにタレ目を輝かせてアイシャについて行く気は満々のように見えた。隣のカウラも暇をもてあましているというような表情で誰かがあと一言言えば立ち上がるような雰囲気だった。
「そうだな。西を指導するもの上司の務めだ」
ランが立ち上がる。さらに含み笑いの茜、心配そうな表情のラーナもコーヒーを飲み干して立ち上がる。
「止めましょうよ、そんなこと」
「おい、神前。笑いながら言っても説得力ねえぞ」
微笑むかなめを見て誠もつい立ち上がっていた。そして一同はいそいそと食堂を後にして寮の階段に向かう。
「どうする?そのまま一気に踏み込むか?」
「西園寺。それはさすがにやりすぎだろ」
ノリノリのかなめをカウラがたしなめる。だが慎重な言葉とは裏腹にカウラは一段飛ばしで颯爽と階段を駆け上がっている。呆れているラン達を尻目に誠、かなめ、アイシャ、カウラは素早く三階の西の部屋にたどり着いていた。
「おい!上官達の訪問だ!諦めて部屋を開けろ!」
かなめがドアを叩く。誠達は呆れながらかなめを見つめていた。
「ああ、西園寺大尉」
すぐに扉が開いて西が顔を出す。すぐさま計ったように素早くアイシャが部屋に飛び込み、扉をカウラが固定しているのを見て誠も悪乗りして後に続く。
「あのー……シンプソンさん?何をしているのかしら?」
立ち尽くすアイシャの前にゲーム機のコントローラーを持って座り込んでいるレベッカが見えた。
「『戦国群雄伝 国盗り物語』」
誠も西の端末の画面を見た。そこには髭面の日本の戦国時代の武将の顔が映されている。『戦国群雄伝シリーズ』は地球の日本の戦国時代を再現したシミュレーションゲームとして一昔前の東和ではやったゲームだった。今時ネット対戦でもなく一人用のシミュレーションゲームと言うことで珍しがられてコアなファンがいるゲームとして知られていた。
「渋い……って言うかなんで非番の日に部屋でこんなゲームやってるんだ?しかも二人で」
ただその事実にかなめは呆然と西達を見つめていた。
「へえ、西君がオリジナル大名で出てるんだ……国は和泉……畠山氏をいじったのね」
こういうゲームには詳しいアイシャはレベッカからコントローラーを奪うと武将の能力値の確認を始めた。ついてきたかなめも生暖かい視線でレベッカと西を見比べながら画面を覗き見ている。
「家老が嵯峨惟基……叔父貴かよ。アイシャ、これって能力の最高値は?」
かなめが今にも笑い出しそうな顔をしている。止めるべきかどうか悩みながら後ろのカウラに目を向けるが、彼女も呆れつつも興味があるようで画面をちらちらと盗み見ている。
「設定は100までだけど改造ツールを使えば150まで……ああ、ノーマルねこれ」
アイシャのニヤニヤが止まらない。こうなっては誰も手が出せないので、部屋の主の西も苦笑いでアイシャとかなめを見守るしかなかった。
「知性98、武力99。チートねえ、でも……西君。忠誠60で不満が80になってるわよ……って義理が0じゃないの!謀反起こされるわよ!」
「へ?これ初級ですよ。謀反は起きにくい設定なんじゃないですか?」
データを慣れたコントローラーさばきで検索するアイシャに西は何をしても無駄だと悟っている。苦笑いを浮かべながら西は画面を見つめている。
「馬鹿ねえ、この性格設定は松永弾正より謀反が起きやすい状況じゃないの。俸禄を増やして……」
完全にゲームのコントローラーを独占してアイシャは勝手に操作を始める。入力が終わるとすぐにかなめがコントローラーを奪って再び武将情報の画面に切り替える。
「へー西の餓鬼が大名ねえ……げ、いつの間にアタシ等が部下に……」
そこまで言ってかなめのニヤニヤに火がついた。さらに隣のアイシャも薄ら笑いを浮かべながらレベッカを見つめる。レベッカはしばらくうつむいて時々西を見つめる。
「おい、なんで妻がレベッカなんだよ。いいねえ純情で」
「西園寺さん!黙っていてください!お願いします!特に島田班長には!」
かなめに西が土下座を始める。だがそんな西が入り口を見て表情を硬直させたのに気づいて誠達も入り口に目をやった。
誠は思わずそうつぶやいていた。寮に着くと待っていた嵯峨は誠達に無期限の謹慎を命じた。理由は捜査権限逸脱。誠は黙認していた嵯峨の突然の変わり身に驚きながら抗議したが、一度決めたことを嵯峨が翻すことは考えられないとカウラに窘められて黙り込んだ。
そして誠は次の日の朝、出勤する隊員達を見送った誠達はすることも無く食堂でコーヒーを飲んでいた。
「世の中思惑通りに行かないもんだよ」
そう言いながらかなめはチョコレートに手を伸ばす。カウラも平然とクラッカーを食べている。
「そうよ、誠ちゃん。焦っても何も無いわよ」
アイシャはニコニコ笑いながらさっき一人でコンビニに出かけて買ってきたのチーズケーキを口に運んだ。嵯峨の突然の命令に切れた島田は簀巻きにされて部屋に放り込まれている。朝、出勤する隊員達と入れ替わりにやってきたサラが部屋にいる。おそらくは島田はありったけの不満を彼女にぶつけていることは誠にも容易に想像がついた。
「安心しろよ。捜査権限の委譲は済んでないんだ。ライラ達が出来るのは任意の事情聴取ぐらいだろうな。むしろレンジャー隊員がその得意とする交渉術を駆使して人海戦術で労せずして情報が集めてくれる。良いことだろ?」
見た目の子供のような姿からは想像もつかない大人びた考えをランが示して見せる。そして一人日本茶を飲みながら穏やかな顔で誠達を見つめる茜の姿があった。
「ああ、そう言えばさっきレベッカが遊びに来てたわよね」
思い出したようにアイシャはそう言うと立ち上がった。サラより少し遅れて遠慮がちに食堂に顔を出し、そのまま非番の西の部屋に彼女が向かったのは誠も知っていた。
「なんだよ、野暮なことならやめておけよ。叔父貴にどやされても知らねえぞ」
そう言うかなめだが、明らかにタレ目を輝かせてアイシャについて行く気は満々のように見えた。隣のカウラも暇をもてあましているというような表情で誰かがあと一言言えば立ち上がるような雰囲気だった。
「そうだな。西を指導するもの上司の務めだ」
ランが立ち上がる。さらに含み笑いの茜、心配そうな表情のラーナもコーヒーを飲み干して立ち上がる。
「止めましょうよ、そんなこと」
「おい、神前。笑いながら言っても説得力ねえぞ」
微笑むかなめを見て誠もつい立ち上がっていた。そして一同はいそいそと食堂を後にして寮の階段に向かう。
「どうする?そのまま一気に踏み込むか?」
「西園寺。それはさすがにやりすぎだろ」
ノリノリのかなめをカウラがたしなめる。だが慎重な言葉とは裏腹にカウラは一段飛ばしで颯爽と階段を駆け上がっている。呆れているラン達を尻目に誠、かなめ、アイシャ、カウラは素早く三階の西の部屋にたどり着いていた。
「おい!上官達の訪問だ!諦めて部屋を開けろ!」
かなめがドアを叩く。誠達は呆れながらかなめを見つめていた。
「ああ、西園寺大尉」
すぐに扉が開いて西が顔を出す。すぐさま計ったように素早くアイシャが部屋に飛び込み、扉をカウラが固定しているのを見て誠も悪乗りして後に続く。
「あのー……シンプソンさん?何をしているのかしら?」
立ち尽くすアイシャの前にゲーム機のコントローラーを持って座り込んでいるレベッカが見えた。
「『戦国群雄伝 国盗り物語』」
誠も西の端末の画面を見た。そこには髭面の日本の戦国時代の武将の顔が映されている。『戦国群雄伝シリーズ』は地球の日本の戦国時代を再現したシミュレーションゲームとして一昔前の東和ではやったゲームだった。今時ネット対戦でもなく一人用のシミュレーションゲームと言うことで珍しがられてコアなファンがいるゲームとして知られていた。
「渋い……って言うかなんで非番の日に部屋でこんなゲームやってるんだ?しかも二人で」
ただその事実にかなめは呆然と西達を見つめていた。
「へえ、西君がオリジナル大名で出てるんだ……国は和泉……畠山氏をいじったのね」
こういうゲームには詳しいアイシャはレベッカからコントローラーを奪うと武将の能力値の確認を始めた。ついてきたかなめも生暖かい視線でレベッカと西を見比べながら画面を覗き見ている。
「家老が嵯峨惟基……叔父貴かよ。アイシャ、これって能力の最高値は?」
かなめが今にも笑い出しそうな顔をしている。止めるべきかどうか悩みながら後ろのカウラに目を向けるが、彼女も呆れつつも興味があるようで画面をちらちらと盗み見ている。
「設定は100までだけど改造ツールを使えば150まで……ああ、ノーマルねこれ」
アイシャのニヤニヤが止まらない。こうなっては誰も手が出せないので、部屋の主の西も苦笑いでアイシャとかなめを見守るしかなかった。
「知性98、武力99。チートねえ、でも……西君。忠誠60で不満が80になってるわよ……って義理が0じゃないの!謀反起こされるわよ!」
「へ?これ初級ですよ。謀反は起きにくい設定なんじゃないですか?」
データを慣れたコントローラーさばきで検索するアイシャに西は何をしても無駄だと悟っている。苦笑いを浮かべながら西は画面を見つめている。
「馬鹿ねえ、この性格設定は松永弾正より謀反が起きやすい状況じゃないの。俸禄を増やして……」
完全にゲームのコントローラーを独占してアイシャは勝手に操作を始める。入力が終わるとすぐにかなめがコントローラーを奪って再び武将情報の画面に切り替える。
「へー西の餓鬼が大名ねえ……げ、いつの間にアタシ等が部下に……」
そこまで言ってかなめのニヤニヤに火がついた。さらに隣のアイシャも薄ら笑いを浮かべながらレベッカを見つめる。レベッカはしばらくうつむいて時々西を見つめる。
「おい、なんで妻がレベッカなんだよ。いいねえ純情で」
「西園寺さん!黙っていてください!お願いします!特に島田班長には!」
かなめに西が土下座を始める。だがそんな西が入り口を見て表情を硬直させたのに気づいて誠達も入り口に目をやった。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘
橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった
その人との出会いは歓迎すべきものではなかった
これは悲しい『出会い』の物語
『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる
法術装甲隊ダグフェロン 第三部
遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』は法術の新たな可能性を追求する司法局の要請により『05式広域制圧砲』と言う新兵器の実験に駆り出される。その兵器は法術の特性を生かして敵を殺傷せずにその意識を奪うと言う兵器で、対ゲリラ戦等の『特殊な部隊』と呼ばれる司法局実働部隊に適した兵器だった。
一方、遼州系第二惑星の大国『甲武』では、国家の意思決定最高機関『殿上会』が開かれようとしていた。それに出席するために殿上貴族である『特殊な部隊』の部隊長、嵯峨惟基は甲武へと向かった。
その間隙を縫ったかのように『修羅の国』と呼ばれる紛争の巣窟、ベルルカン大陸のバルキスタン共和国で行われる予定だった選挙合意を反政府勢力が破棄し機動兵器を使った大規模攻勢に打って出て停戦合意が破綻したとの報が『特殊な部隊』に届く。
この停戦合意の破棄を理由に甲武とアメリカは合同で介入を企てようとしていた。その阻止のため、神前誠以下『特殊な部隊』の面々は輸送機でバルキスタン共和国へ向かった。切り札は『05式広域鎮圧砲』とそれを操る誠。『特殊な部隊』の制式シュツルム・パンツァー05式の機動性の無さが作戦を難しいものに変える。
そんな時間との戦いの中、『特殊な部隊』を見守る影があった。
『廃帝ハド』、『ビッグブラザー』、そしてネオナチ。
誠は反政府勢力の攻勢を『05式広域鎮圧砲』を使用して止めることが出来るのか?それとも……。
SFお仕事ギャグロマン小説。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
【完結】捨ててください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。
でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。
分かっている。
貴方は私の事を愛していない。
私は貴方の側にいるだけで良かったのに。
貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。
もういいの。
ありがとう貴方。
もう私の事は、、、
捨ててください。
続編投稿しました。
初回完結6月25日
第2回目完結7月18日
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
思わず呆れる婚約破棄
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある国のとある夜会、その場にて、その国の王子が婚約破棄を言い渡した。
だがしかし、その内容がずさんというか、あまりにもひどいというか……呆れるしかない。
余りにもひどい内容に、思わず誰もが呆れてしまうのであった。
……ネタバレのような気がする。しかし、良い紹介分が思いつかなかった。
よくあるざまぁ系婚約破棄物ですが、第3者視点よりお送りいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる