心に傷を負った男

中西工業社長、守の非摘出子として
生まれてきた後藤義信。

身寄りのない義信は、
怒りと憎しみを抱え、青年になると、
真面目を装い、中西工業に就職し、潜り込む。
そして、復讐を誓う。

義信とは反対に、裕福な家庭で、
何の不自由もなく育った守の息子、英二。
英二は、日本が認めるプロボクサーに成長。
そして、二十四歳の十二月二十四日のクリスマス・イブに
念願の世界タイトルマッチが決定。

やがてそのクリスマス・イブ当日。

義信は、今までの陰の道を正し、
陽の道を歩けるよう、ある計画を練った。

 それは英二がリングに登ったその瞬間に、
撃ち殺すことだったー。 

  一人は日本を代表するボクサーとして、
もう一人はいくつもの事件を重ねる逃亡者として、まったく違った性質の二人が、
レインボーホールの会場で、対峙する
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