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第21章 普段の一日

大量の酒

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「いい匂いだな」 

 食堂に来たのは菰田だった。厨房の中を覗き込んで、そこにカウラがいるのを見つけるとすぐさま厨房に入ってくる。

「菰田。テメエ邪魔」 

 近づく彼に鋭くかなめが言い放った。

「そんな、西園寺さん。別に邪魔はしませんから」 

「ああ、あなたは存在自体が邪魔」 

 そう言うとアイシャは手で菰田を追い払うように動かす。思わず笑いを漏らした誠を、菰田は鬼の形相でにらみつける。しかし、相手はかなめとア
イシャである。仕方なく彼はそのまま出て行った。

「あの馬鹿と毎日面を合わせるわけか。こりゃあ誤算だったぜ!」 

 かなめがカウラを見やる。まな板を洗っていたカウラはいまいちピンと来てない様な顔をした。

「なるほど、もうそんな時間なわけね。誠君、ご飯は」 

「もうセットしましたよ」 

「後は煮えるのを待つだけだね」 

 サラがそう言うと食堂に入ってきた西の姿を捉えた。

「西園寺大尉!」 

 西は慌てていた。呼ばれたかなめは手を洗い終わると、そのまま厨房をでる。

「慌てんなよ。なんだ?」 

「代引きで荷物が届いてますけど」 

「そうか、ありがとな」 

 そう言ってかなめは食堂から出ていく。

「かなめちゃんが代引き?私はよく使うけど」 

「どうせ酒じゃないのか?」 

 カウラはそう言って手にした固形のカレールーを割っている。

「さすがの西園寺さんでもそんな……」 

 言葉を継ぐことを忘れた誠の前に、ウォッカのケースを抱えて入ってくるかなめの姿があった。

「おい!これがアタシの引っ越し祝いだ」 

 あまりに予想にたがわないかなめの行動に、カウラと誠は頭を抱えた。

「これ……全部飲むんですか?」

 誠がざっと見ただけで三ダースあった。

「飲まないでどうするよ。これでしばらく晩飯後の晩酌には事欠かないだろ?」

 得意満面でかなめは胸を張って誠達を見回した。

「神前、飲みすぎるなよ」

 カウラの言葉でおそらくウォッカの消費に自分が貢献しなければならないことを察して誠は頭を抱えた。
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