先生は海の匂いがした 〜兄は僕を愛し、支配した。そんな兄が殺された。殺したのは兄の教え子であり、僕の同級生だった〜

【ネット小説大賞 一次選考通過作品(上位8%)】
もはや狂気の沙汰だった。兄は篤史を強烈に愛し、支配した。そんな兄が突如として死んだ。篤史16歳の秋である。
兄を殺したのは桐原崢。教員であった兄のかつての教え子であり、篤史の同級生だった。

「桐原崢とは関わるな。あいつは危険人物だ」
生前、兄は言っていた。それに反するように篤史は崢に惹かれていった。
崢が篤史に近づいてきた理由、そこに明確な目的があるとも気づかずに―――

交錯する憎しみと愛。心の軋む青春。

「おまえは俺を捨てろ。愛してるよ」

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